シブヤ大学

シブヤ大学は、
“見つける学び場”です。

シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。
2006年の開校以来、開催した授業は1,600講座以上。これまでに45,000人以上が参加しています。

シブヤ大学とは

最新授業レポート

終了した授業の内容をお伝えします

みんなができるヨガ! ~シニアの方・障がいのある方・体が硬い方も~

ヒロ(イシズカヒロコ)さんという方アートと自然を愛し、旅や草木染、障がいのある方との創作活動を通して、人生を丁寧に紡いできたヒロさん。現在は、ホープ就労支援センター渋谷で、アート指導員に携わりながら、ヨガインストラクターをされています。年齢を重ねる中で、自身の体調の変化や、支援の現場で出会う人々の姿から、「心と身体の健やかさ」の大切さを実感。コロナ禍で体を動かす機会が減り、腰痛に悩まされた経験も重なり、身体のメンテナンスやマインドフルネスを模索する中で出会ったのが「筋調整ヨガ」でした。無理なく、痛みなく、でも確かに身体が整っていく感覚に心を動かされ、全米ヨガアライアンス認定RYT200を修了。200時間の学びを経て、筋調整ヨガの指導者資格も取得。今では、誰もが自分らしく心地よく動けるヨガを伝えることが、ヒロさんの新たな表現のひとつとなっています。筋調整ヨガとは?筋調整ヨガは、筋肉の特性を活かしながら、痛みを伴わずに全身を整えるヨガです。特に深層筋(インナーマッスル)に働きかけることで、体力に自信のない方や運動が苦手な方でも無理なく取り組めるのが特徴です。・苦手な動きより「楽な動き」を選ぶ・アイソメトリック(等尺性収縮)で筋肉にやさしく負荷をかける・日常生活に必要な筋力を、心地よく整える授業のはじまり——やさしく、あたたかく、そして力強くこの日の上原社会教育館の体育館には、ヨガ初心者、体が硬いと感じている方、腰痛に悩んでいる方、シニアヨガに関心のある方など、さまざまな背景を持つ参加者が集まりました(最高齢は87歳!)。そんな空気をやさしく包み込むように、「今日は無理せず、心地よさを大切にしていきましょう」と語りかけるヒロさんの柔らかな笑顔と落ち着いた声で、授業が始まりました。本日の授業の流れと実践内容・呼吸と身体の観察授業はまず、静かな呼吸からスタート。鼻から吸って、鼻から吐く——その基本を意識しながら、自分の呼吸と身体の状態をじっくり観察する時間が流れました。・マットでのヨガポーズヒロさんの声に導かれながら、参加者はマットの上でさまざまなポーズに挑戦しました。✴︎足の上げ伸ばし、足指のグー・パー・チョキ✴︎ワイパー運動✴︎股関節を回す、開閉する「ガッセキのポーズ」✴︎手と足の指を組んで足首を回す、膝と手を押し合う動き✴︎肩甲骨を開く、胸を開く、背骨を意識して動かす✴︎ダウンドッグ、前屈・後屈、天使のポーズなど・アイソメトリックの実践筋調整ヨガの核となるアイソメトリックの動きも随所に登場。手と膝を押し合う、足を交差して力を入れるなど、一見穏やかな動きがらもインナーマッスルに効く動きが紹介されました。ヨガとエクササイズの違い——ヒロさんの語り「ヨガは、ポーズを取ることが目的ではないんです」そう語るヒロさんの声には、長年の実感がにじんでいました。「エクササイズは、筋肉を鍛えたり、体力をつけたりすることが目的。でもヨガは、心と体が“安心して心地よくいられる”状態を目指すもの。動きはあくまで手段であって、最終的には“心の静けさ”を育てることが大切なんです」参加者たちは、うなずきながらその言葉に耳を傾けていました。「だから、無理にポーズを決めなくていい。気持ちいいところで止めて、呼吸と一緒に動いてみてくださいね」その一言が、参加者の緊張をふっとほどいていくのが感じられました。・リラクゼーション授業の終盤には、マットに横たわり、全身の力を抜いてリラックス。静寂の中、時折聞こえる寝息に、思わず笑いがこぼれる場面も。「寝ちゃってもいいんですよ〜」というヒロさんの言葉に、皆が安心して身を委ねていました。最後は合掌をして、今日一緒にヨガをした仲間と、自分の身体に「ありがとう」を伝えて終了。心も体もほぐれた、あたたかな時間でした。椅子ヨガの可能性——誰でもできる、どこでもできるこの日の授業で特に印象的だったのが、ヒロさんが丁寧に紹介してくださった「椅子ヨガ」の数々。膝や腰に不安のある方でも安心して取り組めるよう、体育館にも椅子も用意し、椅子に座ったままでできるポーズもたくさん紹介されました。そして、これらの椅子ヨガを実際にデモンストレーションしてくれたのが、ヒロさんの姪・涼葉さん。涼葉さんが椅子に座って一つひとつのポーズを丁寧に実演してくださいました。おわりに約70分の授業が終わる頃には、参加者の表情がすっかり柔らかくなっていました。「普段しない動きを、無理なくやってみるだけで、こんなに気持ちいいなんて」「明日、ちょっと筋肉痛かも。でも、それも嬉しい」ヨガは、特別な人のためのものではなく、誰にでも開かれたもの。「生活に必要な筋力を、心地よく整える」——そんなヒロさんのヨガは、参加者一人ひとりの心と体に、やさしく、確かに届いていました。 (レポート:大谷蓮壽、写真:江藤俊哉)

超参加型読書会アクティブ・ブック・ダイアローグで読む『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』

「〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学」をテーマに、アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)形式の読書会が行われました。今回は小山内園子著『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』を教材に、参加者11名が一冊の本を協働して読み解きました。 授業はまず、一人ひとりが担当の章を読み、内容を白紙5枚に要約。その要約を黒板に並べて全体像を共有し、各自が“筆者になりきって”発表します。 発表を聞いた参加者は、印象に残った箇所にシールを貼り、重なった部分を中心に3つのグループでディスカッションを行いました。 対話では、「なぜ韓国文学では明るい主人公が受け入れられにくいのか」「“恨(ハン)”という感情が社会的な連帯を生むのでは」といった意見が交わされました。また、「“弱さ”を“選択肢を奪われること”と定義する視点が新鮮」「読者を物語に没入させすぎず、読後に“あなたはどう生きる?”と問いかける構成が印象的」との声もありました。 別のグループでは、チョ・ナムジュ作品を通して「再び書くことの意味」や「SNSでの中傷はなぜ起こるのか」が話題に。韓国では文学と社会が互いに影響し合う構造があり、芸術が社会問題に向き合う姿勢が日本とは異なるのでは、という意見もありました。 ディスカッション内容は模造紙を用いて可視化。「日本の場合…」「痛みを共有することの力」といった言葉が並び皆の思考を整理しました。参加者からは「事前に読まなくていい読書会が新鮮」「他の人の視点で理解が深まった」「時間が足りないほど濃密だった」「脳が汗をかくような読書体験だった」「韓国文学入門として刺激的だった」などの声が寄せられました。 私自身、韓国文学が社会を映し出し、社会を動かす力を持つことを実感しました。社会について一人で読書しているともやもやが残ることがありますが、こうして考えを共有し、対話を重ねることで理解が深まり、読み進めることができると感じました。(レポート:臼倉裕紀、写真:鈴木夏奈)

“わたしが決める”をはぐくむ・エンパワメント 〜障がいのある人の学びの現場から〜

本授業は、渋谷区で40年以上続く「えびす青年教室」や「GAYA」の活動を通じて、知的障がいのある人々の「学び」と「地域との関係性」について考える機会が提供された。講師である石川稔さんからは、制度の狭間に置かれがちな人々が「自分で決める」ことを支える実践を、社会教育の視点からの活動における課題などを語っていただいた。「えびす青年教室」は、1980年に親の会の請願をきっかけに発足し、養護学校設置義務化の流れの中で、「すべての人に学ぶ権利がある」という理念を体現する場として生まれた。この「えびす青年教室」の運営は、障がいを抱える人々に対して、その人たちの長所・力・強さに着目して援助するという「エンパワメント」の理念が据えられている。そのため、この「青年教室」における援助者はサービス利用者の「上」ではなく、対等な立場に立つパートナーとして関わることが求められる。また、「青年教室」は、知的障がいのある人が「やりたいこと」を表現できる場を設け、自己肯定感を高めることを意図しており、イベント企画や「みんなに知らせたいことがある人コーナー」などを通じて、本人の意思を表明することを支援し、仲間同士がロールモデルとなるような関係性が築かれている。また、この活動では、保護者による活動支援から脱却し、地域住民や学生ボランティアが講師やプログラム運営に関わる形へと移行した点も重要である。このような形態へと変更することで、援助者による単なる支援という形態から、援助者が参加者と共に学び合うという教育的関係性および地域共生に向けての相互理解を築く工夫がされており、この活動が継続的活動となっている要因であると考える。この「えびす青年教室」や「GAYA」の渋谷区における所管は社会福祉ではなく社会教育となっている。これは、知的障がい者に対して「生活を支える」だけでなく、「学びの場を提供する」ことの意義を強調するものであった。例えば、中学卒業後すぐに就職するケースが多かった軽度障がい者が字を覚えることや「やりたいこと」を考える機会としてこの教室が存在したという例は、この教育的支援の重要性を物語っていると考える。一方で、石川さんは、「教育的関係=学び合い、自分に何が必要かを考える力」「福祉的関係=一対一で生活を支える関係」の両方が必要であるとも語られており、このバランス感覚は、支援のあり方を再考する上で非常に示唆的であった。参加された方からは、以下のようなコメントがあった。・やはり人間関係が広がることが知的障がい者の成長につながるのは常に実感します・知的障がい者の豊かな生活を支えるのは教育と福祉両方とも必要。渋谷区では例外的に福祉ではなく学びとスポーツ課が所管ではあるが、福祉的な視点からの配慮されている。教育的関係:学び合い自分に何が必要か考える力福祉的関係:サービス提供の一対一生活を支える両方とも必要ではあるが、なかなか協働できていない。・知的障がい者はこの国では分離教育が原則であり、生活経験が不足している。健常者含めた仲間たちとの関係性をできるだけ作ることが大切だが、家族や福祉関係者以外に作るのは大変です。石川さんの活動の紹介を通して、「えびす青年教室」や「GAYA」の活動は、「わたしが決める」という言葉が、単なるスローガンではなく、実践の中で育まれている、ということを実感しました。障がい者の自立を図るためには、単なる支援という枠から、参加者の自己肯定感を高めるために、自分たちで何かを決め、それを実施して、小さな成功を積み重ねていく。この過程は対象者となる障がい者だけではなく、支援する支援者にとっても学びの機会となる、というのを実感しました。一方で、障がい者教育などにおいては、単につながりを作るという社会教育の側面だけを強化するだけではうまく行かず、参加される方が安全かつ適切にサービスを享受できるという社会福祉の側面も考慮する必要があり、この連携が重要である、という事を改めて考えさせられました。(レポート:山口圭治、写真:武田 環)

コラボレーション

企業・自治体などとのコラボレーション事例

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