シブヤ大学

授業レポート

2010/4/2 UP

恵比寿をぶらぶらエコ散歩

今日は、天気もいいし、散歩でもしようと思うことがあると思います。そんな時みなさんならどういう散歩の楽しみ方をしますか?行ったことのないわき道に入ってみたり、ウィンドーショッピングをしたり、きれいな自然があるところをめぐったりとさまざまな楽しみ方があると思います。

今回の授業は、恵比寿在住37年の新谷比佐さんと、 “遊びながらエコ”をテーマに活動するGood Day深沢和明さんの案内の下、街をキレイにしながら、恵比寿の日常を散策しようという企画!

線路を見渡せる眺めのいい教室で、お茶を飲みながら、まずは自己紹介。先生、生徒、Good Dayとシブ大スタッフのそれぞれが、恵比寿との関わり、思いや関心などあるようです。地元の方の案内となると普段は気付かない新しい恵比寿が見えてくるのでは、と生徒さん達も期待が膨らみます。一通りみんなの顔が見えたところで、恵比寿の街へ。Good Day深沢さんから説明を受け、トングやごみ袋を片手に、ぶらぶらエコ散歩のスタートです。

さっそくとはいえ、やはり恵比寿駅の近辺にはゴミが散乱!ちょっと散歩どころではないかもと思いながら下を向き、歩いていると、比佐さんのお話しが。ふと目を向けると、コンクリートの隙間からレトロな石畳の坂道。何気なく歩いていると見逃してしまいがちです。そして、大きな通りから、路地へと入って行きます。ここは、景丘エリアと言って、住宅街。さっきまで騒がしかった場所からほんのちょっと歩いただけで、雰囲気ががらりと変わります。この辺りもともと丘だったということで、坂がいたるところに見られます。そんな細い道の脇に、小さく区画された畑がありました。ここは、渋谷区の菜園でシブヤ大学の「taneゼミ」が利用している場所でもあります。こんな恵比寿の都会の住宅街でも野菜が育っていると思うと不思議な感覚です。春といえば…そう「さくら」!!恵比寿にも隠れスポットがあるんです!加計塚小学校の裏手に出る急な階段を登って上を見上げると大きな桜の木。まだ蕾でしたが、白い階段と桜がマッチして、すごく画になるスポットです。

さらに進んでガーデンプレイスの近くを通ります。やっぱり恵比寿といえばビールです!!シブヤ大学・恵比寿キャンパスの吉田さん(恵比寿ガーデンプレイス勤務)から、エビスビールについてのうんちくについても教えていただきました。ビール工場を恵比寿に作った理由の一つには、立地が関係しているとのこと。ポイントは、「丘」です。その昔、丘はビールを貯蔵するには、地下に低温で貯蔵することが容易なために最適な場所だそうです。さらに、加計塚小学校の前のサッポロビールの敷地内にある奇妙な形をしたオブジェ?…いえいえこれが、風向きによって方向を変える、カブトエントツ。当時最先端の煙突だったそうです。以前は風にのってビールのホップのかおりと甘いカルピスのかおりが街中に漂っていたそうです。それでは、散歩に戻ります。ビール坂、通称グルメストリートと呼ばれる通りには、今回授業コーディネーターの横山さんおすすめ、ヤオサクがあります。このヤオサクさん、鮮やかなネオンを掲げる外観からは想像がつきませんが、明治43年創業、つまり今年で100年目を迎える歴史ある八百屋です。この辺りで初めて洋野菜を取り扱ったそう。大通りに出て、渋谷川の方へと向かいます。すると、今度は、とあるビル(恵比寿スクエア)の屋上の話題です。この上では、1万匹の蜜蜂が養蜂されているとの事。行動範囲が2キロ以内とされる蜂が住めるということは、恵比寿にも自然があるということです。確かに畑はあるし、ガーデンプレイスもある。恵比寿にはたくさんオアシスが隠れているのです。たこ公園の近くに行くと、地域ネコが話題に上りました。近所の方で面倒をみる、これもコミュニケーションの一環だなと感じます。この他にも恵比寿には、地域ネコのいる場所がありました。

木漏れ日の中の散歩も終盤、恵比寿横丁という屋台風の飲み屋街を通っていきます。魚屋さんなどもある横丁には、夕方は、買い物かごを下げたお母さん達。夜になると、仕事帰りのサラリーマンが集う場所。お散歩の最後は、恵比寿ストアと呼ばれる商店街(雰囲気は上野に近い)へ。今回立ち寄った、奄美の特産品を販売する「なちかしゃ屋(懐かしいという意)」さんでは、喜界島の黒砂糖を使った手作りの蒸しパンを試食させていただきました!ほんのり甘みが美味しかった。この恵比寿ストアには、戦後間もなくしてこのストアがオープンしたと同時に、お店を開いたという履物屋「いずみや」さんが健在。92歳のおばあさんが今も変わらず営んでいます。昔は子供たちが、ここのおばあちゃん、おじいちゃんによく面倒を見てもらっていたそうです。

散歩を満喫し、ゴール!話を聞きながらの一時間程度の散歩でしたが、ゴミ袋の量は、意外と多い4袋となりました。疲れた後は、教室に戻り、散歩途中でみかけた「ひいらぎ」の鯛焼き&地元のおせんべいをほおばりながら、感想タイム。「新しいものと古いものが入り混じった街。」「桜など自然を感じられた。」「地域に根ざした街。」など色々みなさん感じられたようです。でも一番は、みなさん口を揃え、今までの恵比寿のイメージ全く違って、もっともっと深く恵比寿を知りたいと思ったようです。また、今回Good Day側から参加してくれたカメラマンは、「いつものゴミ拾いとは違い、下ばかりでなく上を向いている写真が取れました」と、嬉しい一言も。

「恵比寿の街は、これだけでは回りきれない」という比佐さん。第2、3弾と、エリア、ルートを代えた授業が期待されます。

(ボランティアスタッフ 長谷部 雄一)