シブヤ大学

授業レポート

2023/1/10 UP

「書く」ことで1年を振り返る〜ジャーナリングを学ぶ〜

シブヤ大学のジャーナリングの授業は今年2回目です。前回の7月16日から約5ヶ月、2022年もまもなく終わろうとしています。そんな寒い師走の朝、恵比寿社会教育館でジャーナリングの授業が始まりました。

1年を振り返る、というと頭の中で記憶を辿るようなことをイメージする方も多いかもしれません。ですが、今日は紙の上で1年を振り返ります。

ジャーナリングとは、自分の心の中にある思いや考え、その時々の気持ちを紙の上に書き出していくことです。誰かに見せる必要はありません。あくまで「自分のために書く」ことで、自分の状態を把握したり、悩みを俯瞰して気持ちを整理することができます。

最初は、ジャーナリングそのものがどういったものなのかを実感するため、「あなたが感謝している人・もの・こと」というテーマでジャーナリングを行いました。3分間という限られた時間の中で、頭に浮かんだ人・もの・ことを紙の上に書き下していきます。単語で出てくる人もいれば、文章で出てくる人もいます。どのような形で書き下されたとしても、日頃心の中でぼんやりと思っていたことや、無意識のうちにフォーカスしていたことが可視化され、心の中が整理されてくるのを皆さん実感されたのではないでしょうか。

続いて、今回の授業の主題にもなっている、「1年を振り返る」ジャーナリングに進みます。

「来年2023年に持っていきたいものは?/今年2022年に置いていきたいものは?」「2022年をどう記憶しておきたい?/自分の人生の年表の2022年に名前をつけるとしたら?」という問いの中から、自分の好きなものを選んで8分間で書いていきます。

書き出した後のグループごとの共有タイムでは、「今年あった人との出会い」「芽が形になってきたという実感」を来年へ持っていきたいという人もいれば、「どうしても抱いてしまうモヤモヤ」「過去の成功体験、執着」を今年に置いていきたいという人もいました。ジャーナリングは一人でも完結できるものですが、他の人とシェアすることことで、自分にとっての当たり前が他の人にとっては違うことに気づき、自分のことを知れるきっかけになります。またそれによって、自分そのものを大切にする、自分が持っているものを大事にすることにつながると、恵先生は言います。

ジャーナリングには、気分のリフレッシュはもとより、免疫力を上げてくれる効果があるという研究結果もあるそうです。環境の変わる節目の時期にはやはり心の中で抱えるものが多くなり、書き出す量も多くなる傾向があるとのこと。自分が悩んだ時に、気持ちを軽くして前に進むためのメソッドとしてジャーナリングという手を持っていると良いかもしれません。

街中が慌ただしい雰囲気に包まれる師走の束の間、それぞれの2022年が紙の上に浮かんでいたのでした。
(レポート:イノウエハジメ)