シブヤ大学

授業レポート

2021/2/11 UP

「好き」とは、〇〇!?

先生が大好きな「お米」の話を通じて、参加者自身の「好き」を追求するこの授業は、気持ち良い冬晴れの日曜日に、ゆったりと座談会形式で行われました。
このレポートも、先生や学生の皆さんの発言をなるべくそのままに、当日の雰囲気をお伝えします。


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和室で輪になって行なった今回の授業は、先生(以下桃子さん)の自己紹介から始まりました。
アメリカで生まれ育った中村桃子さんは、RICE GIRLという肩書きでお米の良さを広げる活動をされています。日本に帰って来て名刺を作る際に肩書きが必要になり、自分の「ゆるキャラ」を考えるように「RICE GIRL」と名乗ったのがきっかけです。
桃子さんのRICE GIRLと名乗るまでのお話を聞いて、参加者の皆さんにも自分の「ゆるキャラ(肩書き)」を作ってもらい、それを元に自己紹介を行います。

「ライフスタイル追求家」「カフェガール」「楽学人」
「自称アーティスト」「ジャスミン」「いいね!が口癖」
などなど、個性的な「ゆるキャラ」が揃いました。

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早速、桃子さんの「好き」のお話に入ります。
桃子さんは、お米を通じて「好き」を教えてもらったと言います。
海外で生まれ育った桃子さんにとって、故郷である日本との接点のひとつがお母さんの炊いてくれるお米であり、いつからかお米を探求したいと思うようになります。
日本に帰国した桃子さんがまずやりたかったのは、一番美味しいお米を探すこと。しかし、たどり着いたのは、「選ぶことができない」という事実でした。お米には500ほどの品種があり、さらに食感、生産者、生産地などを組み合わせると数え切れないほどの種類があることに気付きます。
また、日本人がいつも食べているお米についてあまり考えていないことにも驚いたそうです。そこで桃子さんが取り組んだのが、四季に合わせてお米の品種を選ぶこと。
「買う」という行為は、自分で1つのものを選んで投票することであると桃子さんは言います。暦に合わせて色々な品種をブレンドした季節の玄米ブレンドを四季に合わせて購入できる取り組みを作ることで、お米の奥深さを日本人に感じてもらう活動をされています。

桃子さんの「好き」のお話を聞いたあとは、参加者の皆さんそれぞれで自分の好きなモノ・ヒト・コトを書き出してもらいます。

皆さんの「好き」が出揃ったところで、次は桃子さんがお米に行き着くまでのお話です。

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桃子さんは、アメリカで暮らす中で、幼少期から幾度となく「あなたは何にパッションを感じるか?」と質問されることがあり、その度に「自分にはそんなに情熱を持てるものがない・・・」と返答に困ったと言います。
感情表現が豊かで、自分を強くアピールをしなければならないアメリカを自分の居場所とはなかなか思えなかった桃子さんにとって、故郷である日本とのつながりを感じられたのが、「メディアと食べ物」でした。
録画して送ってもらった日本のドラマやバラエティー番組、そして毎日の食卓で食べる和食。自分が大好きだったこの2つをもとに、料理番組のプロデュースすることを決意します。日本のテレビにあるような、エンターテインメント性のある料理番組をアメリカでやりたいという思いで、「料理の鉄人」のアメリカ版を作るプロデュースチームで数年間働きます。

この仕事を通して、自分が「食を伝えること」が好きだと気付き、さらに今では、「日本人にこそ和食の良さを伝えたい」と思っているそうです。

桃子さんにとって「好き」とは、「好奇心」。
自分の中から生まれるちょっとした声や興味に自分で気付いてあげること、そしてその興味を追求することで、ここまで来たと言います。「好奇心」とは、「好きという奇跡を心する」ことだと思うんです、という桃子の言葉が印象的でした。

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最後に、参加者それぞれが自分の好きなモノ・ヒト・コトの中から1つを選んで、それを好きになったきっかけと、自分の「好き」の感情を表すキーワードを発表してもらいます。

好きなコト:スキューバダイビング
昔から泳ぐのが好きだった。海の中の神秘的な生物にハマった。海の中に潜るとリフレッシュされる。
「好き」とは、「人生のその時その時で欠かせないこと」

好きなヒト:旅先で出会う嘘のない笑顔をくれるヒト
初めての場所は不安だけど、私自身が笑顔でいると、それに応えてくれるヒトがいる。旅に行くと自分が良い人間になれる。
「好き」とは、「幸せ」「心と体が喜ぶこと」

好きなコト:街歩き
観光というよりも、とにかく歩くこと。風景を楽しみ、なるべくスマホも持たずに、道に迷ったらその辺のヒトに聞く。
「好き」とは、「共感」

好きなコト:家事
断捨離して300キロくらい捨てたことがある。そこから部屋の掃除を毎日するようになった。そこから家事が好きになった。
「好き」とは、「あたたかくて心地よくてやさしい気持ちになれること」

好きなコト:家事・自炊
自分で自分の生活を作り上げることができる喜びがある。家事は自分を大事にすること、自炊は自分の健康も作っていくもの。
「好き」とは、「世界を広げる、ワクワクするもの」

好きなコト:山登り
子供ができるまではインドア派だったが、富士山には一度は登りたいと思って、富士山に登ったらハマった。自分の脈の音が聞こえ、生きている感じがする。足の裏の感覚も、葉の上、石の上の感触もあり、五感を感じる。
「好き」とは、「ワクワク」

好きなモノ:ラーメン
子供の頃からずっと好きで、仕事疲れや旅先で食べるラーメンは嬉しい。これからも必要な食べ物。
「好き」とは、「新しいものに出会うこと」

好きなコト:カフェ巡り
もともと好きでも嫌いでもなかったが、一人暮らしをして隣の人がうるさかったので逃げ場として行ったら落ち着くので好きになった。静かなカフェが好き。自分が好きなカフェには同じような思考を持った人が来るので、居心地が良い。お客さんの話が少し聞こえたりするので、新しい情報が得られる。
「好き」とは、「リラックス」

好きなモノ:Netflix
とりあえず観てみようと思ったらハマってしまった。何かに詳しくなりたい気持ちが大きかった。
「好き」とは、「知的好奇心」「何も知らないこの世界でなにかを知るということ」

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桃子さんや参加者の皆さんの、好きなものを話しているときのわくわくした顔がとても印象的でした。「好き」の気持ちと向き合うことで、自分のことをもっと知れるような、そんな時間だったように思います。


(授業レポート:宮村礼子)