シブヤ大学

授業レポート

2017/3/22 UP

フードスタイリストの「仕立て術」
-今日からできる食シーンの楽しみ方-

 
今回の授業は、刺激の多い渋谷に心地よい空間を提供している「cocoti SHIBUYA」との
記念すべき第一回目のコラボ授業です。
そして、『野菜の力と大地の恵み』がコンセプトのGREEN GRILLが教室です。


 
いつもの授業とは違う少し大人な雰囲気の教室での授業にドキドキしつつ、
料理家・フードスタイリストの竹中 紘子先生から「仕立て術」を学びます。


まずは、竹中先生からの自己紹介。
幼少期から今の仕事に就くまでを、なんとカレーの作り方に例えてくださいました!
スパイスからグツグツ煮込み期間を経て、今は完成された状態だそうです。
先生の中にはいろんな経験がおいしく詰まっているんだろうなと感じました。

次に「フードスタイリストの仕立て術」。
そもそも料理家って?フードスタイリストって?ということから
普段されている仕事内容を交えてお話していただきました。

まずそれぞれの違いについて。
正直全部一緒で言葉の言い方の違いなのかなと思っていましたが、

料理家=レシピを考える。
フードスタイリスト=料理の盛り付けをする。
フードコーディネーター=そのどちらもする。

きちんと役割が分かれていたことを知りました。

役割が分かれていても必ず共通しているのが
「誰が誰のためにつくるか」、「誰の笑顔をつくりたいか?」という視点です。

料理家としてレシピを考えるときも
その雑誌のターゲットに合わせて、キラキラ女子は作った料理に共感して欲しいと思っているからインスタ映え
するようにしたり、
本格志向の人向けには、味がきちんと伝わるようにあえてシンプルにしたり、
子供向けの場合は子供の笑顔を通してお母さんが幸せになってくれるようなレシピにしたり・・・
フードスタイリストとして、枝豆の概念を変えたいというお客様からの要望は
「とりあえず感」から抜け出し、先入観を取り除いた魅力を最大限に引き出したスタイリングをしたり・・・
地域のブランディングをする場合は、相手のもっているチャームポイントを教えてあげて、
いいところをほめて伸ばし、いろいろな人を巻き込んで地域の幸せを作り上げていくことをしたり・・・

先生の仕事への熱い想いとなかなか聞けないお仕事の裏側のお話に
どんどん生徒のみなさんの目がキラキラしていきました。

生徒のみなさんも、私もハッとさせられたことがありました。
「自分にもやさしく」!!
自分の為だしと雑にしたり、適当にやりがちですがほんのひと手間で幸せになれるとのこと。


そのポイントは
①自分が落ち着ける食べ物をみつける


②疲れているときの1品


③スイッチの切り方


④量ではなく質

このどれもちょっとしたひと手間で出来てしまいます
決めたグラスで飲むことで気分の切り替えスイッチになるとか、
簡単なレシピを1つ用意しておく、
ポテトチップスをそのまま食べるのではなく、ちょっとソースを添えてみたり・・・
(先生もスナックを食べたりするんだと安心しました)
すぐに始められそうなことばかり、目から鱗!!!


明日から実践しようと話している声が沢山聞こえました。


実践「オリジナルな一皿を仕上げよう」
ここからみなさんがとっても楽しみにしていた実践です。 


今日実践する料理は、GREEN GRILLの佐藤シェフが
コラボ授業の為に考えてくださったオリジナル料理&ソースです。
まぐろとふろふき大根を軽くソテーしたものに菜の花のソースと醤油と蜂蜜のとろっとしたソースです。
まずはお皿に盛るときの心得を竹中先生から伝授されました。


・おもてなし→余白を大事にする


・ほっとして誰かと一緒に食べる→作りこみすぎない


・わいわい食べたい→みんなでシェアできるように盛り付ける


忘れてはいけない一番のポイントが
「誰を笑顔にしたいか?」

ポイントの説明のあとは先生が同じ材料で、盛り方だけをそれぞれ変えて見本を作ってくださいました。


同じ材料なのに盛り方だけで別の料理に見えてしまうくらいの違い!!
生徒のみなさんも、盛り付けを見るたびにおぉ~!!と歓声が上がっていました。
これもほんのひと手間、誰を笑顔にしたいかが重要なんだなと、改めて感じました。



先生のを参考に、それぞれ実践です。

同じ材料で同じお皿なのに参加者25名、全員違うものが出来上がりました。
作る人が考える「誰」、「シチュエーション」の違いでこんなに個性が出るのはおもしろい!
いろいろな人の完成品を見に行ったりしながら「どうしてこうしたの?」「素敵!」など
生徒のみなさん同士、とても和気あいあい、盛り上がりながら実践できました。


あっという間に授業は終了。


懇親会で実際に仕立てたお皿を実食です。
自分で盛りつけた1品を丁寧に味わっていたのが印象的でした。
授業が始まった時は緊張していたのに、終わるころには生徒さん同士でとても仲良くなり、
佐藤シェフが用意してくださったコラボ懇親会メニューもとってもおいしく、どんどんお酒が進み・・・
予定の時間を過ぎても楽しい時間を過ごしていました。


1年間続くコラボ授業の第一回目のこんなに素敵な授業に立ち会えてよかったです。
次回の授業もとても楽しみです。


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今回の授業の様子は、cocotiのブログにもアップされています!
http://bit.ly/2nbu2nc


(レポート:井上かおり、写真:野原邦彦)