シブヤ大学
しごと課の授業

11月授業の先生のお話(1)。



ちょっとずつですが、11月授業の先生の話をまとめています。

まずは、和久さんのお話から。

やぼろじと居場所と近所の人々

和久倫也さんは、生まれてから今まで30年以上多摩エリアで暮らしている。大学、大学院も実家から通い、大学院卒業後に建築の設計事務所に入るが家から自転車で通える距離であった。旅行にいくのも好きだが、東京のにしがわ、国立や府中が好きで近所の公園や知り合いの畑などが自分にとっては居心地がいいと感じる。

やぼろじと出会い
数年間働いた建築事務所を辞めて、近所の人との出会いから畑の手伝いをしたり、少しずつリフォームの仕事や設計の仕事もきたりしていた。そして、その畑の大家さんが管理していた国立市の谷保にある古民家と出会う。自分がその古民家をこういう風に使いたいと思っていたわけではなく、近所のおばさんが借りるようすすめてきた。大家さんとの話し合いで古民家の管理を任せてもらえることになり、一年近くかけてワークショップという名の大掃除を行う。出身の大学の研究室の学生や植木屋さんや大工さん、近所のお母さんたち、子どもたちなどと一緒に。そこで、関わる人たちとこの場所にはどんな特徴があるのか、こんな場所にしたいということを話し合い、一年近くかけて「やぼろじ」をつくる。

やぼろじと今
やぼろじの現在ですが、カフェや工房、イングリッシュガーデン、シェアオフィスなどがある。最初はシェアハウスもあったが、今はやっていない。
一年に2回ぐらい、ガーデンパーティーを行っている。流しそうめんをやったり、陶芸家の友人とピザ窯をつくり、ピザを焼いたりしている。また、地元のお母さんたちがスタッフをしている母めし食堂で昼ご飯はまかないをいただいている。

やぼろじと遠くの場所
やぼろじを行っていると、近所の子どもたちやお母さんたち、また、おじいちゃんやおばあちゃんとの関わりが多くなる。ありがたいことに、すごく貴重や歴史や技術を教えてもらえることもある。一方で、近所の縁が強い分、たまに離れたくなることもある。最近は岩手の遠野や屋久島をはじめ、やぼろじと似たような取り組みをしている人たちに会いに行って、勇気をもらっている。

やぼろじと和久さんのこれから
やぼろじは間違いなく自分にとっての居場所の一つである。自分だからやぼろじという場所ができた、自分らしさ、アイデンティティは感じる。また、カフェをやっているお母さんたちがすごく元気になって、その元気な人たちがつくるご飯を食べに近所の親子連れの人たちが集まり、元気をもらえる場所になっている。
そして、だんだんと和久さんの手を離れていっても、まわるようになってきている。今後も和久さんは関わり続けるが、今関わっている地元の人たちで想いを持った人がベースになっていけるようにする。
また、働くことと住むことだけではなくて、どのようなものを食べて、自分の近くに誰が住んでいて、どのようなものでできた家に暮らして、ということは自分自身の仕事にも関わるので、そういうところを掘り下げて仕事をしていきたいと、やぼろじにいながら思っている。


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自分にとって素直に働く、素直に生きる
シブヤ大学しごと課 課長
堀田