シブヤ大学

授業レポート

2010/3/30 UP

「国旗を見れば世界がわかる!」授業

 今回は社団法人 世界の国旗普及協会理事 引地達也先生が授業してくださいました。先生は長身でさわやかな印象の方で、国旗や写真をスライドに映しながら一つ一つ丁寧に講義してくださいました。

 授業のはじめにまずはテーブルごとにお互い自己紹介。先生のお話の中にクイズがたくさん出るのでグループでディスカッションして答えを探していきます。一人で参加される人も多いのですが、年齢や国籍に関係なくみんなでわいわい話しができました。

 さて、私たちはオリンピックや万国旗で旗を見はしますが、国旗について深く意味を考える機会はあまりありません。しかし、国旗にはその国の歴史や特徴が描かれており、その国を知る上で大きな手がかりになっているのです。

 まずは皆さんご存知日本の国旗「日の丸」は「太陽」をあらわしています。ちなみに真ん中の丸は 赤ではなく、紅(くれない)で、資生堂さんが日本らしい色を探したんだそうです。また、ものによっては丸の大きさが若干異なっていますが、これは1999年まで国旗に関する法律がなかったからなのだそうです。見栄えによって変えていたんだそうです。

 次に地図で国旗を分類するとバングラデシュを境に東側には赤が、西側には緑が必ず入ってるんですよー。そして境界のバングラデシュはというと、赤と緑の2色なんです!日本の国旗の白い部分をちょうど緑に塗ったような国旗です。

 また、色にも一つ一つ意味があります。赤だけでも情熱の赤、祝福の赤、共産党の赤、血の赤など地域によって解釈はさまざま。緑なら草(自然とか)をあらわすだけでなく、宗教的に神聖な色としても用いられるようです。



 ではここで今これを見ている皆さんにクイズです!!
ウクライナの国旗は上半分が水色、下半分が黄色の2色です。一体何を表しているのでしょうか?(ヒントは食べ物?)手元に実物が見れる方は実物をみてください。

チチチチチチチ・・・

 正解!!上の水色が青空、下の黄色は小麦畑をあらわしています。一面に広がる小麦畑、その上に広がる真っ青な空・・・。まるでウクライナの風景が目に浮かんでくるようですね。ちょっと意地悪な問題だったかもしれませんね。私としては先生のお話の中で一番印象的な国旗でした。


 世界193国の国旗。全部を覚えきるのは大変かもしれませんが、実は地域で大体のグループがあります。月と緑があるのはイスラムの国。赤・黄・黒のラスターカラーはアフリカに多かったり、竜などがあるのは王国(ブータンがまさにそう)などなど。国の特徴を掴んでみたりすれば覚えやすくなるかもしれませんね。目指せ、全部暗記!!

 ほかにもアンコールワットを真ん中に描いたカンボジア。国旗の形自体でヒマラヤを表したネパール。唯一国旗に人を描いたベリーズ。表と裏で中央の文様が違うパラグアイ。緑1色のリビアなどなど。ここにも書ききれないほどたくさんの国旗を見ました。それぞれに物語があって深い意味がこめられています。

 「へえー」「なるほど」「そうだったんだ」という驚き連発の2時間でした。いっしょに考え、笑って、驚いたグループのみんなとは終わるころには仲良しになってました。名刺交換したり、メールアドレスを交換したりして残るかたもいました。先生のお話だけでなく、横ともつながれた素晴らしい授業でした。

 最後に先生のお話しから引用。
 「ほかの国の人が自分の国のことを知っていたり、ほめたりしてくれたらきっとすごくうれしいですよね。自分の国が嫌いな人はいません。国旗を知ることが意外なところでほかの国の人と仲良くなるきっかけになるかもしれません。」


(ボランティアスタッフ:服部寿美)