シブヤ大学

授業レポート

2010/2/15 UP

モノから考えるエコ ~ぼくたちが出したごみの行方~

【オモエコ学科】
2010年1月16日(土)12:30~14:30、原宿のKDDIデザイニングスタジオで、solamido・エイジアエンジニア・シブヤ大学のコラボレーションイベント「オモエコ学科」の第4回目の体験型授業「モノから考えるエコ ~ぼくたちが出したごみの行方~」が開催されました。

私たちが何気なく出すごみは、どんな運命をたどるのでしょうか。授業では、廃棄後のごみがどういった処理をされるのかについて、渋谷区清掃リサイクル部の村山英樹さんから教えてもらいました。また、ワークショップでは、私たちがモノをごみにしないために出来ることを学びました。

1.ごみの種類
一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。今回の授業は、私たちの家庭からでるごみということで、一般廃棄物のお話しです。一般廃棄物は、さらに家庭系一般廃棄物(家庭かでるごみ)と事業系一般廃棄物(事業者が出すごみ)に分けられます。

2.ごみの収集
渋谷区では、何種類ものごみ収集車を使って効率的にごみを収集しています。特に狭い路地などは、小さな収集車でごみを集めています。

3.ごみの処理(中間処理)
収集車で清掃工場に搬入されたごみは、バンカというところに集められます。バンカのサイズは大きなプールを想像してください。集められたごみは、材質、サイズなどが様々ですので、効率良く焼却するために、巨大なごみクレーンによってかき混ぜます(一部の清掃工場は、ごみクレーンを手動で操作しています。それには洗練された技術が必要!)。

かき混ぜられて、均一化されたごみは、焼却炉に投入されます。授業の中では、流動床式ごみ焼却炉というものがビデオで紹介されました。その焼却炉は、なんと高温の砂を空中で動かし、そこにごみを投入して焼却するそうです。焼却したごみは、焼却灰やスラグ(砂状)になります。ごみを焼却することによりその体積を減らします(体積は0(ゼロ)にはなりません)。

4.ごみの処分(最終処分)
ごみが焼却灰やスラグになると、最終処分の行程に移ります。最終処分といっても、このごみたちが消えてなくなるわけではありません。それらは、主に海を埋め立てて処分されるのです。23区のごみは、東京湾に運ばれますが、その処分場として海を埋め続けた結果、東京湾には新しく埋め立てる場所がもうすぐなくなります。ここで重要なのは、ごみは燃やしても、0(ゼロ)にはならないということです。焼却灰などは、海や山を埋め立てたりして、私たちからは見えないところに運ばれますが、私たちがこのままごみを出し続けると、いずれ近い将来、ごみを処分する場所がなくなります。

5.ごみは出した時、ごみになる。
3R(Reduce: リデュース:減らす; Reuse: リユース:繰り返し使う; Recycle:
リサイクル)でごみを減らすには?私たちがモノをごみにしないために出来ることは何かを考えるためのワークショップが行われました。授業に出席したみなさんで、ぬいぐるみ、靴、洋服、マニキュア、スプレー缶、鉢植え等のいらなくなった「ごみ」候補をどうやってごみにしないで済むのかアイディアを出し合いました。ワークショップではたくさんのアイディアが飛び出し、ごみになりそうだったモノが再びモノとして使われることになりました。ワークショップの最後には、ごみとなったものを正しく捨てる方法も学びました。


(ボランティアスタッフ 又吉 祐子)