シブヤ大学

授業レポート

2008/2/6 UP

想いの深さ。

なんだかんだで今年最後の授業になりました。

今回のCC学科の授業は・・・
おしゃれな人が多い、おしゃれな街。代官山にあるヒルサイドウエストで行われました!先生は、アートディレクターの佐藤可士和さん率いるプロジェクトチーム「SAMURAI」のマネージャー、佐藤悦子先生です!!

授業前に会場入りされた瞬間、女子スタッフはヒソヒソと「きれいだね~」ってため息交じりでした。ほんとステキ。キラキラっていう言葉が似合う女のヒトだな。と思いました。
そのキラキラの訳は??それは授業で明かされます。

【サムライの盾?悦子先生のお仕事。】
悦子先生には一貫して
“クリエーターには作る時間を最大限に使って、最大限のパフォーマンスをして欲しい!”
という信念があるそうです。
そのため、お客さまとクリエーターが直接会って話をすることが恒なのに対して、SAMURAIでは、仕事の依頼を受けた場合にはまず悦子先生が全て対応しているとのこと。そこではスケジュールのことや、広告業界の商習慣として後回しになりがちなお金のこと、といった条件をクリアにしてプロジェクト誕生までの段取りを行っているそうです。

商習慣というのはその中にいると当たり前でも、他から見ると有り得ない!ということがたくさんありそうでした。先生は過去に化粧品会社に在籍経験があったので、広告業界特有の商習慣を分かった上で今の仕事に生かしているそうです。

またお客様の対応に関しても「お受けする仕事も、お断りする仕事も、私が話します。」とのこと。なぜなら、クリエーターが直接に受ける断るの話をすると、相手によっては心証悪くするので「お仕事を断ったことによって、クリエーターのイメージが悪くなるのは絶対NGなんです。」と。

・・・かっこいい!!ますますステキです!
クリエーターが仕事に打ち込める環境を守る、という姿勢が話の端々から垣間見えてきました。

【何を言うかより、いつ言うか】
悦子先生にも、「この仕事は是非やって欲しい」っていうお仕事があるそう。
そういう時こそ可士和さんへの相談は慎重に進めるそうです。
先生曰く、いかにスタッフが集中できる空間を作るかを大切にしているので、話かけるタイミングはすごく重要のようです。
・・・確かに波に乗ってる時に集中を切られると「あぁもういいとこだったのに!」ってなっちゃいますよね。

【番外編/箭内さんの名言】
授業には、シブヤ大学CC学科のプロデューサーでもある、クリエイティブディレクターの箭内さんが悦子先生の授業を後ろのほうで見ていたようで、シメの時間になるとお呼びがかかりました!
そこで悦子先生が箭内さんの言葉で印象に残った話をしてくださいました。
それは一緒の広告会社に勤めていた時のこと。

あるお客様に「お金がなくてもいいものを作るのが仕事でしょ?」と言われた時に、
「お金があっていいものを作るのがプロ。お金がなくていいものを作るっていうのは存在しない。」と箭内さんは発言したことだそうです。
予算がいくらで効果がどれだけあったか、で判断されるシビアな世界で「いいもの」を作るにはそれなりにお金が必要のようです。「いいもの」=「商品が売れる広告」だと、やっぱりそれなりの費用はかかるってことでしょうか。

【箭内さんのアドリブ名言】
シメにはこんな名言が飛び出しました。

「このお客さんと作り手の間に立つっていう新しいやり方がなかったら、可士和さんはある程度はすごくなったと思うけど、今のように最大限にすごくはなってないと思う。」

とのこと。
SAMURAIがこんなにも注目されるのは、悦子さんの努力のたまものなのか!と気付きました。
そんな悦子さんのモチベーションは、良い職場環境を作ることでクリエーターのパフォーマンスが上がり、その結果“世の中に新しい価値を提示する”という仕事が出来上がる、その一端を担えることだそうです。

先生のお話を聞いていると、単なるマネージメントとして支えるというより、SAMURAIのクリエーターが安心して突っ走れる道を作るっていうイメージがしっくりきました。ある意味先頭に立っている方なんだな、と感じました。

そして今回は特別に、授業終了後に物販ブースにて悦子先生の本を販売していました。これが部数限定でサインつき!!!!すぐにでも並んで一言二言お話をしたかったのですが、自分はスタッフだから後で後で、、、と気持ちを抑えているうちに即完売!!結局、後日探して買ったのですが、熱いお話を聞いた後に一気に本を読破するっていう週末もいいなぁと思いました。

(ボランティアスタッフ 山田有希)