シブヤ大学

授業レポート

2012/12/20 UP

楽しむことが美味しさの秘訣☆

教室の中で豆が挽かれ、コーヒーの香りが漂う中で授業は始まりました。先生は、恵比寿のカフェ「猿田彦珈琲」の店長・大塚さん、都築さん、浅川さんの三名です。

「お家でどんな風にコーヒーをおとしていますか?」
大塚さんのそんな質問から授業は始まりました。生徒さんの答えは、インスタント、ペーパードリップ、コーヒープレス等さまざま。

大塚さんからは、「どの方法が正しい、間違っているということではない。それに、正直美味しくなくてもいいんです」、との一言。え!?私は衝撃を受けました。美味しいコーヒーの秘密を知りに来たのに・・と思いつつ、先生の話は進みます。

「僕たちはお店ですごく細かいことを気にかけています。エスプレッソマシーンのメンテナンスやコーヒー豆の焙煎の具合、お湯の温度、抽出の時間。でも皆さんはそこまでしなくていい。もっと気軽に、自分が美味しいと思うコーヒーをおとして欲しいんです」とのこと。ふむふむ。なるほど。

さて、次は都築さんと浅川さんによるデモンストレーションです。ペーパードリップでコーヒーをおとしてくださいました。生徒さんは二班に分かれてじっくりと見学し、質問をしていきます。手を動かしながら即座に答えてくれる先生方!さすが!

その後はスペシャルティコーヒーについての講義。スペシャルティコーヒーとはトレーサビリィティ(生産履歴)が明らかで、カップテスト(官能検査)を受けているもの。猿田彦珈琲のカップテストでは、香り、酸味の質など9項目を8点満点で評価しているのだそう。

次はコーヒープレスでいれた焙煎度の違うコーヒーを飲み比べ。個人的には、深煎りの方が慣れた味でしたが、浅めのコーヒーも酸味の後に甘味があり、豊かな味わいで美味しい。同じコーヒー豆でもかなり味が違います。

さて、もう一度先生方のデモンストレーションを見て、いよいよ一人一回ずつコーヒーをハンドドリップする時間です。最初はじっくり蒸らして、その後は手早く。挽きたてのコーヒー豆がお湯を含んで、ぷくぷくと膨らんでいく様がなんとも可愛らしい。

そして、面白かったのは、同じ豆、同じ淹れ方なのにも関わらず、淹れた人によって味が全く違うこと!!後味すっきり、苦みしっかり、バランス重視。お互いの淹れたコーヒーを飲み比べ、感想を言い合う生徒さんの顔にはキラキラの笑みが浮かんでいました。コーヒーについて話すって、なんて楽しいんだろう。確かに、「今日いれたコーヒーが美味しくなくてさー」と笑いながら話すのもありかもしれません。美味しくなくても、楽しくコーヒーを味わうことは出来そう。

授業を受けて思ったのは、先生たちはプロ野球選手のような存在で、ストイックに勝負の世界に身を置きながらコーヒーをおとしています。でも、皆がプロになる必要はなくて、キャッチボールや草野球での楽しみ方があるように、コーヒーにもその人に合った楽しみ方があるようです。一人で自分の好みのコーヒーを探すのも楽しいし、誰かと味わうのも楽しい。この授業では、自分とコーヒーの楽しい付き合い方を考える切っ掛けをもらいました。

ちなみに猿田彦珈琲は、シブヤ大学キャンパスマップにも載っていて、シブ大生特典があります。コーヒーのことで知りたいことがあったら、ぜひぜひ立ち寄ってみてください。
http://www.shibuya-univ.net/classroom/detail.php?room_id=252


(ボランティアスタッフ:秋山 恵子)