シブヤ大学

シブヤ大学は、
“見つける学び場”です。

シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。
2006年の開校以来、開催した授業は1,400講座以上。これまでに36,000人以上が参加しています。

シブヤ大学とは

最新授業レポート

終了した授業の内容をお伝えします

【オンライン開催】【導入編】 超参加型読書会アクティブ・ブック・ダイアローグで読む『人新世の「資本論」』

3月13日日曜日、オンラインにて「超参加型読書会アクティブ・ブック・ダイアローグで読む『人新世の「資本論」』【導入編】」が開催されました。当日の様子をレポート形式でお伝えします。講師としてお越し頂いたのは、NPO法人場とつながりラボhome’s viの理事として企業や組織のファシリテーションを行う荒川崇志(あらかわたかし)さん。荒川先生は、今回の授業のテーマであり、近年新しい読書法として注目されている「アクティブ・ブック・ダイアローグ(以下、ABD)」の伝道師として活動されています。ABDは、「一冊の本を複数人で分担して読み、対話を通じて相互理解を育む」読書法です。それぞれ振り分けられた担当の箇所を他の人が分かるように要約・説明し、その後リレー形式で読んだ箇所をお互いに教え合います。対話を重視したプロセスの中で、参加者同士がそれぞれ気づきを与えあうことができるのが特徴です。今回の授業で扱ったのは、昨年の9月に発売された経済思想家・斎藤幸平さんのベストセラー『人新世の「資本論」』(集英社新書)。気候危機の根本的な原因として資本主義を痛烈に批判する本書は、発売当初から各主要メディアで取り上げられています。タイトルにある「人新世(ひとしんせい)」とは、「人類の経済活動の痕跡が、地球の表面を覆いつくした年代」を意味します。人類が生み出した産物が地球環境を侵し、その結果人間の力では制御できない大きな問題が生まれている今の時代。斎藤氏は、本書で、そのような時代に個人レベルで行われる温暖化対策の消費活動も、国連が掲げるSDGsも、「現実の危機から目を背けることを許す「免罪符」でしかない」と痛烈に指摘しています。今回の授業シリーズでは、【導入編】と【実践編】に分けて本書を読み解き、私たちがいま本当に向き合わなければならない現実は何なのか、より良い社会を作り出すためにはどうしたらいいのか、対話を通して考えていきます。授業当日は、雨上がりの読書日和。30代から80代まで、男女問わず幅広い年齢層の方々が集いました。「アクティブ・ブック・ダイアローグを一度体験してみたかった」「『人新世の「資本論」』が気になっていた」など、参加の動機や授業開始時の気分を含め、軽い自己紹介から授業はスタート。開始当初は、「緊張する」「難しそう」といった声も聞こえていましたが、荒川先生の和やかな雰囲気に、皆さん「ホッとしました」と笑顔がチラリ。ABDと授業の流れに関する説明を終え、いよいよ実践です。当日は、参加者をそれぞれ5人グループの3チームに分け、同書の「はじめに」を各段落担当ごとに要約・簡単な発表を行いました。「資本主義」や「マルクス」など、やや難解な内容を含む箇所もあり、皆さん真剣に読解、要約メモに励んでいました。それぞれの作業が終わると、次はお互いが読んだ箇所を教え合うリレープレゼンに。あっという間の15分間でした。グループごとの作業を終え、授業は終盤戦へ。それぞれが読んだ箇所やお互いの発表を踏まえて、「今後どのようなことを話してみたいか」「どんなことが気になったか」を共有する対話の時間です。「経済成長も大事だけど、環境破壊も止めないといけない。どちらか一方しか選ぶことはできないのか」「地球規模で起こっている気候変動のことは、一人ひとりが自分ごととして考え行動に移していかなければ何も変わらない」など、皆さん普段の読書では味わえない”15分間”を堪能した様子が伺える議論が繰り広げられました。今回の授業では、【導入編】としてABDを体験しました。授業終了後は、「とても新鮮な体験でした!」「また参加したいです」との感想を頂きました。今回はオンラインでの開催でしたが、次回の【実践編】は対面授業を予定しています。ABDに興味がある方、『人新世の「資本論」』を読んでみたい! という方、是非、参加お待ちしております!(授業レポート:柴崎真直)

【オンライン開催】再開発の渋谷って実際どうなってるの?”エリアマネジメント”的視点で街をながめる

-再開発は一緒に楽しめる!- 3月13日、渋谷の再開発事情を知る授業「再開発の渋谷って実際どうなってるの?”エリアマネジメント”的視点で街をながめる」がオンラインにて開催されました!先生方がリアルタイムで渋谷の街を案内してくださり、視聴者である参加者の皆さんから質問も随時対応する、同時双方型のオンラインツアーが実現しました。関東近辺の方だけではなく、遠方にお住まいの方もご参加いただきました。多様性を重んじた、男女共に使えるパウダールームの説明や少し見上げた位置にある渋谷区初の路上にあるサイネージの紹介など、再開発によって変わった渋谷の様子を先生方のお話を聞きながら見ることで楽しく知ることが出来ました。途中、立ち入り禁止区域がありましたが、ここはスクランブルスクエアの工事が終わり次第、デッキが接続されるそうです。工事中は、扉の両隣にサイネージが表示されています。また、工事中の外観を待ちゆく人が楽しめるような工夫として、渋谷の街をレゴブロックで再現している取り組みの紹介もありました。工事が進むにつれてレゴも変化したり、工事現場の壁を学生のアートのキャンパスとして活用したりと、様々なことが行われていました。今回の授業を通して、渋谷の再開発中の現場を「工事が早く終わって欲しい。」というマイナスなイメージを持つ場から、「どのように変わっていくのだろう。」という自然と興味が沸く面白い場へと見方が変わりました。ただ便利な街にするのではなく、再開発の途中段階でも、渋谷を利用する人のことを考えた新しい街づくりを行っていることがとても素敵だと感じました。 (レポート:髙比良星砂美)

【オンライン開催】「100年続く仕事、700年続く伝統」新しさを生む担い手の"ふつうの毎日"

今回の授業は、セルリアンタワー能楽堂から直接生配信。昨年夏に開催した授業「となりの能楽師から学ぶ、古くて新しい考え方」と同様に、Bunkamura「渋谷能」とシブヤ大学とのコラボ授業です。しかし!今回はまたひと味ふた味違います。今回能楽堂にいるのはなんと、岐阜の老舗和菓子屋「田中屋せんべい総本家」の6代目、田中裕介さん。更に、「彩雲堂」(島根)6代目の山口周平さん、「乃し梅本舗佐藤家」(山形)8代目の佐藤慎太郎さんの老舗和菓子屋跡取りのおふたりと、能楽師シテ方金剛流の金剛龍謹さん(京都)がzoomを通して、先生として登壇してくださいました。田中さん、山口さん、佐藤さんは、100年以上続く全国の老舗和菓子屋の跡取りにより構成されたグループ【本和菓衆(ほんわかしゅう)】のメンバー。金剛さんは、30代から40代の次世代を担う若手能楽師にスポットをあてた【渋谷能】に出演しています。代々続く日本の文化・伝統を家業として受け継ぎながら、新たな挑戦や試行錯誤を重ねている4名の先生方は、日々どんなことを考え、生活しているのだろう?そんな疑問から、今回は、普段なかなか聞けない担い手たちの“ふつうの毎日”を伺いました。このレポートでは、その中から一部お届けします。-------―繋がれてきた「伝統」と「挑戦」「田中屋せんべい総本家」の田中さんは、まず今年のバレンタイン商品をご紹介くださいました。その名も「YES!SENBEI QUN」。代表銘菓「みそせんべい」に、最近流行りの「きゅん」の可愛らしい文字が焼印されています。次にご紹介いただいたお菓子は「百人一首三部作」。こちらは、「かささぎの」「むらさめの」「しろたえの」と百人一首の名を冠した、チョコレートを使った3種類のおせんべいです。チョコレートのお菓子に百人一首の句を取り入れることで、より多くの人に日本の文化を知って貰いたい、という想いが込められているそうです。「彩雲堂」の山口さんから今年のバレンタイン商品としてご紹介いただいたのは、地元島根の紅茶専門店とコラボしてつくった「T4U」というお菓子。4種類ある紅茶のフレーバーごとに瓶に分けられた錦玉(きんぎょく)がなんとも可愛らしい一品です。紅茶の種類によって色や味が違い、食べ比べする楽しさもあるお菓子です。「乃し梅本舗佐藤家」の佐藤さんからは、まずお店の看板商品「のし梅」についてご紹介いただきました。のし梅とは、竹の皮に挟まった、細長い梅のお菓子のこと。代々受け継がれているお菓子で、今年でなんと200年になるそうです。そんななか、佐藤さんの「もっとのし梅を面白く受け取ってもらいたい」との想いから新たに生み出されたのが「玉響(たまゆら)」という、チョコレートの羊羹のうえにのし梅乗せた和菓子です。他にも、のし梅をシロップにして料理のレシピ本とセットで販売したり、お酒と和菓子のペアリングを提案したりと、次々と新しい取り組みをされています。能楽師シテ方金剛流の金剛さんは、2歳のときから能のお稽古を始めて、以来30年程能楽師として活動されています。五流派ある能のうち、唯一東京ではなく、京都に拠点を置いていることが金剛流の特徴。来月「渋谷能」で披露する「内外詣」という能は、金剛流にしかない珍しいものだそう。舞台活動以外にも、学校の巡回公演をしたり、大学で非常勤講師をしたり、若い人への普及活動も行われています。―「継ぐ」ということ。それぞれのお仕事を「家業」として継ぐなかで、皆さんどんな想いを抱かれているのでしょうか。ゆくゆくは宗家となる立場である金剛さんは、術の伝承が第一でありながらも、渋谷能などで他の流派と舞台と共にするなかで「自分の舞台はこれでいいのか」と考えることもあるといいます。自分自身が持つ体格や声質といった「個性」がある。そのなかで「もっとこういう表現をした方が良いのでは」と考える部分と、「変わらず大切にしたい」というふたつの相反する想いがある、と言います。守るところと変えていくところのバランスを図りながら、変えてみたり戻してみたり試行錯誤を繰り返しているそうです。金剛さん曰く、能とは『正解は無い、それが奥深い』。また、この「正解が無い」ことは和菓子にも共通して言えることだといいます。和菓子屋さんにも、能の「流派」と同じように生まれたときから「お店」があります。佐藤さんは以前、「継ぐこと」を「受け継いできたお店というハコに、同じ情報を詰め込んで次の代に繋ぐこと」だと思っていた、と語ります。だから「継ぎたい」とは全く思わなかったそうです。しかし、修業先で修業するうち、同じお菓子にこだわる必要は無く、その時代、土地ごとに目の前のお客さんが喜んでくれるものを造っていければ良い、と気づいたそうです。 佐藤さん『銘菓として残っているものは、削がれていく中で一番“すごいもの”だからこうして残っている。その凄さを再評価してもらう仕事が出来ていれば良い。変わっても変わっても、残り続けるものが僕らの本質。』 田中さん『逆にいえばどんどん変えてもいい。勝手に残るから。あかんな、と思ったら戻せばいい。変わらないことの方が怖い。自ずと変わってくる。』能も和菓子も長く続く文化でありながら、いまだ「正解は無い」。「継ぐカタチ」にこだわりを持ち過ぎず、伝統を包容しながら変化し続ける。新しさを生む担い手たちの頭の中が少し垣間見えたお話でした。同時に、大きな時代の変遷を得ながら、何百年も日本の文化として残り続けている「能」や「和菓子」は、日本人の“本質”なのではないかとも考えさせられました。―五感で感じる。昔の暮らしに想いを馳せる。更に話は「影響を受けたり、ヒントにしていることは?」というテーマへ。金剛さんは、武道と能には親和性があると考え、身体の使い方を学ぶため「居合」を学んだことがあったそうですが、そのとき先輩から「本当に影響を受けているのは、日ごろ触れている無意識のものなのでは」と指摘を受け、腑に落ちたといいます。現代は、洋風文化が身の回りに当たり前にあります。和室がない家も増え、床文化からイス文化になったりと、生活の下地が変わっていくなかで、無意識のうちに影響を受けている部分があるのでは、と気づいたそう。暮らしの変化に影響を受けているのは和菓子も同じ。山口さんは、最近の気づきとして、「灯り」と「時間」のふたつの発見を共有してくださいました。 山口さん『蝋燭の灯りのもとで見る和菓子と現代の蛍光灯のもとで見る和菓子は、また違って見えるんじゃないか』『着物を着ているときの足の運びは全然ちがう。昔の人の歩幅はすごく小さい。時間の流れも違うんだろう』・・・なるほど。昔の人たちの生活をベースに視点を変えてみると、共通しているものでも見え方、受け取り方がまた変わってきます。佐藤さんは、自然のなかからお菓子づくりのヒントを得るといいます。同じ景色をみたとき、葉の色づきの違いを気付けるかどうか。そうやって自然の起伏を受け取ることを『生きているときの感度』という言葉で表現されていたのが印象的でした。季節の和菓子をつくるにしても、その季節のその場所の温度感を実際に体感した人がつくる和菓子と創造でつくる和菓子は何かが違うはず。こうした経験がお菓子づくりに活きてくるそうです。―「仕事」とは。最後、「仕事をどう捉えている?」という質問に対して、金剛さん『あまり「仕事」と考えていない。楽しんで打ち込めている、有難い仕事』山口さん『むしろ仕事場じゃない、無意識のところでアイデアが出てくるもの』田中さん『次世代に繋いでいくことが一番大きな仕事で、お金を稼ぐとか、会社を大きくするとか、良い暮らしをするのは二の次と思っている。』佐藤さん『自分はお菓子を作るというちょっと特殊な技能を持っている。作れない人の代わりに造っている。仕事とはその「ありがとう」の対価。』とそれぞれお答えいただきました。生活、生き方そのものなのだなあ、と実感…。みなさんの言葉の端々から、自分自身が「楽しい」と思ってお仕事をされている、その熱量が伝わってきました。言葉通り、終始笑いの絶えないあたたかなオンライン授業となりました。------- 家業として受け継がれている「能」や「和菓子」。授業を通して、代々引き継がれてきた伝統や文化に新たな要素を取り入れることで、新しい価値を生み出し、次世代へ繋げようと試行錯誤をされている担い手たちの姿が垣間見えました。と同時に、今後ますます進化しもっと身近になってきそうな「能」と「和菓子」ふたつの未来になんだかワクワクしてきます。自然のなかの気づきを大切にしてみたり、今の当たり前の暮らしを昔の人の視点から見てみたり、まずは気軽に挑戦してみて戻してみたり。私たちの日常をちょっと楽しく、ちょっと軽くするようなヒントがたくさん散りばめられた授業でした。(レポート:小野多瑛)

サークル

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