人を満たすものって何だろう。

おはようございます。
今日の東京は曇り空ですが
走り始めると意外と蒸し暑く
心地よく汗をかきました。

***
今日は「とんかつ」と「場」について、コメントします。
昨日の夕方、夜の打合せの前に腹ごしらえしておこうと
原宿にあるとんかつ屋さんへ。
以前から、そのお店のことをいいなあと思っていたので
その理由を探ろうと、あらためて店内を見回しました。

適量が補充され、きちんと並べられたソースやおはし、
磨かれたテーブル、ちりひとつない床、
天井やランプシェードのほこりも見えない。
カウンターから覗ける厨房も、これから使い始めるのかと
思わんばかりに整頓されている。
ふと、ご主人が開けた棚に目をやると、
ぴしっとふきんが敷かれ、その上にひとつひとつ湯呑が並んでいる。

接客は極めてさっぱりしているが、
その必要最小限のやりとりのなかに
きちんとキャッチボールできている感じがある。
「お願いします」「了解しました」が交わされる感じ。

「熱いです」
お味噌汁を手渡すときのご主人の一言。

少しお店が混んでくる。
厨房の端にあるインターホンみたいな電話。
「ちょっと、お願いします」。
すぐに奥から、お母さんが現れる。

「混んできましたね」
「ええ」
カウンターの常連さんとの少しだけど温度のあるやりとり。

このお店という場は、ご主人の存在が大きく影響している。
ご主人が場を作っていると言ってもいい。
人への親切、心配り、敬意や思いやり。
僕はお客さんとして、ご主人の仕事に対する姿勢を通じて、
ひとりの人間の人生の一端に触れている。
ご主人に対し「信頼」に近い感情を抱く。
「いただきます」「ご馳走さま」が素直に心に浮かぶ。
その場で過ごした時間について、「どう感じたか」と聞かれたら、
美味しかった、というより、「安心した」と言いたい。

あ、肝心なとんかつの話。
目が飛び出るほど美味!!みたいなのじゃないです。
1230円の"きちんとした"ロースかつ定食。
やっぱり、きちんと、おいしい。

僕が満たされた感覚を抱いたのは「とんかつ」が理由ではない。
一歩足を踏み入れて帰るまで、その場に身をおいた時間すべての心地よさ。
それが、僕の満足感の肝だと思う。

翻って、シブヤ大学の授業という場はどうだろう?
この「とんかつ」と「場」の関係、
僕は非常に大切なヒントがある気がしている。

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***
今日の午後はある企業と定期的に行っている
新たな業務連携に関する会議を予定しています。
まず第一歩目としての落とし所が、だいぶ見えてきました。

09:09:33
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シブヤ大学
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特定非営利活動法人シブヤ大学
講義の舞台裏などを、学長、左京泰明が日々の奮闘記としてお届けします!

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このページは、左京泰明が2009年6月 3日 09:31に書いたブログ記事です。

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