シブヤ大学

授業レポート

2014/5/26 UP

素材の味をギュギュッと!
ローフードを学ぶ&味わう!

 


ローフードってなんだろう?


最近よく目にする言葉ですが、ヘルシーという雰囲気だけで、聞かれてもきちんと説明できません。
実はローカロリーのフードのことかと思っていました。
(そういう人、ほかにもきっといますよね?)
正しくはRaw(生の) Food(食べ物)、つまり生の食材を使った料理、ということでした。
調理は熱を加えるものが大半ですが、食材に含まれる酵素やビタミン、ミネラルなどは加熱によって失われることが多いとのこと。
そうしたビタミン類を損なうことなく摂取できるのが、ローフード料理。
全てが生のままというわけではなく、酵素が損なわれない48度以下ならば加熱調理をしても大丈夫だそうです。 


先生は、料理研究家の青木由里さん。オーガニックやローリビングフードを中心にした美人食を研究されています。
この日のメニューは全5品。 
*ロー海苔巻き
*ローキンピラ
*大根パスタ、しそのジェノベーゼソース
*ガスパチョ
*チョコバナナケーキ
「お寿司とパスタを一緒に食べるの?」と内心驚きましたが、それはローフードを知らない人の反応でした。
まずはケーキからはじめます。
デザートから最初に作るのは、しばらく冷凍庫に寝かせる時間が必要だからです。
クラストにはナッツをふんだんに使いましたが、ナッツを使うには前準備が必要。
生のカシューナッツは3時間、生アーモンドやひまわりの種は8時間、水につけて戻すのです。
前の晩から浸水しておかないといけません。 
ナッツ類は、ローストされたものが多く市販されていますが、それは加熱によってすでに酸化しているため、生のものより身体に負担がかかるそうです。
ローストしたナッツを食べると、ニキビができやすいとのこと。
ということは、生のナッツは食べてもニキビの元にはならないんですね。 
そんな食材の知識を教えてもらいながら、ケーキ型にクラストを敷き詰め、フィリングを乗せて冷凍庫で固めます。アイスケーキを作る感覚です。
きんぴらは、いつもの食材と同じですが、炒めないところが違います。
にんじんもごぼうも、塩もみをしただけ。
生の状態で食べたことはありませんが、大丈夫なのでしょうか。
ほかにカリフラワーやブロッコリーも、塩もみしたら生で食べられるそうです。
 


ロー海苔巻きは、すし飯の代わりにアルファルファを使います。
ぽろぽろとまとまらないアルファルファの上にマグロの代わりのパプリカやアボガドを乗せて、巻いていきます。
カリフォルニアロールよりもヘルシーな、野菜でできた巻き寿司ができあがりました。
大根のパスタでも、やはり小麦粉は使いません。パスタ麺の代わりに使うのは、大根。これを細くカットして、ソースと絡めます。
どのレシピも、初めてのものばかり。斬新な発想に驚きます。 


野菜をミキサーにかけ、ガスパチョを作って全ての料理が出来上がり。意外に調理に時間がかかりました。
火をかけるほうがずっと楽で簡単に仕上がるので、ローフードは(丁寧に調理した)という気持ちになります。
それだけ素材のことを考えられるし、どうやったらより食べやすくできるかと工夫を凝らす気にもなります。 


並べられた料理は、ほとんどが野菜でできたもの。
なのに、きちんと味が乗っているし、料理によって食感も違うため、抵抗感はありません。
アルファルファの海苔巻きは、おなかにもたれず、スイスイひと巻き食べられました。
そして大根のパスタのおいしさにびっくりしました。パスタがみずみずしく、シャキシャキしているなんて。夏バテのときなどによさそうです。
きんぴらも、普段の炒めたものとそれほど大きな違いを感じずに食べられました。
固めてできあがったケーキは、市販のもののように完成されたおいしさでした。 
素材の形がしっかりしているものが多いため、よく噛んで食べることは健康につながりそう。
全て食べ終わったころには、おなかがパンパンになっていました。 


普段の料理のように、おいしそうなにおいで食欲を刺激することはないし、生の素材がベースになっているため、グルメが喜ぶ凝った見栄えになっているわけでもありませんが、食べた後の充ち足りた気分に、みんなで驚きました。
気持ちよりも、身体が満足している感覚です。結局この日は、夜になってもまだおなかがいっぱいでした。
野菜メインの食材だったのに、不思議です。 


生野菜のサラダだと、そんなに量は食べられませんが、工夫を凝らして料理にすることで、さまざまな味付けがなされておいしくいただけるローフード。
毎日の食事にするのは大変ですが、たまに一品作ってみるだけでも、身体の中の巡りがよくなる気がします。
きんぴらは家でもすぐに作れそう。
ローフードがどういうものか、実際に作ってわかったため、これからはローフードレストランの前で(どういう料理が出てくるんだろう?)と悩むことなく、お店に入っていけそうです。



(ボランティアスタッフ:小野寺理香)