シブヤ大学

授業レポート

2013/11/18 UP

会社員として働いていても、会社の中でできることはまだある

一企業の会社員として働いていると、会社が各々抱える状況は異なる。だが「楽しく仕事をする」は多かれ少なかれ、どの職場でも抱える課題だと感じる。今日は一会社員がすぐにでも実践できる、「楽しく仕事をする」秘訣を藤原印刷の藤原章次さんに先生となって頂き、ご教義頂いた。

藤原さんが勤務される藤原印刷とは創業50年を超える老舗の印刷会社で長野と東京にオフィスを構える。
創業者は藤原さんの祖母で子供の頃から経営者である祖母の背中を見て育ってきた。
その後、大学時代にインターンを経験した。
その当時、仕事のいろはもわからなかったがまずは「自分でできることをやる」をモットーにオフィス内の掃除、来客者の接客対応、電話応対などを積極的に行った。
その結果、社内的にも評価を得ることができ、仕事を教えてもらえるようになったという。
この講義のミソは「自分でできることをまずやる。
その結果、評価がもらえ、モチベーションが上がり嬉しく楽しくできる」ということである。
藤原さんは藤原印刷で働く全ての人に「仕事をする喜び」を感じてほしいと思い以下3つの社内的な取り組みを実施されている。

(1)40代以上のベテランが多く新入社員との接し方が分からないという課題に対して新入社員向けに交換日誌を毎日行い、彼らの気持ちを知り、仕事の楽しさを伝えていくと同時に藤原さんがメンターとなり新入社員とその上司と藤原さんで3者面談を実施。
(2)工場で印刷物を製作している現場の従業員が印刷物がどのように売れているのか、またどんな人が売っているのかが見えないという現場の課題に対して、印刷した印刷物がどのように店頭で売れているかを写真などで見せ「ほめられ伝票」という名のお客様からの感謝の声を伝えるシートにその様子を添付する。またお客様に現場の工場に来ていただき現場を知ってもらう。
(3)「サンクスカード」という小さなことでも感謝の気持ちをカードで渡し、相手への感謝の気持ちを形にする。

これらの取り組みの目的は社員のモチベーションをあげ、いい仕事をし、お客様から認められ、会社の顧客が生まれ、仕事が増えるという良き働き方の循環モデルを生み出すことである。

受講者からも「周囲の人の仕事を当たり前だと思ってしまうが、感謝の気持ちを忘れていて反省した」や「感謝を直接伝えるのは恥ずかしいからカードを使ってみたい」といって新しい取り組みを始めようという声が多かった。
新しい取り組みを行なうのは始める勇気が必要ではないかという質問に対しての回答が印象的だった。
「自分が新しいことで99%の人が反対しようとも1%の人が賛成し、応援してくれればよい。」と。
藤原印刷が進化していくのは藤原さんの実行力と意思の強さだと感じた。
藤原さん自身も以前祖母の背中を見て育ったように藤原印刷の社員も藤原さんの背中を見て成長しているのであろう。


(ボランティアスタッフ 大貫さん)