シブヤ大学 2022年度 活動レポート
皆さん、こんにちは!シブヤ大学は行政や企業・団体、ボランティアスタッフ、企画パートナーなど様々な方々と連携して、誰もが気軽に学べる場づくりを行なっています。
2022年度はコロナ禍を少しずつ抜け、対面で顔を合わせての授業が数多く戻ってきたり、渋谷から離れて地方を教室にした授業を実施することができました。大変お待たせしてしまいましたが、今回の記事では2022年度の活動レポートをお届けします。
▼16周年特別授業
2020年に行ったリニューアルにて、シブヤ大学は大切にしたい「6つのキーワード」を発表しました。16周年を迎えた2022年度は、6つのキーワードをもとに活動を進める中で生まれてきた新たな問いについて、全国各地で活動するゲストとともに考える3つの特別授業を実施しました。
6つのキーワード
6つのキーワードの詳細(https://www.shibuya-univ.net/about/)
6つのキーワードをもとに活動を進める中で生まれてきた新たな問いはこちらです。
「学びはもっとゆるくていい」
→忙しい日常の中でも大事にしたい"ゆるい学び"って何だろう?
「同じ空間で誰かとともに学びあう」
→コロナの影響でリアルな場で集まる機会が減った今、それでもリアルな空間で学びたいことって何だろう?
「まちじゅうが学びの場に変わる」
→地域に開かれた学びの場として、渋谷のまちとどう関わっていきたい?
このような自分たちだけでは答えの出ない問いを、全国で活動している方々とともに学びあいながら、自分たちの活動に還元していきたい、という思いで企画した特別授業シリーズ。全国の学びの場に関わる皆さんや専門家の皆さんとともに、いくつもの新しいキーワードに出会うことができました。
▼つくることで学ぶ ―シブヤ大学の授業づくりへ挑戦する人、自主的に活動を始める人を増やすー
シブヤ大学の授業は、「自分が受けたい授業」を誰でも企画することができます。興味や関心、問題意識などをもとに授業という形にしていくプロセスには、自ら企画し、実践するからこそ学べることがあふれています。
シブヤ大学の授業づくりを通して、自分自身の関心をもとに他者や社会とつながっていってほしいという思いから、2022年度は活動の指標に「授業づくりを行なった人数(授業コーディネーターの人数)」を取り入れることとしました。例えば100の授業があった場合に、特定の1人が100の授業をつくることより、100人がそれぞれ1つの授業をつくる方が多様で価値がある、と私たちは考えています。
●「シブヤ大学の"授業をつくる人"を大募集します」イベントの実施
イベントには、様々な関心や問題意識を持った皆さんが参加し、そこから授業企画の経験を持つスタッフがメンター役になりながら、それぞれの企画をチームでアドバイスしあいながら企画を練っていきました。
音楽や哲学思想、着物などの関心をもとに約3ヶ月の活動の中で企画を深め、最終的に3つの授業が生まれました。
<「シブヤ大学の"授業をつくる人"を大募集します」イベントから生まれた授業>
●参加者同士・スタッフ同士の勉強会から生まれた授業や自主的な活動
ロシアのウクライナ侵攻が始まって間もない頃、一人のスタッフから「ウクライナやロシアの問題、戦争と平和について話したい。居ても立っても居られないので、シブヤ大学で授業をつくりたい」という声が上がりました。同じ関心を持つスタッフ同士に声をかけ、勉強会グループを結成。その勉強会メンバーからは、2つの授業が生まれました。
他にも20代スタッフが"ゆとり世代"をテーマに集まり、改めて自分たちにとっての"ゆとり"の意味やキャリアについて考えるイベントを企画したり、沖縄の基地問題をテーマとした授業への参加者が自主的に集まって読書会を開催していたりと、シブヤ大学を通じて出会った方同士が自主的な活動を広げていきました。
今後もシブヤ大学では、一人一人の興味や問題意識からアクションに繋がる後押しとなる活動を行っていきたいと思います。
●教え手がつくり手へ
「先生」として授業にご登壇いただいた方が、専門性やつながりを生かし「授業コーディネーター」としてシブヤ大学の授業を企画するケースも増えてきました。教える役割だった先生が、今度は授業企画の主体(コーディネーター)となって新たな授業を企画する流れは、さらに学びが広がり深まっていく良い学びの循環だと感じています。
▼地方へのツアー型授業<京都府綾部市 NPO法人里山ねっと・あやべとの連携>
地域の暮らしに触れ移住定住のきっかけとなる機会づくりとして、京都府綾部市にあるNPO法人里山ねっと・あやべとコラボレーションし、ツアー型の授業「里山の時間を味わおう。-暮らしをめぐる2日間-@京都府綾部市」を開催しました。コロナ禍を経て、その土地ならではの空気感やそこで暮らす人々との出会いなど、オンラインではなくリアルだからこそ学べるものがあると感じています。また同時に、渋谷から離れた視点を持つことを通じて、改めてシブヤ大学が都市にある学びの場として果たすべき役割を捉え直す機会となっています。
一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントと連携し、"いろんな人と自由に意見を交換できる場をつくり、そこで生まれた意見やアイデアをもとにして共に活動をつくる"という目的で2021年より「しぶやをつくるゼミ」を開催しています。
(写真:UR都市機構)
関連リンク:「第2期しぶやをつくるゼミ」2期生の最終発表会をレポート
シブヤ大学にとって一番身近な地域社会である渋谷に根ざしたこの活動。ゼミ生から生まれた意見やアイデアをひろいながら、実際のまちづくり活動に落とし込んでいくことを目指し、今後も継続的に実施される予定です。
▼シブヤ大学のPodcast「シブダイラジオ」をスタート
「いつでもどこでも、もっと気楽に楽しめる学びのコンテンツをつくる」ことを目的に、Podcast「シブダイラジオ」をスタートしました。シブヤ大学をまだ知らない方、参加はしたことがないけれど気になっている方、たまたまSNSで見つけた方など、より多くの方に、日常の中での「学びのきっかけ」を届けるべく、先生との授業後のアフタートークや、授業企画の裏側で考えていることなどを中心に、全9回の配信を行いました。
▼法人サポーター向け「学びの場運営プログラム」を実施
シブヤ大学では法人サポーターの社員様向けに、地域貢献や人材育成の場として社員の皆様にご参加いただく「学びの場運営プログラム」を実施しています。
2022年度は法人サポーターとしてシブヤ大学をご支援いただいている株式会社トライアンフ様と「学びの場運営プログラム」を実施し、シブヤ大学のスタッフの一員として授業運営に関わっていただきました。
プログラム実施後は、振り返り会とシブヤ大学のボランティアスタッフとの交流会も実施しました。
【社員の皆様からいただいた感想】
・(読書会の授業に参加)社内は20〜30代が多いため、他世代と関われる機会は少ない。シブヤ大学は参加者の年代が幅広くてとても良い刺激を受けた。多様な世代と交流でき、特に人生経験が豊富な上の世代の視点が深く、否定的な意見もいただいたのだがとても勉強になった。
・(音楽の授業に参加)シブヤ大学のような大人が学ぶ場は、積極的で、自分から掴みに行く人が多いイメージだったが、全然違った。参加者が各々に音楽に聴き入り、自分の世界に入り込み1人で楽しんでいる方が多かったのが意外だったし、とても新鮮だった。
・(20代の方)日々仕事に一生懸命で、休日に自分からこういった場に出向くことが難しいため、会社でこういった社外への参加の場を用意してもらえると参加しやすくてよかった。活動的な人は自分で探して自分で参加できるが、そうじゃない人も機会を与えてもらえると参加できる。
・(役員の方)社外への活動に参加できるという、福利厚生的な側面としても社会貢献活動をすることで会社の価値を上げていきたい。こうした活動に関われる機会をつくることで、社員の成長や、会社への愛着につながるといい。
シブヤ大学では、誰もが自分たちの生きる社会について安心して話せる学びの場をつくるための活動をご支援いただける企業・自治体の皆様を募集しています。
「学びの場運営プログラム」をはじめ、地域貢献、人材育成などの観点から企業の皆様にとってプラスになる連携のあり方を一緒に考えていければと思っております。是非お気軽にお問い合わせください。
数字で見る2022年度の授業
会計報告
2022年度会計報告
2022年度 経常収益と経常費用
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