シブヤ大学

授業レポート

2008/5/9 UP

   

シブヤ西武内にヒッソリとある「メンズサロン」。

暖かい配色の、10名入れるかどうか、そんな隠れ部屋にて、同百貨店の名物メンズパーソナルコーディネーター・鎌田 泰夫氏にオトコの必須アイテム、「スーツのイロハ」を教えていただきました。

たとえば、スーツの形、シャツの色・形、ネクタイの色の合わせ方。趣向がブルックスブラザーズに代表されるような「トラディショナル」ならば、基本は「カラーONカラー」。ボタンダウンの薄青シャツに、赤のストライプタイをウィンザーノットであわせる。反対に、ヨウジヤマモトに代表されるような「アドバンスド」なら、色の種類は抑える「トーンONトーン」。やわらかい素材のシャツに、同じ系統の色のタイをセミノットであわせる。

先生のお話は驚きの連続で、今までスーツを着たときに「なんか違うな」と理由は分からないがなんとなく腑に落ちない、その理由が授業に進むにつれて明らかに。「スーツの基本」を先生は、さすが芸能人も御用達というパーソナルコーディネイター、やさしい語り口調で、わかりやすく、教えてくださいました。

いつもの調子で(?)シブヤ西武館にあるアイテムを選りすぐって持ってきてくれた先生、しかしそのお値段がさすがに若干高め。例えばスーツは40万。靴は60万。

ヒー。そんなもの(今は)とてもじゃないけど買えません!!

せ、先生。ラグジュアリーなアイテムを買えない僕にでもスーツ姿が一気に生えるコツとかあるんでしょうか。

「まず、バッグと、ソックスと、靴とベルトの色は揃えて下さい。ベルトと靴は絶対です。そして、身に着けている物のクオリティーは同じくらいに設定してください。」

他にも細かいところだと、色使いは2色まで、とか、素材の質感を合わせる、とか、体系と柄(太目はストライプ、細身はボーダー)を合わせる、など、予定時間を大幅にオーバーしたのにもかかわらず生徒さんの質問に分かりやすく答えていただきました。

しかし、40万円のスーツって、そんなに価値があるの…?

その点も、しっかり教えていただきました。例えば「ブリオーニ」のスーツ。安物だと仕立てるときにパターンを貼り付けるだけの部分に、職人さんが、一針一針、少なくとも数百回、ひとつのスーツに対して丁寧に作業していく。早くてもひとつ仕上げるのに半日か一日かかってしまう…。なるほど、それなら40万でも安いくらいかもしれません。

ちょっと触っただけで、いや、遠巻きから見ただけでも「裁縫も質も桁違い」のスーツ。そしてそれを見事なまでに着てしまう先生。靴から小物からネクタイまで、その隙のない着こなしは、今更ながら、さすがです。

「スーツ選びは生活指向、指向価値の個人表現。自分がどう見られたいかでテイストを選びましょう。」

先生、とても価値のある授業、どうもありがとうございました。

(ボランティアスタッフ 望月崇)