シブヤ大学

授業レポート

2013/8/1 UP

ひのはらむらThink&Cook ! ~東京都唯一の村のおはなし~

今回の授業は、簡単な調理実習とワールドカフェを中心とした構成。男性が講師だったということもあり参加者の男性率が高かった事、小学校の頃に檜原村に遠足に行った事がある渋谷区在住の方が多かった事が印象的でした。地元の伝統食をもとに「食」について様々な視点から意見が飛び交い、とても楽しく和気藹々とした時間を過ごすことができました。 調理に使用したのは、ひのはら名産、“おいねのつるいも”。スーパーで見かけるじゃがいもと比べると小ぶりで、一口サイズにしやすいなど扱いやすく、茹でると部屋中に甘い香りが漂ってきます。しかも、芯や皮ごと美味しく食べることができるので、調理するにはうってつけだと思いました。そのつるいもをゆでて、ご近所さんがくれた油で軽くいため、すずの大豆という大豆をもとに作られた味噌で和える。そこにバターや塩を少々加えて出来上がりの、簡単一品料理でした。 おいもをゆでながら、竹本さんの檜原村での主な活動の紹介。大きく分けて下記の3つがありました。 ●耕作放棄地再生活動 使われていない農地で作物を育てている。すずの大豆、ナツハゼ、おいねのつるいもなど生産の担い手がいなくなりかけていた食の生産者となる。 ●古民家再生活動 古民家を改修しゲストハウスに再生。農業体験をしに来た人などが気軽に泊まれる場所にする予定。 ●村内地域活動 若い人がいないため、様々なことを頼まれる。村のお祭りや草刈り、掃除など様々な役について働いている。 次に、農村と都市をつなげるケーススタディを紹介。 去年からナツハゼというブルーベリーに似た実を栽培。加工していた宮内庁御用達の和菓子屋さんがなくなってしまい、そこで使っていたナツハゼ自体も同時になくなりかけていた。そこで、少しの原料から色んな人に食べてもらう為の方法を考えたとのこと。自身が茶道会の代表をつとめていることもあり、ハナムスビというお菓子屋さんと協力し、お茶うけとしてらくがんにして加工。お茶会でも使用し、村の人々にも喜んでもらう事ができたそうです。 ワールドカフェでは、ひのはらむらの伝統食材(ナツハゼ、大豆など)を活かした「食」を自分だったらどう調理/加工する?という問いが。 参加者の中にはナツハゼをケーキなどのトッピングにしてみてはどうか?などの意見も出てきました。 村の人達が代々大切にしている考えや伝統を守りつつ、更に出来ることはないだろうかと真剣に模索する姿には、多くの参加者が共感したのではないでしょうか。 (ボランティアスタッフ:足立恵理子)