授業レポート
2016/3/30 UP
文章を正し、整える ~校正・校閲のお仕事
■校正・校閲のお仕事とは!?
文字情報を正確かつ適切にする仕事
初稿と呼ばれる、いわば出来立ての文章に書かれている文字情報を吟味して、誤字などを修正したり、疑問点を出して確認を仰ぎます。
というのが辞書的な意味です。
授業では、実際に校正を体験しながら、一人一人で校正・校閲のお仕事について咀嚼していきました。
◼︎お仕事道具の紹介。
⚫︎その弌
三色の筆記具。
これを使い、校正刷の上でその文章に携わる方々とコミュニケーションをしていきます。
赤ペン ……訂正など変更を指示する
黒エンピツ ……疑問点を出して確認する
青ペン ……補足など注意を喚起する

先生が校正した校正刷はうぅんと唸るような美しさがありました。
これを受け取った人はその丁寧に書かれた文字とわかりやすい表記の仕方に、読み手の書き手に対する愛を感じます。
⚫︎その弐
国語辞典。
あらゆる辞書を引いて意味や使い方を確認します。
しかし、いろいろな辞書で言葉を調べていくと、同じ言葉でも辞書によって書かれていることが若干違っていたりすることに気がつきます。
なので一概にこの言葉やこの表記が「正しい」「間違っている」とは言い切れず、文章全体を見て吟味して、作者や編集者に疑問を投げかけます。
あくまでも、全体の中での1つの言葉の意味を大切にするので、何か枠を当てはめるような械的な作業ではないことがわかります。
また、言葉はどんどん変化していて、例えば「ら抜き言葉」はかつては適切な表記ではないと言われてきましたが、今では辞典にその言葉が載っていることもあります。
言葉へのアンテナを常に張っておくことも大切なのですね。
〜余談〜
「どんなジャンルの本でも校正するんですか?」という質問で、
「校正者はふつう、どんな本にも対応しますが、得意分野はありますし、若い作家さんの場合は、若い校正者がやってたりします」とのこと。
確かに20歳の言葉を使う感覚と50歳のそれとでは異なりますよね。
言葉の生きもの感をこんなところからも感じました。
◼︎最後に、、
日々、朝起きて夜寝るまでのあいだ私たちは多くの言葉を目にしたり、発信してはいるものの、その一つ一つの言葉やフレーズを意識して使ったり、考えたりすることは意外と多くないということに気がつきます。
例えば、実習課題で出てきたこの文章
「2014年の新年を、0さん夫婦は圏外の知人宅で迎えた。
東日本大震災からすでに3年経っていた。」
この文章を校正したときに、「0さん」(ゼロさん)→「Oさん」(オーさん)?、「圏外」→「県外」?といった、文字の誤りを見つけ指摘することはもちろん、
「東日本大震災からすでに3年経っていた」
この表現を先生は、
「東日本大震災からすでに3年が経とうとしていた。」
ではないかと疑問を投げかけていました。
「2014年の新年と東日本大震災が起きた2011年3月とではまだ3年が経っていないということ。
そのことは、被災していない人から見たら些細なことかもしれないですが、当事者は一時も忘れられない出来事です。
些細なことでも計算の違いがあると、当事者とそうではない人との温度差を余計感じさせてしまい、当事者の方を傷つけてしまいます。」
この先生の言葉から、校正の仕事というのはつまりは言葉を届ける相手と向き合う仕事であるのだと感じました。
普段何気なく使っている自分の言葉が受け手にとってどんな意味を持つのか、誰もが気軽に「誰か」とコミュニケーションできる時代だからこそ、自分の書いた1つの言葉からその先に広がる世界をイメージしてみても面白いんじゃないかと思いました。
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このレポートも先生に校正していただききました!
文字情報を正確かつ適切にする仕事
初稿と呼ばれる、いわば出来立ての文章に書かれている文字情報を吟味して、誤字などを修正したり、疑問点を出して確認を仰ぎます。
というのが辞書的な意味です。
授業では、実際に校正を体験しながら、一人一人で校正・校閲のお仕事について咀嚼していきました。
◼︎お仕事道具の紹介。
⚫︎その弌
三色の筆記具。
これを使い、校正刷の上でその文章に携わる方々とコミュニケーションをしていきます。
赤ペン ……訂正など変更を指示する
黒エンピツ ……疑問点を出して確認する
青ペン ……補足など注意を喚起する

先生が校正した校正刷はうぅんと唸るような美しさがありました。
これを受け取った人はその丁寧に書かれた文字とわかりやすい表記の仕方に、読み手の書き手に対する愛を感じます。
⚫︎その弐
国語辞典。
あらゆる辞書を引いて意味や使い方を確認します。
しかし、いろいろな辞書で言葉を調べていくと、同じ言葉でも辞書によって書かれていることが若干違っていたりすることに気がつきます。
なので一概にこの言葉やこの表記が「正しい」「間違っている」とは言い切れず、文章全体を見て吟味して、作者や編集者に疑問を投げかけます。
あくまでも、全体の中での1つの言葉の意味を大切にするので、何か枠を当てはめるような械的な作業ではないことがわかります。
また、言葉はどんどん変化していて、例えば「ら抜き言葉」はかつては適切な表記ではないと言われてきましたが、今では辞典にその言葉が載っていることもあります。
言葉へのアンテナを常に張っておくことも大切なのですね。
〜余談〜
「どんなジャンルの本でも校正するんですか?」という質問で、
「校正者はふつう、どんな本にも対応しますが、得意分野はありますし、若い作家さんの場合は、若い校正者がやってたりします」とのこと。
確かに20歳の言葉を使う感覚と50歳のそれとでは異なりますよね。
言葉の生きもの感をこんなところからも感じました。
◼︎最後に、、
日々、朝起きて夜寝るまでのあいだ私たちは多くの言葉を目にしたり、発信してはいるものの、その一つ一つの言葉やフレーズを意識して使ったり、考えたりすることは意外と多くないということに気がつきます。
例えば、実習課題で出てきたこの文章
「2014年の新年を、0さん夫婦は圏外の知人宅で迎えた。
東日本大震災からすでに3年経っていた。」
この文章を校正したときに、「0さん」(ゼロさん)→「Oさん」(オーさん)?、「圏外」→「県外」?といった、文字の誤りを見つけ指摘することはもちろん、
「東日本大震災からすでに3年経っていた」
この表現を先生は、
「東日本大震災からすでに3年が経とうとしていた。」
ではないかと疑問を投げかけていました。
「2014年の新年と東日本大震災が起きた2011年3月とではまだ3年が経っていないということ。
そのことは、被災していない人から見たら些細なことかもしれないですが、当事者は一時も忘れられない出来事です。
些細なことでも計算の違いがあると、当事者とそうではない人との温度差を余計感じさせてしまい、当事者の方を傷つけてしまいます。」
この先生の言葉から、校正の仕事というのはつまりは言葉を届ける相手と向き合う仕事であるのだと感じました。
普段何気なく使っている自分の言葉が受け手にとってどんな意味を持つのか、誰もが気軽に「誰か」とコミュニケーションできる時代だからこそ、自分の書いた1つの言葉からその先に広がる世界をイメージしてみても面白いんじゃないかと思いました。
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このレポートも先生に校正していただききました!
