シブヤ大学

授業レポート

2009/4/30 UP

借金大国・日本。年金問題など、従来型のオカネの仕組みがうまくいってないかも!?と感じる昨今。「わかりたいけど、難しい」、「ちょっととっつきにくい」、そんな難しいトピックについて、在野(ざいや)の経済研究者として、世界経済危機を2008年9月より前の4月に、著書『お金崩壊』で予想していた青木秀和さんを先生に迎え、「世界金融危機がなぜ起きたの?」「これからどうなるの?」「そもそもお金は、どこから生まれたの?」などを伺いました。

まずは、青木先生のほうから生徒さんへなぜこの授業に興味を持ったかという質問が投げかけられました。回答数は、以下のとおりで、ショッキングな授業タイトルや、そもそも「お金」ってなに!?というようなベーシックな部分に興味をもたれていたようでした。(青木さんの名前:3人前後、タイトルの「お金、「崩壊」。」:15人前後、サブタイトルの「日本3度目の破産へ」:1人、自分の貯金がなくなる!?こまるぞ!と思ったから:5人前後、授業内容紹介より:15人前後)

授業の序章として、青木先生の話についていくために、「会計」の初歩、バランスシートなどについて
簡単にお勉強。

第一講として、「お金」はどこから来るのか、についてお話を伺いました。イギリスやフランス、アメリカなどの政府銀行や国債の始まりなどを学び、「お金」の仕組みについて駆け足で学びました。

第二議は、「『金利』はどうしたら払えるか」というトピックについて、紙芝居にて物語を紹介。(物語はこちら

最終講は、「『お金』の未来」についてのお話を伺いました。現在、私たちが直面している困難は、お金の作られ方(中央銀行システム)の行き詰まり、石油の枯渇(ピーク・オイル)、捨て場の枯渇、(現在の金融システムによる)絶対的な貧困。この困難を一挙に解決するアイデアが必要。

従来型の経済システムを維持しながら、こんな課題を一挙に解決するには非常に難しいのが正直なところ。しかし、第一項で学んだ過去のイギリスやフランスなどの国々が経験した崩壊劇を繰り返さないために、世界が借金に押しつぶされる前に、今必要なのは、すでに存在している「お金」と資本を生かす「お金の見識(リテラシー)」を持つこと。そして、青木先生は、これからの経済は「費用節約」型から、これからの経済は「動力(エネルギー)節約」型社会へと変革が必要とされていることをお話されました。

毎日使っているにもかかわらずあまりに理解されていない「お金」やそれを取り巻くシステム。まずは、一人一人がお金の見識を得て、銀行や金融のわかりにくい(本来あまり一般人にわかられたくない)システムを理解することからが、崩壊劇を免れるスタートなのかな!?と思った授業でした。

(ボランティアスタッフ 山口 由季子)