人に会いに行く旅をしよう。@山形県 真室川町
〜「地域で地域をプロデュース」「一子相伝、伝承野菜を守る仕事とは?」「エネルギーを地産地消する製材所」ほか〜
金
18:45-
日
21:00
- 山形県 真室川町
- 参加費
- 11,500円
- 定員
- 20名
- 参加対象
- 社会人・学生の方ならどなたでも。
- 当日の持ち物
- 着替え・寝間着・タオル・歯ブラシ・洗面具・お風呂セットなど旅行に各自必要なもの、エプロン、三角巾(バンダナや手ぬぐいでもOK)、長靴もしくはトレッキングシューズなど山や畑でも歩きやすい靴(30cmを越える積雪がある年もあります。長靴があると安心です)、防寒着(東京よりかなり寒いです)、雨具、筆記用具、デジタルカメラ(スマートフォンでも構いません)。
- 申し込み方法
- 右(スマートフォンは下)の「申込む」ボタンをクリックすると申込ページ(外部サイト)に移動しますので、リンク先の「チケットを申し込む」ボタンよりチケットをお求めください。
- ・申込は先着順で、12月2日(水)10:00までの受付となりますが、満席となり次第、締め切ります。
・満席状況は本ページではなく、申込ページ(外部サイト)よりご確認ください。 - ・本授業は、2015年12月11日(金)〜12月13日(日)の2泊3日のツアーです。
東京⇔新庄駅間は新幹線で移動し、真室川町周辺はバス移動となります。
・食費および調理材料費、宿泊費、温泉入浴費、体験料、印刷費、決済手数料として、実費【¥11,500】を事前決済いただきます。
・本授業は旅行業法上、山形県・有限会社トランスオーシャンツーリストの旅行企画・実施となります。
日本各地、そこの土地に暮らし働くことを選んだ”人”に会いに行く旅
自然、まちなか、歴史、文化、食べもの、お酒、暮らし、、
もちろん、そのものだけでも楽しめるけど、地元の誰かと一緒だともっと面白い。
ただの旅行じゃ見えてこない、その土地・その人ならではの、日常や仕事も見てみたい。
観光ガイドやスマホじゃなくて、その土地の人と紡ぐローカルな旅。
今回は、山形県は真室川町に会いに行きます。
渋谷からの往復交通費は委託事業の予算から負担します!
よかったら一緒にどうですか?
※本プログラムは、地域の中小企業の仕事に触れる機会づくりとして、
中小企業庁委託事業「平成27年度UIJターン人材拠点事業」として実施しております。
地域で地域をプロデュース「仕事を創る仕事」:吉野敏充さん(吉野敏充デザイン事務所 代表)
東京でデザインを学び、デザインの仕事に就き、最終的にはデザイン会社の社長を任されていた吉野敏充さん。今では、実家のある新庄市に戻り、デザイン事務所を経営されています。
東京で社長を務めていた頃、株主から「この会社をどうしたい?」と迫られて「小さくても幸せな会社を、って答えたら怒られた」と笑う吉野さん、”規模の経済”に疑問を感じて、最初は実家の農業を継ごうとUターンしたそう。しかし、ただ野菜を作るだけじゃ売れない、自分の家の生産方法やこだわりなどを聞いた上で買って欲しい。そう思い、生産者を募っていた山形駅に売りに行ったら、お客さんから「この野菜、あっちのスーパーの方が安いわよ!」と言われて、ここじゃないなと。そうして、単に人の多い方に目を向けてたら東京と変わらない、せっかくなら地元(新庄)できちんと「作った人」と「買う人」がコミュニケーションを取れる場所、新庄最上の素敵なお店が集結する場所をつくろう!と「kitokitoマルシェ」を立ち上げます。
また、その頃から徐々にデザインの仕事が理解され始めたそう。地元ではデザインという概念がなく、WEBを作る事、印刷をすることが目的になっていた。しかしデザインを通じて「きちんと伝えること」が今の社会は必要だと認知され始めたのではないか?と語る。マルシェに留まらず地元の在来野菜の料理の仕方などをまとめたレシピ本を出版したり、地元の民藝、工芸品をもっと地域内外に広めて行くためのプロジェクトをプロデュースしたり、いろんな「コト」「モノ」を通じて地元の魅力を再発信しています。そんな吉野さんのお話から、地域での仕事のつくり方について考えてみましょう。
六次化ビジネスを武器に一子相伝の里芋「甚五右ヱ門芋」を守る仕事:
佐藤春樹さん(最上伝承野菜農家「森の家」20代目)
山形県真室川町、ここは「在来種」からつくる伝承野菜の宝庫です。今回会いに行く、佐藤春樹さん。いったんは就職したものの、「自然豊かなところで暮らしたい」「自分ならではの仕事をつくりたい」と真室川町に”孫ターン”して就農。
前年収穫された野菜の種から今年の野菜をつくる手法をとる「伝承野菜」を育てています。この手法は生産効率や商品のサイズ・栽培期間の画一化を求めると一見不利と思われます。しかし、その野菜たちを育てるだけでなく、美味しさ、素晴らしさを「届けたい」という想いから六次化を武器に様々なビジネスに挑まれています。
春樹さんが育てる伝承野菜の1つ「甚五右ヱ門芋」は、春樹さんの家に、室町時代から種芋と育て方が”家宝”として一子相伝で受け継がれてきた里芋です。その美味しさから『東北食べる通信』にも取り上げられました。この里芋の生産効率化にも熱意を注ぎ、春樹さんが就農した当時は20株程度しか育ててなかったものを、今では25,000株にまで増やしました。これは生産増加と言うより「復活」でした。
伝承と産業化。対極とも考えられている2つ掛け合わせ、復活から大量生産、安定供給を成し遂げたことは甚五右ヱ門芋だけでなく伝承野菜の可能性をぐっと広げ、さらなる挑戦に繋がっています。
例えば甚五右ヱ門芋をはじめ真室川の食と農の文化をもっと知ってもらおうと収穫祭「芋祭」を開催したり、地域の内と外をつなぐ伝承野菜農家の新たな交流拠点にと、築150年超の古民家を自宅兼ゲストハウス「森の家」としてリノベーションし、今年のグッドデザイン賞を受賞されました。
こうして自らが惚れ込んだ伝承野菜の良さを様々な機会を通じて多くの人に届けている春樹さん。大量生産はされず、地域でコツコツと伝え守られてきている産業は全国各地にありますが、担い手不足や生産効率の悪さから、ビジネスとして成り立たせられず絶えてしまうものも少なくありません。こうした難しい挑戦にポジティブに取り組まれているお話を伺います。
エネルギーを地産地消する製材所:庄司和敏さん(株式会社庄司製材所 代表取締役)
「未来の工場」と聞いて、どんなものを想像するでしょうか? 庄司製材所の「及位(のぞき)工場」は、これからの時代に地に足着いた、まさに未来の工場です。社長の庄司和敏さんの母校であり、2013年に廃校になっていた及位中学校を工場として再利用。建築費を抑えるだけでなく、校舎の解体にも莫大な費用が掛かることから、少子化の影響で全国的に学校の統廃合が進む中、地域課題解決のモデルケースに。
また、旧体育館には補助金を受けることなく自ら買い付けてきたスイス製の木質バイオマスボイラーを設置し、製材廃棄物や残材の全てをリサイクル。製材の効率的な乾燥に用いつつ「電気と違い熱エネルギーは地産地消。熱があれば地元でさまざまな産業を興す可能性が広がる」と庄司さん。
加えて、旧グラウンドに建てられた製材ラインは、木材を主体とした造りで温かみがありつつも、かなりの部分をオートメーションによる効率化を図った、アナログの衣を着た超ハイテク工場。他にも、原木の仕入れは100%国産材、工場長を置かないフラットなマネジメント等、先進的な試みが盛りだくさん。全国から視察が押し寄せるのも頷けます。
一度は東京に出て、三男だけどUターンして家業を継いだ庄司さん、「次はこんなことしたい!」がとめどないです。夢を語る大人の話にワクワクしてみませんか?
東京の仕事と今の仕事の違い。作り手の顔が見えるものを届ける、とは?:
サトウエミコさん(ごはん屋「Umui」主宰)
「悲しい時に元気が出て 不安な時にはほっとして 嬉しい時には笑顔が溢れる 毎日のごはんを」、、そんなごはん屋さんが池尻大橋にありました。
国産・無農薬・天然醸造のものにこだわり、食材はすべて作り手の顔が見えるもの。忙しくてお昼を食べそびれた人も、ちゃんとご飯を食べれるようにとランチは17時まで。からだが喜ぶ野菜たっぷりのプレートに玄米ご飯と味噌汁のついた「やさいのさら」が人気。
そんな連日満席のお店でしたが、開店から3年が過ぎた2014年5月に突如閉店。そして、懇意にしていた農家さんを頼って新庄市に一家で移住されたのが、ごはん屋「Umui」のサトウエミコさん。移住の理由は、子どもの不登校、忙しさに鞭打ってきた身体の不調、食への疑問、いろんなことが重なったのだそう。
一時は飲食の世界から離れようとしたものの、「じっとしていられなかった」とエミコさん。東京で感じていた「自分が知らない土地のものを、さぞ、知っているかのように語るのは虚偽ではないか?」という疑問への解として、いま、真室川をはじめ山形じゅうを回り、山形の伝承野菜やそれを作っている農家さんの仕事ぶりや、やりがい、理念と共に存在を伝えようとしています。
13(日)は、そんなエミコさんから、東京での仕事のあり方を見つめ直し、地域だからこそ見出せる営みを知りながら、伝承野菜をたっぷりつかった料理をつくりましょう。
(12(土)は、地域のお母さんたちと郷土料理をつくりますので、あわせてお楽しみに!)
その他のハイライト
古くから地域に伝わる知恵を繋いで農漁業を営む佐藤昭夫さんとは、山へ出て料理に使うきのこ狩り、状況次第で川で昔スタイルの漁見学を。自らも畑を持ち、地道な聞き取り調査を繰り返すことで、在来種の発掘に大きく貢献した町役場の高橋伸一さんからは、真室川町の伝承野菜のお話を伺います(甘さが際立つ雪割菜や、瑞々しくメロンのような風味を持つ勘次郎きゅうりなど、聞いているだけで食への好奇心が溢れてきます)。また、「山里での豊かな暮らしとは何か」を求め、日本では珍しいメイプルシロップづくりやメイプルビール醸造、自家栽培の藍による本藍染等、欲しいものは自分でつくる森の暮らしの価値観を伝える「暮らし考房」の栗田和則さんキエ子さんご夫妻にも会いに行きます。
伝承野菜をはじめ、この町の活かしきれていない資源の魅力と可能性を信じ、事業・仕事にされている人たちとの調理や交流の時間を通して、その資源を理解し、また情熱溢れるお話を聴く機会となれば幸いです。
旅の流れ(予定)
0日目:2015年12月11日(金) ※食事:夜×(各自任意で、集合前または新幹線車中etc.)
18:30〜18:45 受付(集合場所は東京駅構内、事前申告のあった方は19:00までお待ちします)
19:16 東京駅発(〜新幹線移動)
22:45 新庄駅着(〜バス移動)
23:25 宿「まむろ川温泉 梅里苑 コテージ」着
〜 就寝
1日目:2015年12月12日(土) ※食事:朝◯(参加費内) → 昼◯(参加費内・みんなで調理) → 夜◯(参加費内/お酒のみ別途実費)
08:00 朝食(伝承野菜や郷土料理も)
09:00 移動
09:30 [事業体験・ヒアリング] 佐藤昭夫さんときのこ狩りなど、地域の食材収穫
〜 その食材を使って、地域のお母さんたちと郷土料理をみんなで調理
13:00 昼食「いただきます!」
14:00 移動
14:30 [見学・ヒアリング] 一子相伝の里芋「甚五右ヱ門芋」を事業で守り、仕掛けるお話:
佐藤春樹さん(最上伝承野菜農家「森の家」20代目)
15:15 移動
15:45 [見学・ヒアリング] エネルギーを地産地消する製材所:庄司和敏さん(株式会社庄司製材所 代表取締役)
16:30 移動
17:00 [見学・ヒアリング] 暮らし考房 栗田さんご夫妻より、山里の楽しみ
17:45 移動
18:15 宿「梅里苑」着
〜 お風呂など
19:30 夕食(伝承野菜や郷土料理も)
〜 懇親会(地域の方々も交えて)
21:00 任意で二次会@コテージへ / よきところで就寝
2日目:2015年12月13日(日) ※食事:朝◯(参加費内) → 昼◯(参加費内・みんなで調理) → 夜×(各自任意で新幹線車中etc.)
07:00 朝食(伝承野菜や郷土料理も)
08:00 出発準備
08:30 移動
09:15 [ヒアリング] 真室川町役場 高橋伸一さんより、伝承野菜を切り口に町の産業構想を聴く
10:00 [ヒアリング] 東京の仕事と今の仕事の違い。作り手の顔が見えるものを届ける、とは?:
サトウエミコさん(ごはん屋「Umui」主宰)
〜 [事業体験]ごはん屋「Umui」の運営や理念を伺う(※実際提供される料理の調理も行います)
13:00 昼食「いただきます!」
〜 片付け
14:30 [見学・ヒアリング] 地域で地域をプロデュース「仕事を創る仕事」:
吉野敏充さん(吉野敏充デザイン事務所 代表)
15:30 振り返り
16:30 移動
17:11 新庄駅発(〜新幹線移動)
20:48 東京駅着(予定)
※当日の交通事情等により、到着時間が変更となる場合があります。
なお、交通費を委託事業予算から負担するかわりに、この旅には”宿題”があります。
旅の後、今回の旅で”グッときたこと”について、写真1枚と400字程度の文章をお送りください。
地域の皆さんにフィードバックするとともに、
記念にご参加された皆さんにもフォトブックにしてお送りいたします。
また、いくつかはシブヤ大学Webサイト「旅する学部」特設ページに掲載させていただきます。
今回、会いに行く人々
・吉野敏充さん(吉野敏充デザイン事務所 代表)
・佐藤春樹さん(最上伝承野菜農家「森の家」20代目)
・庄司和敏さん(株式会社 庄司製材所 代表取締役)
・サトウエミコさん(ごはん屋「Umui」主宰)
・佐藤昭夫さん(春夏秋冬 真室川 天然山菜・天然川魚)
・高橋伸一さん(真室川町交流課 観光交流担当主査)
・栗田和則さん・キエ子さん(農家民宿「暮らし考房」)
・渡辺利彦さん(有限会社 三栄クラフト)
・菅谷光太郎さん(金山町産業課)
・小野寺奈央さん(真室川町交流課 6次産業化推進員) ...and more!!
(授業コーディネーター:梶村 勢至・榎本 善晃 / 企画監修:特定非営利活動法人ETIC.)
教室
山形県 真室川町
山形県の内陸最北端にある真室川町。最上地方の中でも、とりわけ伝承野菜が豊富です。
先祖から受け渡された種は、人々の熱い思いによってひっそりと守り伝えられ、ついに今日まで姿を消すことなく残りました。真室川の風土になじみ、暮らしを支え、独特の食文化をも育んできた奇跡の野菜たち。忘れ去られたはずの彼らに時代は今、再び光をあてはじめました。ここにしかない地域の宝、真室川の伝承野菜もそのひとつです。
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