授業レポート
2007/10/15 UP
おいしいビールのできるまで
朝からビールが飲める!今回ばかりは20歳以上の方のみに生徒さんを限定し、まさに大人の社会科見学が実現しました。大人の社会科見学第2弾は恵比寿麦酒記念館の見学ツアーです。
「ビールはお好きですか?ここにいるなら当たり前ですよね。(笑)」そんな先生の挨拶で授業がスタート。集合場所の目印でもあった“カブト煙突”。ビールを作る過程で出てしまう異臭を遠くに飛ばすための装置。今では技術が進み、処理が出来るようになったためこの煙突はもう使われていないのだそうです。そんな煙突についてのエピソードを話しながら、建物の方へ足を進める先生。生徒さんもその後に続きます。
入り口前にある大きな銅像、その名も馬越恭平殿。その人は、大日本ビール株式会社(恵比寿・朝日・札幌ビールの合併会社)の社長を務めた人物。銀座にビアホールを作るなど、“東洋のビール王“とも呼ばれたお方なのです。ビールが日本に入るようになった経緯や当時の日本でのビール市場、馬越恭平の活躍などさっそくいろんな豆知識を聞き、”第三の男“のテーマ曲で有名な今では恵比寿ビールの定番メロディに迎えられ、ついに館内へ入って行きます。
まずは、恵比寿工場100年史を見ながら恵比寿ビールの歴史を学びます。その年表には明治時代初期から現代のビールの価格の変化がかけそばの価格と比較してありました。その値段の差は当時13倍近くもあり、ビールは非常に高価なものでした。500mlで10銭程。今の中ジョッキが1,500円くらいの感覚です。
う~ん、当時は今の様に「とりあえずビールで!」とはなかなかいかなかったでしょうね。
次に見せていただいたのは記念館周辺、恵比寿ビアガーデンのミニチュア模型。恵比寿ガーデンプレイス内にはガードマンがいるため、子供も安心して遊ばせる事ができ、ペットと自由に散歩することができる。恵比寿の街はいい所だとそんなお話も伺うことが出来ました。
どんどん館内の奥へ進んでいきます。続いては展示コーナー。歴史あるビールのシンボルマークや、昔の恵比寿駅の写真、工場の機器や道具、宣伝ポスターなど、様々な展示品を鑑賞できました。札幌ビールは札幌にあるからその名がついたのですが、恵比寿ビールの場合はその逆。つまり、恵比寿ビールがあったからその地の名が恵比寿になったそうなのです。今ある恵比寿駅も、当時はビールを運ぶための貨物専用の駅だったそうで、それほど恵比寿の街は恵比寿ビールなくしては成り立たなかった場所なのです。
続いていよいよビールの中身のお話。ビールの原材料は水・大麦・ホップ・酵母の4種類。「大瓶1本にホップは何個?麦は何粒使うでしょう?」そんな先生の質問に生徒さん見当もつきません。正解は大瓶1本に水(炭酸ガス)3g、麦2,000粒(両掌1杯分程)、ホップ10個、酵母は400億個だそうです。
おいしいビールとは!?
まずは温度。大体4℃に設定されている家庭用冷蔵庫から取り出したビールをコップに注いだ頃、まさにその時間くらいが飲み頃だそうです。賞味期限は9ヶ月。過ぎても体を壊す事はないそうですが、美味しく飲むにはやはり早いにこしたことがないそうです。
お話の最後はビールの5千年の歴史を振り返ります。遡る事19世紀のフランス。
細菌学者であるルイ・パスツールにより、アルコール発酵に酵母が関与している事が明らかに。この人物によりビールが出来、リンデの発明した冷凍機により夏でもおいしいビールが飲めるようになったのです。始まりはこの二人から東洋のビール王まで、たくさんの著名人のお陰で今こうしておいしいビールが飲める事を学ぶ事ができました。
さぁ、ビールについてたくさん学んだ後、そろそろビールが飲みたくなってきた!ついにお待ち兼ねの試飲タイムです。席に着き、ビールが出てきたときの生徒さんの嬉しそうな笑顔ったらありません!笑
乾杯の前に、先生からおいしいビールの注ぎ方を教わりました。
* おいしいビールの注ぎ方 *
①グラスの高い位置から一気に注いでグラスを泡いっぱいにする。
②泡が減り、液体の部分と半々ぐらいになったところで2回目をそっと注ぐ。
③荒い泡がなくなり、泡がきめ細かくなってきたところで3回目を注ぐ。最後は慎重にグラスめいっぱいにまで注ぎます。
先生のお手本を見てみんなでやってみます。するとどうでしょう、泡と液体が約7:3くらいでしょうか、とってもキレイに注ぐ事ができました。
「そして最後は背筋を伸ばしてグラスは下の方を持ち、唇をグラスにつっこんで一気にのどに流し込む!」先生の言葉に一同つられて皆で乾杯~!!!おいしぃーーとどこからともなく声がもれてきます。こうして時間をかけてビールは丁寧に味わうものなのですね。でも本当にキレイについだビールはおいしくて、泡のないビールを試しに飲んだら同じものなのにぴりぴりと尖った味がしておいしくない。缶ビールをそのまま飲むとこの味になるんだとか。缶ビールも出来ればグラスに丁寧についでおいしく飲みたいものです。
試飲は注ぎ方のレクチャーで飲んだサッポロ生ビールも合わせて全部で5種類。
飲み比べでは最初にエビスビール。続いてここでしか飲む事のできないメジャーヴァイス(ヴァイスはドイツ語で白いの意)、イギリスで人気のメジャーエール、最後はエビスザブラックの黒ビールをいただきました。おつまみはビール酵母入りのサッポロビヤクラッカー。少し苦味のあるクラッカーでビールが進みます。定番のビールから普段なかなか飲む事のできないビールまでをすっかり堪能し、集合写真を撮って授業終了。グラスや新商品のビール、ビールについての情報が満載の冊子など、たくさんのお土産もいただきました。
今日の授業を受けて、食後いつも缶ビールを飲んでいる父に、今日教わった注ぎ方でおいしいビールを飲ませてあげよう、なんて思いながら記念館を後にしました。
(ボランティアスタッフ 室木花絵)
「ビールはお好きですか?ここにいるなら当たり前ですよね。(笑)」そんな先生の挨拶で授業がスタート。集合場所の目印でもあった“カブト煙突”。ビールを作る過程で出てしまう異臭を遠くに飛ばすための装置。今では技術が進み、処理が出来るようになったためこの煙突はもう使われていないのだそうです。そんな煙突についてのエピソードを話しながら、建物の方へ足を進める先生。生徒さんもその後に続きます。
入り口前にある大きな銅像、その名も馬越恭平殿。その人は、大日本ビール株式会社(恵比寿・朝日・札幌ビールの合併会社)の社長を務めた人物。銀座にビアホールを作るなど、“東洋のビール王“とも呼ばれたお方なのです。ビールが日本に入るようになった経緯や当時の日本でのビール市場、馬越恭平の活躍などさっそくいろんな豆知識を聞き、”第三の男“のテーマ曲で有名な今では恵比寿ビールの定番メロディに迎えられ、ついに館内へ入って行きます。
まずは、恵比寿工場100年史を見ながら恵比寿ビールの歴史を学びます。その年表には明治時代初期から現代のビールの価格の変化がかけそばの価格と比較してありました。その値段の差は当時13倍近くもあり、ビールは非常に高価なものでした。500mlで10銭程。今の中ジョッキが1,500円くらいの感覚です。
う~ん、当時は今の様に「とりあえずビールで!」とはなかなかいかなかったでしょうね。
次に見せていただいたのは記念館周辺、恵比寿ビアガーデンのミニチュア模型。恵比寿ガーデンプレイス内にはガードマンがいるため、子供も安心して遊ばせる事ができ、ペットと自由に散歩することができる。恵比寿の街はいい所だとそんなお話も伺うことが出来ました。
どんどん館内の奥へ進んでいきます。続いては展示コーナー。歴史あるビールのシンボルマークや、昔の恵比寿駅の写真、工場の機器や道具、宣伝ポスターなど、様々な展示品を鑑賞できました。札幌ビールは札幌にあるからその名がついたのですが、恵比寿ビールの場合はその逆。つまり、恵比寿ビールがあったからその地の名が恵比寿になったそうなのです。今ある恵比寿駅も、当時はビールを運ぶための貨物専用の駅だったそうで、それほど恵比寿の街は恵比寿ビールなくしては成り立たなかった場所なのです。
続いていよいよビールの中身のお話。ビールの原材料は水・大麦・ホップ・酵母の4種類。「大瓶1本にホップは何個?麦は何粒使うでしょう?」そんな先生の質問に生徒さん見当もつきません。正解は大瓶1本に水(炭酸ガス)3g、麦2,000粒(両掌1杯分程)、ホップ10個、酵母は400億個だそうです。
おいしいビールとは!?
まずは温度。大体4℃に設定されている家庭用冷蔵庫から取り出したビールをコップに注いだ頃、まさにその時間くらいが飲み頃だそうです。賞味期限は9ヶ月。過ぎても体を壊す事はないそうですが、美味しく飲むにはやはり早いにこしたことがないそうです。
お話の最後はビールの5千年の歴史を振り返ります。遡る事19世紀のフランス。
細菌学者であるルイ・パスツールにより、アルコール発酵に酵母が関与している事が明らかに。この人物によりビールが出来、リンデの発明した冷凍機により夏でもおいしいビールが飲めるようになったのです。始まりはこの二人から東洋のビール王まで、たくさんの著名人のお陰で今こうしておいしいビールが飲める事を学ぶ事ができました。
さぁ、ビールについてたくさん学んだ後、そろそろビールが飲みたくなってきた!ついにお待ち兼ねの試飲タイムです。席に着き、ビールが出てきたときの生徒さんの嬉しそうな笑顔ったらありません!笑
乾杯の前に、先生からおいしいビールの注ぎ方を教わりました。
* おいしいビールの注ぎ方 *
①グラスの高い位置から一気に注いでグラスを泡いっぱいにする。
②泡が減り、液体の部分と半々ぐらいになったところで2回目をそっと注ぐ。
③荒い泡がなくなり、泡がきめ細かくなってきたところで3回目を注ぐ。最後は慎重にグラスめいっぱいにまで注ぎます。
先生のお手本を見てみんなでやってみます。するとどうでしょう、泡と液体が約7:3くらいでしょうか、とってもキレイに注ぐ事ができました。
「そして最後は背筋を伸ばしてグラスは下の方を持ち、唇をグラスにつっこんで一気にのどに流し込む!」先生の言葉に一同つられて皆で乾杯~!!!おいしぃーーとどこからともなく声がもれてきます。こうして時間をかけてビールは丁寧に味わうものなのですね。でも本当にキレイについだビールはおいしくて、泡のないビールを試しに飲んだら同じものなのにぴりぴりと尖った味がしておいしくない。缶ビールをそのまま飲むとこの味になるんだとか。缶ビールも出来ればグラスに丁寧についでおいしく飲みたいものです。
試飲は注ぎ方のレクチャーで飲んだサッポロ生ビールも合わせて全部で5種類。
飲み比べでは最初にエビスビール。続いてここでしか飲む事のできないメジャーヴァイス(ヴァイスはドイツ語で白いの意)、イギリスで人気のメジャーエール、最後はエビスザブラックの黒ビールをいただきました。おつまみはビール酵母入りのサッポロビヤクラッカー。少し苦味のあるクラッカーでビールが進みます。定番のビールから普段なかなか飲む事のできないビールまでをすっかり堪能し、集合写真を撮って授業終了。グラスや新商品のビール、ビールについての情報が満載の冊子など、たくさんのお土産もいただきました。
今日の授業を受けて、食後いつも缶ビールを飲んでいる父に、今日教わった注ぎ方でおいしいビールを飲ませてあげよう、なんて思いながら記念館を後にしました。
(ボランティアスタッフ 室木花絵)