シブヤ大学

授業レポート

2020/7/13 UP

【オンライン開催】
複数の居場所をつくること-兼業フットボーラーという生き方-

複数の活動場所を持つことで、どんな魅力、やりがい、苦労、葛藤があるのか?
仕事やライフスタイルの作り方が変わってくるのではないか?

シブヤを中心に活動している「TOKYO CITY F.C.」の方と一緒に考え、
自分の中で腑に落ちる答えを見つける授業がスタートです。
TOKYO CITY F.Cの概要やトークセッションを中心にレポートします。


1-TOKYO CITY F.Cとは

渋谷を中心に活動するサッカーチーム。サッカーを通じての出会いを広げていくため、サッカーを活用したイベントを開催したり、渋谷の街に対する地域活動も行う。また兼業をしながら活動に関わる「兼業フットボーラー」としてのあり方を歓迎し、様々な関わり方ができることもチームの特徴である。目指すは、「ワクワクし続ける渋谷をフットボールで」。
兼業フットボーラーとして活動する意義とは社会人になってからでも「利害関係のない人」と出会えること、とお話しされていました。


2-複数の居場所を深めることについて

――仕事でもなく、趣味でもなく、なんとなく活動してみたいという人もいると思うが
  兼業をしようとしたきっかけなど教えてほしい。

〇今までサッカーをしてきたので、生活の中にサッカーが無いのがあまり考えられない。自然とサッカーをするという流れができた。その中で、複数やっているとどちらとも言い訳にしてはいけない。仕事の時に、「サッカーで疲れた」と言うことや早く帰るときもサッカーを言い訳にしない。仕事のパフィーマンスが落ちた場合、サッカーやっているからなど言われたくないような仕事のやり方、意識をするようにしていた。

〇人生の中でサッカーが軸となっていた。サッカーを通じて恩返しをしたいという思い、モチベーションになって、兼業ができている。

――仕事、本業、兼業というのをどのように考えているのか?

〇仕事が第一、サッカーはあくまでも趣味。ただし、自分の投資として考えている。サッカーを行って仕事に悪影響が出るなら、やらないほうがいいと思っている。ただし、サッカーをやっていることにより人としての幅が広がり、他の人とのトークの材料につながる。

〇本業は一番大事と思いつつ、完全に割り切っているわけではない。TOKYOCITY F.Cは実験の場と考えて、仕事の中で上司を説得できずできなかったことや、スキルを身に着けても生かせる場所がないなど、本業とリンクさせてやりたいことを実践する場として考えている。

――体力的、精神的にきつくても本業と兼業やり続けられるものは何か?

〇やっていて自分に意味のあるものだからやっている。メリットとは言えないが、
サッカーをやり続ける意義がある。

――これから、より複数の居場所を持つこと。一つの組織だけだと不安、チャレンジしてみたいという人は増えてくる。今後はどのような事を考えているか?

〇これまで、本業+TOKYOCITY F.Cを行っているが、もっと複数の居場所を持つことにポジティブに考えている。テクノロジーやアートの分野に興味がある。本業では企画を作る立場なので、フットボールと掛け合わせて複数の居場所を作っていきたい。(スタッフ畑間さん)

〇転職が当たり前、いろいろな生き方をする時代になっている。今自分が最大限できる楽しい事、意味のあることを120%やった後の先に何があるのかを考えている。そうやって生きてきた中で点と点がつながったりもするので、大事なのは今だと思っている。(野村選手)

――最後に伝えたいことは。

〇どの組織にいたとしても、どんな「人」とどんな「事」をすることは、ものすごく大事だと思う。これからTOKYOCITY F.Cでどんどん面白いことを行っていきたい。

3-まとめ

終身雇用が崩壊し、転職が当たり前の時代になった昨今。個人が持っている価値観で組織を跨ぐ、複数の組織に所属し、できることをやってみることが自分自身を高めることにつながると思います。この授業を通じて1つの組織に長くいることで世の中の流れに取り残されるより、様々な人、組織、モノ、コトとクロスすることで、自分に無いものを見つけられるようになるきっかけになったと思います。

(レポート:小林義隆)