シブヤ大学

シブヤ大学は、
“見つける学び場”です。

シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。
2006年の開校以来、開催した授業は1,400講座以上。これまでに36,000人以上が参加しています。

シブヤ大学とは

最新授業レポート

終了した授業の内容をお伝えします

一年の計は「運針」にあり! ~布巾をひたすら縫う~

今回は和裁士の坂田直さんを講師にお招きして、「運針」と「補綴(ほてつ)」の授業です。「運針」とは読んで字のごとく「針を運ぶ」こと。和裁の基本となる技術です。「補綴(ほてつ)」は、ほころんだ衣類を自分で繕う、直しの手法のことを言います。畳の匂いが心地良い和室で、互いの顔が見えるように机を囲み、授業開始です。  まずは基本となる針の持ち方から。最初に右手中指の中節に指あてをはめます。次に、右手でOKの形を作り、糸を通した針の真ん中あたりを親指と人差し指で挟むように持ちます。このとき、人差し指から5ミリ程度針が出るくらいの長さが、適当な針になります。 そのあと、残りの中指・薬指・小指で垂れた糸を握り込み、中指の指あてに針のお尻を当てるようにします。知っているようで意外と知らなかった基本の持ち方にみなさん四苦八苦。「手がつりそう…」「指あてってこう使うんだ!」など様々な声が聞こえました。苦労しつつも手の基本形が整ったところで、早速運針と補綴のおけいこ。最初に先生がお手本を披露して下さりました。流れるような動きでするするっと針を進めます。この時ポイントなのが左手。布を持ちながら上下に動かしていきます。(動画はこちら→)先生の運針の速さ、そうして出来あがる細やかで均一な縫い目に、思わず「ほお~」と感嘆の声が漏れます。先生はわずか一日で浴衣をまるまる一着縫い上げることもあるそうです。その後、それぞれ好きな色の縫い糸を選んで、いざ実践です。はじめは、慣れない針の持ち方と動きに皆さん苦戦していましたが、先生の丁寧なレクチャーで少しずつ針が進んでいきます。合間には、縫い針の違いや舞妓さんの振袖についてなどの小話もいただき、皆さん興味深そうに聞き入っていました。  ちくちくと縫い進めながら、おしゃべりも盛り上がります。小学校の家庭科の話や放送中の朝ドラの話など、様々な話が飛び交います。机を囲んで和気あいあいと自由に言葉を交わす様子は、まさに寄合のようでした。「運針の授業を受けてみたい」という想いから繋がり、今までご縁の無かった人とこうして会話を楽しむことの出来る面白さと新鮮さは、シブヤ大学の授業の魅力のひとつだと思います。そんな教室も、2時間半ほど経つとやがて静かに。皆さんひたすら手元の針と布に視線を落とし、黙々と集中していました。忙しい日々のなかで、こうして何かに無心で没頭できる時間は貴重なのではないでしょうか。 ひたすら運針を極めるひと、補綴に挑戦するひと。それぞれのペースで進めながらも、皆さん針仕事を楽しんでいる様子でした。そうして完成した作品たちがこちら。 個性豊かな作品が出そろいました。大きい縫い目、小さい縫い目、曲がった縫い目…不揃いであっても、またそれが味となって作品に温もりと愛らしさを与えています。   この日は珍しく冷たい雪がふぶく、寒さの厳しい一日となりましたが、教室ではゆったりとした和やかな空気と、充実した時間が流れていました。「衣類を自分で作り、繕い、いつまでも大切にしたい」という日本人の想いと知恵が詰まった技術、「運針」と「補綴」。簡単に何でも買い、直すことができるようになった便利な現代だからこそ、自分の手で針と糸も持ち、針仕事をする時間はより贅沢で、あたたかな想いのこもったものになるのではないでしょうか。(授業レポート:小野多恵/ 写真:片山朱美)

第4回 人生のイニシアティブを持つ 働き方・生き方

副業やフリーランスなど、様々な働き方の形が許容されてきた現代。あなたは今どんな働き方をしていますか?今の働き方や生き方に満足していますか?今回の授業は、”人生のイニシアティブ(主導権)を持つ”働き方・生き方。先生は大手広告代理店に勤めながら、TRAINTRAINTRAINや渋谷のラジオをはじめ様々な活動をされている大木秀晃さんを先生に授業を行いました。まずは、大木さんが考える「僕らが働く理由」をお聞きしました。組織と個人の関係性を軸に以下の4つの観点を教えてもらいました。 ①なぜ働くのか→自分ができることをして生きていくため②なぜ一緒に働くのか→自分だけではできないことをするため③会社は何のためにあるのか→自分だけでは大きなことをするため④自分だけではできない仕事に挑戦できているか次に大木さんが仕事をする上で大切にしていること。それは、仕事のスタイルとスタンスだと言います。スタイルとは、会社員やフリーランスといった雇用の形態。スタンスは自分が何をしたいか。大木さんの場合は、アイデアという自分から生まれる資源でどんな価値を生むことができるか、というスタンスで仕事をされています。例えばハッピーバースデーソング用いたチャリティーキャンペーンを行ったり、家族が本当に楽しめるアトラクションとして世界最大のUFOキャッチャーをつくったり…!先生が生んだアイデアでたくさんの人に新しい価値を届けています。大事にするべきはスタイルではなくスタンス。大木さんは、アイデアの価値を最大化できる働き方を求めてきました。アイデアは、企画をする上で欠かせないものです。大木さんは、アイデアは人に依存するものだと言います。様々な企業との関わりや、他の人に会ったり話したりするほどアイデアの力がついていくそうです。しかし、依存するものはアイデアだけなのか、という問いが生まれました。依存と自由の関係性。帰属することは依存なのか?自立と自由は同じ意味を持つのか? 「自立と依存は対立関係にある」「自立したいなら依存先を増やすべきだ」 東日本大震災のとき、障がいを持った方が発信していたこの言葉から、大木さんの結論は自立=他依存の関係性でした。しかし、依存とは、与えさせてもらう、貰うだけのものではないことを忘れてはいけません。では、どうすれば依存する人を増やせるのか。大切なことは組織ではなく、関係性。組織を変えることは大変ですが、関係性を変えることは個人でもできる。大木さんの関わる渋谷のラジオではメディアコミュニティー、PLAY TOKYOではビデオを制作したい人、ディレクションを行いたい人などビデオグラファーコミュニティーをつくったり…。ひとりで人を増やすことには限界がありますが、場を持って繋がりを増やすことを大切にしてきました。 仕事は基本的に、上から下に流れる構図でできています。しかし、大木さんが大事にしているのは水平に仕事が生まれる仕組み。バスケと同じように片足を軸に、もう片方の足は自由に動かせるPIVOTの動きを大切にしているそうです。繋がりやコミュニティーづくりを意識して生まれたのが、TRAIN TRAIN TRAINのオフィス。以前訪れたベルリンのまちをヒントに生まれたそうです。産業の起きない首都だからこそ、色々な立場の人が集まって話をすることでクリエイティブが起きる。そして、未来は自分でつくるものという現地の人々の価値観に影響を受けたそうです。ストリートオフィスの形式を用いたTRAIN TRAIN TRAIN。あまり人が訪れない渋谷駅新南口に様々なクリエイターが訪れ、まさにクリエイターの銀座とも言える場になりました。様々なイベントやスナックを開催して、今ではなんと月に2~300人が足を運ぶコミュニティとなっています。次に、会社に所属すること、個人でいることのメリットやデメリットを考えてみました。会社の中の肩書きは守られるものです。しかし、個人としてのバリューを守ってくれる人がおらず、守られるものがない個人は弱いものにすぎません。イニシアティブを持つことはリスクがあると同時に、自分が一歩踏み出すことだと言えるでしょう。授業の終わりに、個人と企業の関係性を築く際に大事なことをいくつか教えてもらいました。会社に属することを悪と捉えず、社会に属するという意識を持つこと。会社の売上ではなく社会に貢献する意識を持つと。そう考えると、会社と個人は協力している関係となります。そこで見えてくるのは、フラットな関係性です。これを生み出すために、大木さんは複数の立場を目的を持ってつくりながら、関係性を築いているそうです。これは目の前の人と誠実なやり取りを行ううちに生まれるもので、関係性をつくるには時間が必要、というお話もありました。大木さんから最後の問いです。「あなたは自分の人生を、どんなスタンスを掲げていきたいですか。」どんな仕事をするか、というHOWではなく、自分が何をしたいか、という生き方を問うこの言葉。仕事をしているうちに最初の目的を忘れがちになってしまうことが多いかもしれませんが、やりたいことをやっていると共通項が見えてくる、と大木さん。自分自身が、まず動いてみる。種をまき続けなければなりません。 みなさんも「自分が何をしたいか」というスタンスを思い返して、自分の人生にイニシアティブを持った生き方や働き方をを考えてみませんか?(授業レポート:森岡遥 / 写真:竹島愛美)

都市型工房と考える小さな一歩

本日の授業は、一人でも多くの「つくりたい」に応える都市型工房を目指す「光伸プランニング」さんと、光伸プランニングの工房で行なわれました。第1部では、ABCD4つのグループごとに自己紹介をして、事前課題の共有が行われました。事前課題は、「日々何とかしたいなと思っているモヤモヤ」。これを、個人・地域・社会レベルで考えてきて、それぞれ紙に書いて発表しました。「京浜東北線止まりすぎ!」(個人)「YouTube中毒を何とかしたい」(個人)「地元のお祭りに人が少ない」(地域)「キャッシュレス化が進まない」(地域)「海のゴミ、食品ロス」(社会)「70歳まで働くなんて思わなかった」(社会)などなど、様々なモヤモヤが出ました。次に、この意見をグループごとにまとめて、解決策や「こんな場(機会)があったらいいな」という提案を考えました。Bグループでは、「物を減らせない」という個人レベルのモヤモヤに対し、「渋谷区には服の回収BOXがある」という具体的な解決策が出ていました。また、年齢と働き方のギャップのモヤモヤには、「大人のインターンシップを行う」といった新しい提案が出ました。Cグループでは、ゴミに関してのモヤモヤがたくさん出ました。提案や解決策として、リサイクル回収先がリサイクルの先を伝えることでゴミを考えるモチベ―ションとする案や、「家庭ゴミを肥料にできる場所をつくる」、「フードロスを持ち帰れる環境をつくる」といった案も出ました。Dグループでは、「高齢の母のような情報弱者はどうしたら快適に過ごせるか」、「情報過多で何を信じていいかわからない」といった情報に関する意見が出ました。それに対し、「幼いうちからメディアリテラシー教育を行うこと」などが提案として挙がっていました。全体的には「地域コミュニティ」「働き方」「情報」「ゴミ」「教育」に関するテーマが多く挙げられていた印象でした。そして、授業にはトートバッグの専門ブランド「ルートート」の神谷社長も参加してくださり、少しお話をしていただきました。神谷さんは、モノづくりをする以上は廃棄が出るとしたうえで、リサイクル・再利用の技術を利用した商品を紹介してくださいました。10%、20%でもその意識でモノづくりをしていきたいとおっしゃっていました。さらに、既存のものを何らかの価値があるものに変えていくことは個人的にも好きなので、本日の授業はワクワクしているとおっしゃっていました。第2部では、光伸プランニングの原さん、飯塚さんからお話がありました。まず、光伸プランニングの業務内容の説明がありました。光伸プランニングは1人でも多くの「つくりたい」に応える都市型工房。企業だけではなく、デザイナーや美大生からの依頼もあるそうです。今までもお仕事をいくつか紹介していただき、工房内見学も行いました。アクリル板の作り方の説明や3Dプリンターが実際に動いている様子等をみることができました。見学中には生徒さんから「この機械は大体いくらしますか?」、「アクリル板の厚さはどれくらいまで切れるんですか?」といった普段なかなか聞くことができない質問も出ました。工房内には誰もが見たことのある看板やディスプレイ、広告のポスターがたくさんありました。次に、光伸プランニングの日々のモヤモヤについてのお話がありました。光伸プランニングさんでは、廃棄が出る場面が2パターンあるそうです。1つ目は、モノを作る際に出る廃材(余り)。2つ目は、作ったものを使い終わったときにそれ自体が廃材になる場合です。昨年末にこれらの大量の廃材を捨てる際のお写真と共に説明してくださいました。「だいぶ衝撃的だと思います。」という前置きとともに、4tトラックに廃材が積まれている様子や、廃材であふれた工房内の様子が映し出されました。アクリル、スチレンボード等が多く出る廃材として実物と共に用途等も紹介されました。さらに衝撃的だったのが、「ゴミを作っているような気持ちになる」という社員の方の声です。また、光伸プランニングさんの廃材問題には3つの課題がありました。・ブランド名やロゴが入っていると再利用ができない・捨てるのはもったいないが、保管しておく場所がない・必要なところに届けたいが、運ぶのにコストがかかるこれらを踏まえて、光伸プランニングさんのモヤモヤを解決する策をグループごとに話し合いました。グループワーク中には原さん、飯塚さんに周っていただきながら、第1部よりも白熱したディスカッションが行われていたのが印象的でした。各グループから出た廃材活用のアイディアAグループ:モノを作ったときの廃材はハンドメイドをする人にとっては宝物!毎週第3土曜日は廃材がもらえるイベントの企画を行う。使った後の廃材は、企業の人に再プロダクトを提案して元からそのようにデザインを行う。アートイベントと協働する。Bグループ:学生に工房まで取りに来てもらうことによって運ぶコストを解決し、そのような取り組みを行っていることを情報発信する。ルートートとリプロダクトを行う。廃材を使って大人のインターンを行う。使用後の再利用の許可を企業に取る。再利用を見越したデザインを心掛ける。Cグループ:そもそも捨てないモノをつくる。ミュージアムで展示する。廃材を使ったデザインコンペを行う。筒でベンチを作るワークショップの開催。工房内でバザーを行う。学校の文化祭へ提供する。Dグループ:国連大マルシェに参加する(素材フリマと外注MD化)。同業他社と連携して廃材MAP化、そしてそれをサイトでPRする。ハンドメイドアプリを利用する。仮設住宅でのカスタマイズに使ってもらう。原さんも飯塚さんも発表を聞きながら真剣にメモをとられていて、先生と生徒、企業と個人が一緒に学びあっている光景が印象的でした。最後に、ゲストのお2人から感想をいただきました。原さん「廃材は日々接しているものだから当たり前になっていたが、廃材が出る過程を知らないクライアントも多い。それをどう認知するのかを考えたい。イベントの定期開催や、廃材MAPづくりなどの意見は前向きにクリアできるのではないか。想いをかたちにする工房なので、きちんとかたちにしていきたい。」飯塚さん「第1部とつながる部分があり、問題を可視化することが解決への近道だとわかった。どんな人が廃材を欲しているのかがわかるとより動きやすくなると思う。まずは廃材の存在を知ってもらい、そこに楽しい要素を入れるながら認知を広めることが大事だとわかった。」今まで、企業は作る側、個人は消費する側という違う立場という認識でしたが、授業を通して、もっとお互い関わりあっていけることがわかりました。モノづくりに限らず、食べ物やファッションなど、何でも揃う渋谷の街だからこそ、色々な角度で一緒に考えていけるのではないでしょうか。4月以降も光伸プランニングさんと授業を行う予定なので、ぜひ参加してください!(光伸プランニングさんも素敵なレポートを作成してくださいました!→こちらからどうぞ)(授業レポート:中村彩恵 / 写真:鈴木夏奈)

サークル

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