シブヤ大学

授業レポート

2023/12/25 UP

【ブックイベント選書会】
悩む人と本好きさんとのアナログエンカウンター

この講座は神奈川大学社会教育課程の学生チームとシブヤ大学さんとの合同企画です。当日は私たち学生チームがシブヤ大学さんと講師の方のサポートを受けながら運営を行いました。

講師には、2021年にシェア型書店のマネージャーに就任し、ブックイベント「選書会」や本好きの居場所「HONKE」を立ち上げるなどの幅広い活動をしていらっしゃる村松一伸さんをお呼びしました。

当日まで、学生チーム、村松さん、シブヤ大学スタッフの方々で何度も打ち合わせを行い、準備を進めてきました。それぞれ役割分担をし、何度も話し合いを重ねながら約3か月間の準備期間を過ごしました。

そして迎えた当日、まずブックセラピーなどの概要説明と、村松さんの紹介とお話、そしてアイスブレイクとして参加者の方々には自己紹介を行っていただきました。

その後はルール説明をしたのち、いよいよ選書会に入りました。選書会とは、ある悩みを解決する本をみんなで持ち寄って紹介をし合い、本の力によってその悩みを解決するお手伝いをする会です。今回は私たち神奈川大学社会教育課程の学生チームの一人が実際に抱えている悩みを提示し、その悩みに寄り添った本を参加者の皆さんに持ってきていただきました。

今回は7名のセラピスト(本の紹介者)の方々が参加してくださり、それぞれ素敵な本を処方していただきました。

選書会を始める前のアイスブレイク。
参加者の皆さんは参加されたきっかけについて
「本を処方するってどういうことなんだろうって思って」
「昔の自分と相談者の悩みが重なっていたから」
「本屋に行くのが好きだったので」 など、一人ひとりが異なる場所に興味を持たれていました。

そして緊張の選書会。
参加者も運営側も皆さん緊張しており、硬い雰囲気のままスタートするかと思いきや、さすが本好きの方々。それぞれの紹介する本や本を読む媒体にばらつきがあり、興味深さから飛び交う質問でたくさん。

《ブックセラピスト》となった参加者の皆さんの過去や本を紹介するにあたっての背景などの説明を受けた本たちは、理系の本だったり、物語だったり、古典文学だったり、最近の本だったり。一つひとつに他の本と被らない個性があり、それが伝えたいものも異なっていました。また、ブックセラピストが込めた思いや感じて欲しいことが、登壇した悩みを持つ人だけでなく、ほかのセラピストの過去や身近な人に当てはめたりして、自身が処方される側の立場になって紹介を聞くこともでき、柔らかい雰囲気で無事終了することができました。

実際に選書会での処方を受けて、様々な本を紹介していただけたのでいろいろな考えが浮かび上がり、その本たちを深く読んで少しでも悩みの解決に繋げることができると良いと感じました。


選書会の参加者の方の中には、自分も同じ悩みを持っているので参加したという方がおり、参加後アンケートで「今回の選書会で救われたので参加してよかった。」という旨のご意見をいただくことができたので、選書会を開催することができて本当によかったと感じました。また、本を人に紹介する場に元々興味があって参加してくださったもいらっしゃり、悩みを持つ学生に寄り添って選書をすることが楽しかったとという声をいただくことが出来ました。参加者の皆さんが本好きの方だったため、「様々なジャンルから本の紹介があって面白かった」という声を多く頂きました。神奈川大学の生徒も1人参加し7名で選書会を行いましたが、誰1人意見が被ることなく、様々な視点から悩みに寄り添っていたため、とても興味深い選書会となりました。また、授業後に参加者同士のアフタートークの時間を設け、参加者さん同士でコミュニケーションを取る時間があったのですが、気になった本のあらすじや、紹介して下さった方に個人的に話を聞ける時間がよかったと声をいただくことができました。最後には今回の講師をして下さった松村先生や参加者の方々に「次回も開催しましょう」と言って頂けたので、良い授業だったのではないかと感じました。

選書会はオンラインでの開催が基本とされていて、今回共同で授業を計画してくださった村松さんによると、対面での開催は初ということだったので、これを機に対面での選書会開催が増えていくと良いと考えます。

実際、対面だと話し手の感情や話すときの間の開け方などがわかりやすい点があるのと、本の実物があるので手に取ってあらすじを軽く読むことができる点が素晴らしいと実際に体験して感じることができました。 今回貴重な経験をさせていただいたこと、授業に参加していただいたこと、今回関わってくださった方全員に感謝しています。本当にありがとうございました。

レポート (まどか、ひなた、りほ、きょうすけ、りょうた)