シブヤ大学
街の先輩訪問街の先輩訪問レポート

街の先輩訪問レポート3(西村 琢)


※今回は、2名の同時訪問でしたので、
訪問レポートも2名分まとめてアップします。

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1)街の先輩訪問レポート(ヤマグチさんからのレポート)

訪問先:ソウエクスペリエンス
先輩:西村琢さん
訪問者:ヤマグチ(男性)
訪問日:2009年12月18日(金)

<訪問の目的>
しごと課のページを見ている時に出会った、西村さんの「組織がもう少し大きくなっても管理をすることなく緩く楽しくやっていけるのか、からだをはって実験しているところです。」という言葉に非常に興味を持ち、是非話をしてみたいと思い、訪問させて頂きました。

<訪問内容>
西村さんは、とても気さくな方で街の兄貴的な感覚を受けました。お話しさせて頂いている時も、昔からの先輩感覚でざっくばらんにお話をさせて頂けました。
話をしていく中で、すごく印象に残っているのは、西村さんの仕事に対する考え方で、私の今まで会ってきた、どのベンチャー企業の社長さんよりも、ダントツで緩い印象を受けました。
ベンチャーの社長というと、勢いがあって(※決して西村さんに勢いが無いというわけではありません。)、家庭を顧みず夜中遅くまでとにかく働く!!というイメージがあったのですが、西村さんの場合、すごく良い感じに、肩の力が抜けていて、自然体で仕事に取り組んでいる姿勢に、とても共感しました。
学生時代から、ビジネスに対する取り組み方については、特に変わってないらしく、『自分の"面白い"と思った事を、楽しみながらやっている。』という言葉が印象的でした。
事業の方向性に対しても、長期的な目標をたてて、目標までの引き算で、今何をするべきか?という考え方ではなく、今目の前にある面白いと思う事を、一生懸命とりくんで行く姿勢を大切にされている方で、その辺りの経営感覚が非常に新鮮でした。

ゆるい組織作りに関して
『フラットに始まるビジネス』というキーワードで、西村さんの奥さんが手がけている、『PANTS TO POVERTY』の事例を挙げて説明していただきました。
ビジネスにおいて、上も下も存在せずに、フラットな関係作りから始まるビジネスモデルとして紹介していただいたのですが、非常に参考になりました。
 フラットな出会いからビジネスが始まり、関わる全ての人が、平等に潤うようなシステム構築が、ゆるい組織作りで最も大切なような気がします。

<訪問を終えて>
クリスマス・年末商戦を前にして、1年で最も忙しい中、1時間半もの面談時間を取っていただいたことに、すごく感謝します。
西村さんとお話させていただいて、西村さんのビジネスに対する考え方に、非常に共感しました。
私も今後、ゆるい組織でのビジネス展開を考えているので、今回の西村さんとの出会いは、とても勉強になりました。

いつでもオフィスに遊びに来てくださいと、言っていただけたので、是非遊びに行こうと思います。

2)街の先輩訪問レポート(オオシマさんからのレポート)

訪問先:ソウエクスペリエンス
先輩:西村琢さん
訪問者:オオシマ(女性)
訪問日:2009年12月18日(金)

皆さま、はじめまして、オオシマです。今回、「街の先輩訪問」の企画により、体験型のギフトカタログ事業を展開するベンチャー企業「ソウ・エクスペリエンス」の社長・西村さんのオフィスを訪れる機会を得たので、そのレポートを記します。

<訪問の目的>
今回の応募動機から。私自身は会社員として勤めているのですが、ふだん仕事をしていて自分の働き方に疑問を感じることが多々あります。労働時間の面も精神的な面も会社に縛られすぎていること。自分の仕事が社会にとって意義のあるものか、自信が持てないこと。こういう悩みは、多くの会社員が抱えているものかもしれませんが。
また、プライベートでは、中高生へキャリア教育を行うボランティア団体の運営にかかわっています。この団体は、30歳前後のさまざまな若手社会人を講師としてクラスに呼び、仕事の話やこれまでの経歴を生徒たちに直接語りかけてもらうというプログラムを行っています。キャリア教育を受ける中高生だけでなく、ボランティアスタッフとして関わる社会人も、さまざまな講師の話を聞いて、刺激を受けることが多い活動です。
そうした背景から、私は自分自身の労働環境だけではなく、実際に出会った方々や、新聞・雑誌の記事、あるいはインターネットのコミュニティなどを通して、「人々が心地よく働きつづけられる環境とは?」について考える一人なのです。その一環として、10月に西村さんのシブヤ大学での講義「未来の仕事」を受講しました。
講義の中で西村さんは、ご自身や周囲の方々の仕事のスタイルについて紹介されました。「二足のワラジ」のワークスタイルの確立を中心に、一般的な「仕事=会社一筋」とは異なる姿勢でみなさん仕事をされている。西村さん自身も、社長という立場でありながら、「会社に縛られない働き方」を実践され、また周りに奨励していることが印象に残りました。
特に驚いたのが、西村さんは毎日18時過ぎには帰ってしまう、ということ。私の周りのベンチャー勤務の友人は、たとえば毎日早朝に出社して帰りは終電、私生活など無きに等しいにもかかわらず、「自分の仕事ぶりはまだまだ」と言っている。本人はそんな「ド根性論」を良しとしているけど、本当にそれでいいのか日本人、と私は感じているのです。おせっかいでしょうか。
私が「心地よく働きつづけられる環境」について考えてきたきっかけは、もうひとつあります。3年前に半年ほどイギリスに住んでいたことがあるのですが、日本人のように過労気味に働く人など見たことがありませんでした。毎日きっちり定時で仕事を終えて帰宅し、就寝までの時間は、自分や家族のために有意義な時間を過ごす。これが普通なのです。
なので、西村さんのような方が社長を務める会社は、社員の方もさぞのびのびと働いているであろうと想像し、ここに日本の新しい働き方のヒントがあるのではないかと思って、今回「街の先輩訪問」に応募したわけです。前置きが長くなりました。

<訪問内容>
平日午後に会社を休み、ソウ・エクスペリエンスのオフィスを訪れました。渋谷駅からほど近いビルの1室。西村さんや社員の方々、とてもステキな笑顔で迎えてくださいました。若くてなごやかでウェルカムな雰囲気...自分の会社にはない!羨ましい!
もう一名の訪問者の方とともに、さっそく西村さんのお話をうかがいました。起業を志した高校・大学時代の話、学生時代に作った株式投資サークルを他大学とネットワークしたときの反響の喜び、素人っぽさ満載だったソウ・エクスペリエンスの創業当時の話、現在温めている新しい事業の展開案、奥様が携わっているオーガニック・コットンの下着の輸入販売業の話など...。1時間半、いろいろなお話をうかがうことができました。会社の雰囲気も想像通りのびのびとしていて、皆さん仲良さそう。非常に働きやすそうな雰囲気です。細かいことは書けないけれど、私の会社とはえらい違いです!?「いいな~。私、こういう環境で働きたい!」と率直に感じました。
それで、実際に西村さんを前にしてお話した印象としては、「案外、フツウだな」ということです。いえ、「フツウだからつまんない」っていう意味ではありません。会社としての軸をキチンと維持しつつ、その上で新しい価値をマーケットに提供していきたいという、地に足のついた堅実なお話で、決して大風呂敷を広げたりなんかはされませんでした(もちろん、話の聞き手である私のスキルがないもので、もっといいツッコミをすれば、奇天烈なお答えが返ってきたのかもしれませんが...)。
話の最後に、私は西村さんに「同世代で他に気になる起業家はいますか?」と聞いてみました。最近の時流として、一時期の「ITベンチャー」のようなバリバリな起業家とは異なる、新しいタイプの起業家が注目されています。いわゆる「社会起業家」など、会社の成長だけを目標にはせず、社会にとって良いインパクトを与えられるような会社の在り方を目指す起業家。西村さんにぜひそのあたりの認識について聞いてみたかったのです。
ところが、返ってきたお答えは、「特に気になる人はいない」とのことでした。あまり他を意識されないそうなのです。これにはちょっと、ビックリしました。起業家には起業家のネットワークがあって、お互い褒めたたえあったり、ライバル視したりするものかと思ったので。
そういうわけで、西村さんは私が勝手に想像していたよりもだいぶんナチュラルな雰囲気の方でした。学生時代にベンチャービジネスコンテストで数ある応募の中から優勝されたぐらいだから、相当キレ者のはずですが、そんな片鱗を見せびらかすわけでもなし。かといってヘンに変わり者を演じたりせず。内面はアツイものを秘めているのかもしれないけれど、それをあらわにはせず、あくまでソフトに。さわやかで押し付けがましくない感じ、まさに「ナイスガイ」と呼ぶにふさわしい方。うーん、やっぱり羨ましすぎるぞ、ソウ・エクスペリエンスの社員のみなさん。ここに、「心地よく働きつづけられる環境」のひとつのサンプルがあるように思いました。
西村さん、社員の方々、そしてしごと課の渡辺さん、お忙しい中、どうもありがとうございました。これからも仕事のことを考えつづけるうえで、大きな刺激を受けることができました。