シブヤ大学
街の先輩訪問街の先輩訪問レポート

街の先輩訪問レポート1(河村 めぐみ)


街の先輩リポート

先輩:アサヒビールお客様文化研究所 
プロデューサー
河村めぐみ さま
訪問者:井上真理子
訪問日:2009年11月10日(火)

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<雑談時の内容>
■河村さんのお仕事柄、現代人の傾向について
現在の仕事は、主に生活者のトレンドやライフスタイルの動向を調査したり、(食品メーカーなので)「食と健康」に関することで世の中をハッピーにする情報発信や、また商品開発ができないかを考えること。
最近の生活者の動向で気になることといえば、今、人々は、何かしら「物語」を求めているような気がすること。人の生き方、ものごとの成り立ちについて、人々が強い関心を持っている傾向にある。
たとえば昨今の「歴史ブーム」。これはそこにある「物語」を詳しく学ぶことによって、自分自身の人生の中に反映したいのではないか。
これはまた、現代社会において、「頼れる」存在というものが少なくなっているからかもしれない。私たちが発信していくものも、よりわかりやすく信頼されるストーリーを持っているものでなくてはいけない気がする。

また、時代の新しいスタンダードや「人と人とのつながり」「人と社会のつながり」を生もうとしているムーブメントや、またそういった活動を起こしている人と積極的に関わっていきたい。そういった点で、「シブヤ大学」の活動に注目もし、一緒に授業を作っている。
※私個人の体験として、その数日前に同じ様なことを聞いた経験があり、その経験を元に、このお話しに強い共感と興味を覚え、その後数分、意見交換をさせていただきました。

■河村さんが注目している世代
今、30代、特に30歳~35歳の人たちに注目している。既に1度「就職氷河期」という不況を経験していて、他の世代にはない勢いがあり、今の社会を変えていく世代だろうな、とも思う。
いっぽう、70代以上の世代の方にも注目をしている。
戦時下を生き抜き、そしてそこからの日本の発展を支え、バイタリティ溢れる人生を送られてきた方々を通じて、今後の世の中の動向を見極めるうえで必要なことを探りたい。また、そういった方々の言葉や知見を、できれば残し伝えていきたい、と思っている。

今年、「シブヤ大学」で授業を開催させていただいた中で、30代の女性(働く女性を支援する会社を起業していた女性)と、その人が会いたい70代の女性の対談を公開でやったことがあった。そのとき、その30代の女性起業家が会いたい「70代」として名前をあげたのが「テンプスタッフ」の創設者であり社長の篠原欣子さんだった。このお二人に共通してあったのは、
「底力」であり、自由な発想で自らの想いや理想に近づいていこうとしておられるのが印象的だった。

※私も、今年の夏は、例年以上に、夏に戦争ドキュメンタリー番組を見続けていた。自分が今後生きていく中で、戦争に巻き込まれない保証はなかったから。あの過ちを繰り返さない為にも、戦争体験を知っていく必要性があると感じていたため、このお話しは非常に興味深かったです。

■河村さんの日頃心がけていること
最低週に1本(または1回)、何かを観るようにする。例:映画、演劇鑑賞、シーズンであれば、野球観戦など。そうすることで、自分自身を開放したり感性を養うようにしている。
(私が、好きなことを追いかけすぎて疲れてしまった経験を話すと)
時には好きな事を敢えて辞めてみるのも必要。ライブに行くのも好きだが、ときどき耳を閉じ静かに過ごすこともある。そうすることで、見えてくるものもある。

※確かに、好きなことを敢えて辞めてみることで、自分が「何が一番好きなのか」。「どれが、一番大切なものなのか。」そういう事が、だんだんと見えてきた気がします。そして、これまで自分が下してきた苦汁の決断が、決して間違ったものではなかったのだと思うと、少し安堵しました。

■働くうえで、必要なこと
(1)読書をすること。・・・感性を養い、様々な世界を知ることが必要。
(2)人に会うこと。・・・たくさんの人に会う事により、たくさんの生き方・働き方を知る。
(3)物事を進めていく中で、「気持ち悪い」「ここち悪い」と感じたことはないがしろにせず、その直感を頼りに、どうしてそうなるかを追求していくこと。

※読書をせよ、というのは、日頃私が行く先々で、『先生』として指導を仰ぐ様々な方からお伺いしている言葉でもあり、何度も同じ言葉に巡り会っているので、その大切さをより実感しました。また、「人が人を創る」という事を、日頃の生活において、様々なコミュニケーションをしていく中で実感している事だったので、ここでも強く同意しました。

■(現在求職中という身の上を話した上で)会社の一員として『働く』にあたってのアドバイス
(1)働く=その時間をお金に変えること。
(2)嫌な仕事こそ、一所懸命に取り組んでみること。
(3)自分が「この人はいい!」と思った人のマネすること。例:生き方、生活習慣等
また他人からされて嬉しかったりここちよかったことはマネをしてみる。
(4)人に興味を持ち、人に対して柔軟な視点を持つこと

※他にも、シブヤ大学のしごと課の河村さんのメッセージで書かれていることと同じ様な事をアドバイスでいただきました。
物事をシンプルに考え、ほんのちょっとの歩み寄りで、お互い分かり合えることもある。
勇気を出して、歩み寄って、いろんな人と話しをしてみること。なーんだ、もっと早くに話せばよかった、と思うこともよくあるものだ。
言葉に書いてみると、単純そのものですが、実際に行うとなると、なかなか思うようには出来ません。しかし、失敗を繰り返していきながらも、自分の頭の中に意識付けをしていき、徐々に要領を覚えていけばいい。焦らないでいい。という言葉に、日頃感じているコンプレックスが、前向きに捉えられるようになった気がしました。

<全体の感想> 
全体的にお話を伺った後の感想は、日頃私が色々な方から教えを受けている時に言われていることを、たくさんお話いただきました。その驚きと、やはりその考え方が正しい方向性という、納得。そして、今自分が目指そうとする道、その道を進むうえで、あらかじめ心がけておかなくてはならない「大切なこと」をこの「街の先輩訪問」を通して、たくさん学んだ気がします。いただいた、お言葉、一つ一つが私の中で財産となりました。
「働く」という事柄に対して、自分のベストを発揮できるようにするには、どの様にすれば良いのか。どの様な環境であれば、自分のベストが出せるのか。どの様に企業に自分自身を最大限にアピールすればよいのか。これからの就職活動で一つずつ経験をしていきながら、その結果から学び、時に修正をし、更に挑戦していきたいです。