シブヤ大学は、
“見つける学び場”です。
シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。
2006年の開校以来、開催した授業は1,600講座以上。これまでに45,000人以上が参加しています。
新着授業
誰でも参加できます!

誰もが働ける社会をつくる
ソーシャルファームを知って、考えて、動きたくなるワークショップ 2025
【第1回】働けないってどういうこと?働くってどういうこと?
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対話が大事というけれど・・・
~対話のリアルと向き合う座談会~

正解のない”はたらく”について
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記憶と想像力のバトン
〜戦争を知らないわたしたちが紡ぐ言葉〜

声優体験してみよう!
~声で映像にいのちをふきこむ~

届け、僕のホヤ愛
〜ホヤを通して東北に想いを馳せる〜
最新授業レポート
終了した授業の内容をお伝えします

ラッコのように生きる 〜かわいらしく、たくましいラッコの世界へ~
先生「ラッコの追っかけを10年以上やってます、活動団体名もインスタアカウントもラッコづくしです」参加者から笑いが起きる和やかな雰囲気で始まった講座でした。場所は恵比寿駅から徒歩10分と少しの恵比寿社会教育館、雨強め。司会「皆さん!始めに、名前となぜ今日の講座に来ようと思ったか、ラッコとの思い出を簡単に話してもらってもいいですか?」参加者は15人程、自己紹介の時間は他の講座でもよく見られますが、その日の様子は少し違う、予定より押し気味のタイムスケジュールでした。一人一人が長く、熱いのです。「Aです。先生のInstagramを見てきました。トバ水には今年の3月に行ってきました。今では見られるところが少なくなったので、もしタイムマシーンが有ったら昔に戻ってラッコ仲間と一緒に楽しく過ごしたいです」「Bです。10年前、岡山でラッコと出会いました。以来ファンになり、カリフォルニアへラッコを見に行きました。家族もみんなラッコ好きです。もちろんトバ水も大好きです」「Cです。ラッコを見にモントレーベイ水族館へ行きました。その際に買ったラッコのぬいぐるみを誤って捨ててしまった事が時制最大の後悔です。今度は宗谷岬へ行きたいです。望遠レンズも買いました!」話を聞きながら”トバ水”=三重県に有る鳥羽水族館で有る事、きっと自分が知らないだけでUSJや東京ディズニーランドと並ぶほどのメジャー観光施設なのかな?そう思う程、その場にいる皆さんから楽しく熱い思いを感じる会場でした。講座①ラッコとはみんな知ってる?・耳の位置が変わるーラッコは見るタイミングで耳の位置が変わる事があります。目の高さ位の時が有れば水の中などでは口位の高さに下がる事も、水中での活動時に耳に水が入らないように閉じるのです。。先生の興味深い話と共にスクリーンにラッコの姿が映されると、会場からは微笑みの声が上がります。・しっぽは葉っぱみたい、後ろ脚は水かきの付いたうちわの様な形です。しっかり見たことが有る人は少ないのでは?また前足には爪、肉球が有り、ちゃんと物がつかめる指も有るんです。・ ・♠︎・(てん+スペード+てん)でラッコ絵文字が出来ますよ。・ラッコと言えば”貝+石”のイメージですね。②ラッコは何者か?どんな生き物?次のスライドには、イルカやジュゴンなど様々な動物の名前が有り「この中にラッコの仲間が居ます、分かりますか?」と先生。考える間もなく会場の参加者はカワウソに手を挙げた。ここでもスライド中も何度もラッコの写真が写るのだが、その度に参加者からは喜びの声が上ります。先生「イタチの仲間で、川で暮らすようになったのがカワウソ、海で暮らすようになったのがラッコ、漢字ではラッコは海獺(ウミカワウソ)だし、英語でもsea otter(海+カワウソ)の意味ですね。ちなみに、ラッコとはアイヌ語である事を知っていましたか?」この質問に一人の参加者が手を挙げ「マンガ『ゴールデンカムイ』で読みました!」と、ここでも参加者のラッコ愛が発揮されました。スライドはつづき・ラッコは海獣か?・イルカとクジラとは違う?シロクマは?・チシマラッコ、アラスカラッコ、カリフォルニアラッコの違いここでは各ラッコについて、最も大きいラッコはどれ?答えはチシマラッコでした。1つ、先生のラッコ雑学エピソードが紹介されました。「昔、名古屋のイベントにラッコのマスコットが居ました。”なごラッコ”という名で川に浮べられているのを見に行ったところ、警備の方から「実はこのラッコはもう南極に帰ってしまう」と教えて貰いました。先も紹介した通り、ラッコの生息地は千島、アラスカ、カリフォルニアの3ヶ所なので、どうやら”なごラッコ”さんはラッコでは無いと分かりました」③そもそも何故ラッコなのか?ここから話は先生がラッコ研究をし始めたきっかけと、ラッコの生物的習性や特徴を深堀りする内容に入っていきます和歌山のアドベンチャーランドには10年前、3頭のラッコが居ました。先生はそこでラッコと出会い、初めて関心を持ったそうです。画面には当時先生によって撮影された動画が映されます。画質が粗目のリアル感のある動画です。会場からは驚きの声も上がりました。・ラッコは食いしん坊、でも同時にとてもきれい好きです毛づくろいをよくしているという話から、ラッコのカワイイ仕草である”顔を両手でごしごしする”行為も紹介され、また、毛の密度がとても高く、”水をはじく毛”と”ふわふわ軟らかい毛”の2種類が有るそうです。「毛づくろいの達人で、僕はマジックハンドだと思っています。本当にドライヤーよりもふわふわに仕上げられるんですよ」・毛皮、そして近代のラッコの乱獲の話「銀河鉄道の夜でも「お前の父ちゃんはラッコを獲ってる!」というシーンが有りましたね」上質な毛皮の為に、毛皮獣として戦後までは多くのラッコが漁獲されていたそうです。ここで話は以前は日本には実は、ラッコは沢山いた、という話に移ります。ここでは先生が研究を始めた事とも通じる話やスライドが紹介されました。「今はトバ水(鳥羽水族館/三重)だけになってしまったラッコですが、20年前は本当に沢山、日本各地の水族館にラッコは居ました。それが1年過ぎると1頭、また1頭と減っていってしまって、このままでは本当に日本でラッコが見れなくなってしまうかもしれません。この事を僕はみんなに伝えたいです」その後の話は、・霧多布岬(北海道)は野生のラッコが見える岬(先生も初めて野生を見た!)・NPOエトピリカ基金・カリフォルニア、アラスカの海外の話等多彩な話が進み、参加者もリラックスしてきたのかそれまで以上に笑いや微笑むシーンも増えてきました。お話の最後に、ラッコと人との距離感について話す場面もありました。「やっぱりラッコはとってもカワイイし、学ぶべきところも沢山有ります。でも”見て消費する物”ではもちろんありません。カリフォルニアではボートの横を普通にラッコが通り、そのような時、周りの人はラッコと一定の距離をとる事がルールとして決められています。普通に共存しているのがとても大事だと思います。ラッコのテーマソングも有ったりして、しかも結構ファンキーで、ラッコが人々の生活に入っているんですね。」先生自身のSNS活動や様々なイベントとのコラボ、寄付に協力したり、枠にとらわれない多くの活動から得られたやさしさと実感がとても入ったお話でした。「もっと、ずっと、ラッコと」(LOVE SEAOTTER SAVE SEAOTTER)有難うございました!ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーグループワーク次のセッションでは〈強みを活かす生き方〉をテーマにみんなで考え、話し合ってみよう!1グループ3~5人程に分かれ、簡単な自己紹介から、今日の感想を交えつつ、自分の強みや特徴を話し合い、その後各グループが発表していきました。・グループ内には若い人も居て、自分の”好き”を仕事に反映させたり、いろいろ工夫をして生活に活用している姿が尊敬と少しのうらやましさを感じました。・海外からも参加している人が居て本当に驚きました。・ラッコの荒波に揉まれても生きる力強さと、若い世代の周りを良い意味で気にしない逞しさは共通するな~と感じました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーそして、最後に一人一人の、今日のイベントの感想です・どんな人が参加するのかと不安だったけど、講座の最後には自分も共存できた気がしました。・また鳥羽に行きたくなりました、また野生のラッコちゃんも是非見たいです!・今日は有難うございました。まだまだ話したりないので、今後、講座の続編を2回目、3回目と是非お願いします。・皆さんが自分の好きにとてもまっすぐで、本当に楽しかったです。今年もまた、鳥羽に行くと思います。・今日の講座と交流を通じて、愛情は生活を豊かにすると感じました。自分はまだ”推し活”はした事は無いけれど、たまには育児疲れを忘れて、もっと”ラッコ推し活”をしていきたいと思いました。・交流出来て良かったです。・今回初めてシブヤ大学に来ました。自分はずっと長い間、動物を守る活動をしてきて、昔の上野公園で有った殺処分の事、戦争と動物の事、今日皆さんのやさしさと愛情に本当にたくさん触れて、改めてこれ以上開発と戦争への道を進めてはいけないと強く感じられました。有難うございました。・小学校の遠足ぶりに鳥羽水族館に行きたくなりました。最後に希望者で写真撮影をして解散です。イベント終了後も会場で楽しく参加者や先生も交えてラッコトークに盛り上がっていました。(レポート:田中耕平、写真:工藤英二、飯泉美弦)

対話型トレーニングで"デモクラ筋"を鍛えよう! 〜デモクラシー・フィットネス〜
今回は、「対話型トレーニングで"デモクラ筋"を鍛えよう!〜デモクラシー・フィットネス〜」という題の授業です。ゲストは、デモクラシー・フィットネスの公認講師である藤田さなえさん/クロマンソーレンさん親子でした。デモクラシー・フィットネスとは、デンマークで始まった活動で、デモクラシーに必要な能力を“筋肉”にたとえ、その“筋肉”を、対話を通して鍛えて維持するためのトレーニングです。今回は、10個の“筋肉”のなかから、Active ListeningとDisagreementの2つの筋肉を鍛えるトレーニングを体験しました。まず、はじめに4人程度のグループに分かれて、アイスブレイクとして自己紹介からスタート。その際に、授業への参加理由と“デモクラシーのイメージは何色?” を発表。その後、各グループで、 “社会って何だろう?/社会人ってどんな人?” というテーマで対話を行いました。グループ対話後は、全員で共有の時間。“デモクラシーの色”については、ビタミンカラーや白・黒という意見の他に、“透明”という意見もあり、デモクラシーに関する各自のイメージの違いが表れていました。また、“社会って何?” という話については、社会という言葉がもつ広さを感じる意見がありました。一方、社会人という言葉は英語やデンマークの言葉にはなく、日本語独特の表現であるという指摘には、筆者は少し驚きました。その後さなえさんから、先ほどの対話において、「話している方の内容を聞けていたか」、さらに、「自分の話を聞いてもらっていると感じたか」という問いかけがありました。普段、 “相手の言葉を聞く” ことを気に掛けることはあっても、 “聞いてもらっているか” を意識したことがなく、この問いかけには、はっとさせられました。対話の基本は意見交換であり、意見を聞くだけでなく、聞いてもらっていると感じられるかどうかも重要であり、この意識を持つと、意見を聞く態度も変わっていくであろう、と感じた場面でした。グループでの対話のウォーミングアップのあとは、いよいよデモクラシー・フィットネスの筋肉のひとつ、Deep Active Listening/深く聴く筋肉のトレーニングを体験します。ここでは、“対話する相手”ではなく、“対話する相手の発している言葉”を意識することが求められます。このトレーニングは、2名によるペアトレーニングですが、方法がとてもユニークで、お互い背中合わせになり会話を行います。対面だと、会話において相手の表情などの視覚情報にも意識が向きますが、背中合わせになることで、表情が見えないので、自然と相手の言葉に意識が向けられるようになります。また、背中合わせであるため話し相手がいるという感覚を持つこともでき、相手を意識しながら言葉に集中するという体験ができました。このペアワークでは、お互いの体験を順番に伝えます。 まず、Aさんが自身の体験を話し、Bさんは眼と閉じてその体験内容を聞く。その際質問はしません。次に、BさんがAさんから聞いた内容を、Aさんに伝える。この時もBさんがAさんに質問したり、AさんがBさんの内容を訂正したりしません。その後、役割を入れ替えて同じことを繰り返す。さらに、お互い聞いた内容について、それぞれ2つ以上の質問を考え、その質問をやり取りします。1まずはそのまま受け止める. 2次に積極的に相手を理解しようと行動する. 3そして関係性を創るという段階を踏むことで、先の対話セッションのさなえさんのコメントにあった「相手のことを聞く」「相手に聞いてもらっている」という感覚を磨くトレーニングにもなっていると感じました。このトレーニングの後に、休憩を取りましたが、その際も、多くのペアが会話を続けていました。中には、一度中座した後に、お互い部屋に戻ってきた後に、もう一度会話を続けるペアもありました。このトレーニングが、“対話”を形成する“筋力”を向上させている、と感じる場面でした。 休憩後は、このデモクラシー・フィットネスを生んだデンマークにおける、幼児教育や学校教育の内容について紹介がありました。デンマークでは、幼児教育から子どもたちが自分の意見を持ち、自分で判断をし、あることは一緒に決定し、社会へ参加していく教育がとられているそうです。例えば、いくつかの保育園・幼稚園の食事では、各幼児が自分自身で食べるものや量を選択できたり、スタッフたちは幼児の考えや決定を“支援”することが求められる。また、小・中学校には日本のような校則そのものはなく、各クラスでそのクラス独自のルールを話し合って決めていったりします。このようにして、社会の一員として、自分自身の意見をもちながら、その意見を表明し、それぞれの社会に貢献する仕組みができているようです。これには、意見を出した後に、それを受け止めてもらえるという心理的安全性があることも重要な要素であると感じました。 残りの時間は、2つ目の筋肉として、Disagreement/反対意見を表明する筋肉のトレーニングを行いました。まずは、教室の真ん中にロープが引かれ、いくつかの質問ごとに、賛成・反対のスタンスを各自が決め、移動していきました。そのなかでももっとも答えが割れた質問のひとつ、”義務教育は高校までにするべきか“という質問について、賛成・反対一人ずつペアになってワークを行いました。まず、お互いの賛成・反対理由をワンセンテンスで相手にラリー形式で伝える。その後、さきほどの意見の最初に「あなたの意見に/あなたの反対・賛成の意見に反対です。」を付け加えて、再度お互いに意見交換をする。そして、お互いの意見について相互で話し合う。このような3つのセッションを行うことで、1相手に意見を出す 2相手の意見を受け止めた上で自分の意見を出す 3テーマについて語り合う、という流れが体験できました。これにより、まず、ワンセンテンスで自分の意見を述べることで、相手に理解してもらうために”シンプル“に伝えるという”筋力“が鍛えられます。また、相手の意見に対する”反対意見“を伝えることで、一度、相手の意見を認めた上で、自分の意見を出すという”筋力“が鍛えられます。と同時に反対しているのは「意見」に対してであり、その人の人格や人間性に反対しているのではない、ということをお互いに確認します。そのうえで、テーマについて互いに会話することで、お互いの意見をみとめつつ建設的な対話をするという”筋力“が鍛えられる、と感じました。なお、さなえさん、ソーレンさんからは、ペアワークの最後に、お互いに「自分の意見に反対意見をくれてありがとう」という感謝の言葉を伝えましょう、とありました。反対意見を出してもらうことは、新たな視点をもらうことであり、また、反対意見を受け止めてもらえないと、相手も反対意見を出しにくくなるので、この”感謝“を示すことは重要である、と感じました。次に、“国会議員の給料を削減するべきか”という質問について、賛成・反対各2名、4人のグループで対話をするトレーニングを行いました。ここまでに、ペアワークでの対話トレーニングをベースに、お互いの意見を聞き、それについて対話をするという流れができるようになっているため、私が入っていたグループでは、互いの意見を聞きながら、建設的な議論ができたのではないか、と感じました。また、相手の意見を受け止めることにより、違った意見も出るようになり、新しい意見がでるよい対話ができた、と感じます。このグループワークの後、全体でどのような対話が出てきたか発表がありましたが、あるグループでは、“給料の格差”という話に発展し、介護職の給料の問題というテーマに発展しており、発展的な対話がうまく行っていたと感じました。最後に、さなえさん、ソーレンさんから、フィットネスで行ったようなヒエラルキーのないフラットな意見交換をするために、①「私は○○に反対/賛成です」/自分の意見を持つ②「私は、あなたの”意見”に反対です」/発言者と意見を混同しない③感謝する :反対意見/違う意見は、社会や「私」を成長させるという視点が重要であるとコメントをもらい、本授業は終了となりました。 とても難しい内容でしたが、さなえさん、ソーレンさん親子による率直で分かりやすい説明と、柔らかくてユーモアのあるコメントによるフォローのおかげで、時には笑いも起こるなど、和やかに授業が進み、楽しく授業を受けることができました。3時間という長い時間でしたが、実時間に比べて感覚としては短く感じました。授業後のさなえさん、ソーレンさんとの簡単な振り返りにおいて、“デモクラシー”をあえて日本語訳である“民主主義”としていない点について、さなえさんのご意見が印象的でしたので、著者の記憶ですので正確ではないですが、参考までに載せさせていただきます。「日本語訳である民主主義は、“主義”を含んでいるように固いイメージである。ただ、本来のデモクラシーは、主義という固いイメージではない。もっと柔らかいイメージであり、日常生活から政治の世界まで、対話を通した意見交換を重ねてその時の最適であろう判断を行っていくプロセスである」なので、対話が大切であり、これを行うための“筋力”を鍛える必要がある、と感じました。楽しみながら普段あまり使っていない、でも生きていくのに必要な“筋力”を鍛えられ、気持ちよい“疲労感”を感じる授業でした。(授業レポート:山口圭治 写真:高橋ゆめ)

初めてのアドラー心理学 ~人間関係が楽になる心の処方箋
今回は株式会社子育て支援代表取締役、保育所運営、ベビーシッター、アドラー心理学、カウンセリング、人材育成・研修・講演、不登校支援、書籍の執筆などのお仕事をされている熊野英一さんを講師にお迎えして「初めてのアドラー心理学〜人間関係が楽になる心の処方箋〜」と題した授業です。今回はとても楽しみにしていた授業でした。若い頃に生きづらさを感じて心理学に興味を持ち少し本を読んでみたりしたのですが…悩みが解消するどころかますます迷路に迷い込んでしまった感がありました。ところが熊野さんは自己紹介の後、開口一番に仰った言葉は「この授業が終わる頃には元気になれていると思いますよ!」でした。これは!今まで知っていた心理学とは違うのかもしれないと期待値が上がりました。更に熊野さんは気さくにクマちゃんと呼んでくださいとリラックスしたムードを作ってくださいました。生徒さん達も呼んで欲しいニックネームを胸に付けて30秒自己紹介をしました。参加した動機は、仕事や家族などの人間関係の悩みがあると言う方と、アドラー心理学の本を読んで興味があったからと言う方が多かったようです。簡単自己紹介の後はアドラー心理学の基礎講義でした。これは詳しく書くと長くなってしまうので超簡単に書くと…アドラー心理学は「幸せに生きるための心理学である」と言う事です。そのためには(自己受容)ポンコツな自分を認める(他者信頼)無条件で相手を信じること (他者貢献)自分には価値がある、謎の自己犠牲をしないこの3つがそろうと「共同体感覚」を持てるようになり、人は精神的自立が出来るようになり幸せ生きることに近づいていくと言う事なのかな?と感じました。「共同体感覚」とは自分には価値があるということを前提にそんな自分が自分だけのためではなく他者にも貢献出来ると信じている感覚です。座学の最後に一人の生徒さんの悩みをアドラー心理学によって解決すると言う実践篇がありました。職場の人間関係の悩みを「課題の分離」を応用して、まず自分の問題なのか他者の問題なのかに分け、更に共同の課題に分けて4つのうちのどこに当てはまるかで考えていくと解決に近づく事が出来ると言うものでした。相談された方もこの考え方でだいぶ心が軽くなったと仰っていました。 その後は5つのグループに別れてグループの中で話し合って悩みを解決したり感想を話すグループワークをしました。各グループの感想は(以下順不同)(宮本さんのグループ)今日の授業は参加者の皆さんから課題を「自分ごと」として真正面から捉えて、なんらかのヒントが得られるという熱い気持ちが感じられた。皆さん初対面同士ながら職場や家庭等の悩みを自己開示してくださいました。ディスカッションでも対人関係の悩みを相手のせいにせず自分の側が相手に合わせたり自己犠牲したり相手の気分に振り回されたりする経験を踏まえて授業で教わった「課題の分離」等の手法を使って自分の気持ちを大切にしながら人間関係の問題解決を模索していきたいと言う前向きな議論がなされました。皆さんそれぞれ何か持ち帰られた様子でした。(木全さんのグループ)お互いに相手の職業や年齢など知らない状況の中で「何ものでも無い自分」として話せる場になったからこそ職場や家庭のことなどセンシティブなお悩みも話しやすい場だったのかなと感じました。皆さんそれぞれの日常生活の中で心掛けている心の持ち方などがあるようでしたが改めて感謝や思いやりを大切にしたいとおっしゃっていました。「感謝」「思いやり」について普段改めて考えることは中々ありませんでしたが私自身いま一度見つめ直す機会になりました。 (宮島さんのグループ)最後のまとめでは皆さんしっかり感想や自身の思いを述べていて何かのヒントやきっかけのようなものを持てていたようでした。もっと勉強したいと話している方もいました。先生が話し始めても会話が終わらない勢いでした。それぞれバックボーンも異なり普段の関わりのない方同士が自然と自身の悩みを語り合う場はなんだか不思議だけど、とても有意義で素敵な空間だと感じました。熊野先生のお言葉と授業展開の流れがそういう雰囲気を作っていたのかなと思いました。(水井さんのグループ)「今日の授業を受けてどうしたいか」と言う発言のところで・子供のことを心配しすぎることをやめたい・人と自分を切り分けて考えたい・おせっかいや、こうでなければと思うのをやめたい・ダメ出しをやめたいが、仕事でダメ出しをしないといけない事もあるので、まだ自分の頭の中の整理ができていない・「共感」の本当の意味が理解できた。共感と同意は違う。今後出来るだけまず相手に共感するようにしてその上で自分の意見を伝えたいという意見が出ました。(片山さんのグループ)私のグループでは活発な意見や悩みごとなどの話が出ました。やはり仕事や家族などの人間関係の悩みを抱えている方が多く、聞く力を付けることと共感するのが大切なのではないかと言うこと、自分の問題か他者の問題かの切り分けて考えることで無駄な自己犠牲を減らし解決に近づけるのではないか、などの話が出ました。皆さんそれぞれの悩みか少し軽くなって解決の糸口が見えて来たような印象を受けました。 全体を通して皆さんが自分自身の悩みを開示しやすくなったのは、熊野さんが最初に①今に集中する②主体的に参加する③守秘義務を守る以上3つの約束を守ってください、と仰って安全性が確保され、話しやすい雰囲気作りをしてくださったおかげだと感じました。最初に先生が「アドラー心理学は幸せに生きるための心理学」「ほんの少しの知性と勇気とユーモアのセンスがあれば、ほぼ誰にでも学ぶことができる芸術であるというのが、我々の主張である」とおっしゃっていましたが、ほんの少しの勇気とは「嫌われる勇気」というより「不完全である勇気」なのだと感じられました。この言葉のとおりユーモアのある語り口で場の雰囲気を和らげて、世界一分かりやすいアドラー心理学を学ぶことができました。皆さんメモを取るなどして熱心にお話しを聞き質問もされていました。それだけ人間関係の悩みが多くて深刻なのだと感じましたが、最後には表情も明るくなっていらっしゃった方が多いようにお見受けしました。もっとアドラー心理学について学びたいと言う意見も多かったので、是非第二弾第三弾の授業もお願いします。 「人間関係が楽になる心の処方箋」のサブタイトルの通り心が楽になれた授業でした。熊野さん参加者の皆様ありがとうございました。(レポート:片山朱実、グループレポート:宮本佳幸、木全茉莉子、水井大輔、宮島洋人、写真:江藤俊哉、竹田憲一)
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