シブヤ大学

授業レポート

2010/1/14 UP

いま本当に必要な仕事ってなんだろう?

個人的な話ですが、2009年は、自分の仕事について考え、人に話す機会がとにかく多かった一年でした。
そんな一年の最後の授業で、あらためて自分の仕事について考え、人に話すという、この一年を復習するような気持ちで臨みました。

<授業の流れ>
授業の流れは以下にようになります。
多くは3名1組になり、自分の話をする、そして、人の話を聴く、という濃密な4時間30分を過ごしました。
13:30 オリエンテーション
13:45 ワールドカフェmini(1)
14:05 ワールドカフェmini(2)
14:25 ワールドカフェmini(3)
※テーマは、「いま本当に必要な仕事ってなんだろう?」。ワールドカフェについてご存知ない方は、ぜひ調べてみてください。miniと付いているのは、人数が3名1組であることと、時間が1回20分であることからです。
休憩
15:05 上田さんからの話+話に対して3名で話し合う
15:50 多木さんからの話+話に対して3名で話し合う
16:35 西村さんからの話+話に対して3名で話し合う
休憩
17:30 最初の3名で、今日の振り返り


■主語は誰?
ワールドカフェminiの前半で私がいたグループで展開された主な内容は、「いま本当に必要な仕事ってなんだろう?」の主語とは?です。
私自身は、仕事について話をするときに、自分の主語を抜きにはなかなか語れないな、と最近感じているので、「いま“自分にとって”本当に必要な仕事ってなんだろう?」というテーマで話をしていました。
ただ、同じグループにいた方は、漠然とした話すぎて何も話せないとのことでした。それは、どうやら「いま“社会や世界にとって”本当に必要な仕事ってなんだろう?」というテーマで考えていたそうです。
先にお断りをしておきますが、どちらが正しくて、どちらが間違っている、ということではありません。どちらとでも受け取れるような問いであり、自分の身近なところから自分の仕事について考えていた自分にとっては、ちょっと新鮮な視点でした。

■本当に必要な仕事
ワールドカフェminiの後半で私がいたグループで展開された主な内容は、「本当に必要な仕事」の本当?とはです。
私は、自分自身がいてもたってもいられないくらいやりたいと思える仕事で、自分以外の誰かも必要としてくれる仕事は、本当に必要な仕事と言えるのではないかと話をしました。
しかし、同じグループにいた方は、自分自身がいてもたってもいられないくらいの仕事とはなかなか出会えない、それを仕事にすることは難しい、という主旨のことを話していました。たしかに難しいといってしまえば、それで終わってしまうことなのですが、それでも本当に必要ならば、それが既存の会社の採用情報にはない仕事であっても、自分の仕事として仕事をつくるぐらいの気持ちであってもいいのかなと、あらためて自分にも言い聞かせていました。

■自分と社会の間で揺れる
西村さんからの話で一番印象的だったのは、自分の課題と社会の課題の中で揺れること、それが仕事というニュアンスの話をされていたことです。
自分の課題だけにより過ぎてしまうと、独りよがりな考え方によってしまう可能性があります。一方で社会の課題だけにより過ぎてしまうと、社会問題を解決することが一番になってしまい、自分が仕事の中から抜け落ちてしまう可能性があるという主旨のことです。
最近自分の考え方が凝り固まりかけていたので、もう少し揺れることの重要性をあらためて考えさせられました。


自分にとっては2009年の復習的な意味合いで臨みました、と冒頭に書きましたが、そういう意味では、あらためて初めて会った人に自分の仕事に対する現時点での考え方が話せたのは良い時間になりました。
ただ、自分の仕事は2009年で区切られるものではなく、2010年もそれ以降も続き、そして、悩み、考え、揺れる(西村さんの言葉を借りました)ものなのかもしれません。ですので、今回、先生や参加者などさまざまな人の話を聞けたことで、自分の中に一つの答えのようにしていた現時点での考え方をまた、あらためて見つめ、考え直してみようかなと思っています。


(ボランティアスタッフ:堀田顕人)