授業レポート
2020/6/18 UP
自然のように変化し続ける組織をつくるために
(授業レポート:浜中香織)
山奥で、自給自足をしてみんなで昔ながらの暮らしをする・・・
ということを授業タイトルで想像した方、私も最初はそうでした笑。
今回の授業の先生は
組織において「役職廃止」「給与・財務諸表全て公開」「働く時間・場所は自由」など
管理しないマネジメントを実践してきた、自然(じねん)経営研究会の代表理事でもある武井浩三さん。
自然=豊かな環境、などを意味するのではなく、自然のように変化し続けるという意味で
「自然(じねん)経営」を提唱されています。
何よりも、生命体のような組織はITぬきでは作れないと断言されていたので
テクノロジーを否定する話とは全く違いました。。
初授業・初レポート係として参加させて頂いた私は、
1つの話題から次々に新しい言葉・データ・ものの見方・体験が出てくる武井さんの話に
「頭の中まで自立分散型・・・!」と思わずにいられませんでした。
(多形構造、ともいうそうです)
必死でメモを残して、なかでも強く心に響いた点をレポートにさせて頂ます。
お客さんが幸せで、仲間(同僚)は不幸 それでは意味がない
武井さんが22歳で初めて起業し、挫折したときに感じたこと。大手企業や大学を辞めてまで起業を手伝ってくれた仲間に対しての複雑な思いを抱えているとき、リカルド・セムラーの「奇跡の経営」という本に出会い、自立分散型経営の取り組みを進めていくようになったそうです。
世の中では「会社」のために経営があるけれど、そもそも個人の集合体が組織なのに、組織が個人を殺してしまう(最たるものは過労やうつ病での自殺など)なんて本末転倒。人間はもともとみんな平等で、上司や部下なんてない。仕事を通して、お互いに自己実現をするだけなんだ、と感じているという話には、参加者の方も、沢山うなずいていました。関わるもの全てに貢献することが企業の使命という考えは誰も否定できないのではと私も感じました。
さらには、そもそも日本のシステム(法律)自体に問題があり、労働者(個人)vs資本家(経営者、会社)が前提で法律が考えられているという話には、世の中に対する見方が大きく変えられました。いい会社でいることを一番邪魔するのは「社会」だというお話は、とても大きな気付きでした。
理念とはただの言葉、仕事を続けていくことが究極の目的
私は恥ずかしながらティール組織、という言葉をちょうど1ヶ月前くらいに知った程度の知識でした。でも、10年弱会社で働いて感じた悩みや苦労を考えると、武井さんが提唱されている自然経営に憧れざるを得ませんでした。
情報の「透明性」 力の「流動性」 境界の「開放性」
重要なこの3本柱を具体的にいうと、給与や財務諸表を全て公開にする。役職や肩書きをつくらず、フラットな関係をつくる。副業や起業を推奨する。特に「流動性」ということでいえば、固定化した理念はなく、経営計画も流動的にするということでした。私にとって"会社”の概念ではあり得ないことでしたが、つきつめれば仕事をすることが大切なんだというお話にとても納得できました。会社で働いていればほとんどの人が触れる経営理念とか、なんならノルマとか、そのために仕事をするんじゃないってことですよね。
この10年で世界のあらゆる枠組みが変わる
山奥で、自給自足をしてみんなで昔ながらの暮らしをする・・・
ということを授業タイトルで想像した方、私も最初はそうでした笑。
今回の授業の先生は
組織において「役職廃止」「給与・財務諸表全て公開」「働く時間・場所は自由」など
管理しないマネジメントを実践してきた、自然(じねん)経営研究会の代表理事でもある武井浩三さん。
自然=豊かな環境、などを意味するのではなく、自然のように変化し続けるという意味で
「自然(じねん)経営」を提唱されています。
何よりも、生命体のような組織はITぬきでは作れないと断言されていたので
テクノロジーを否定する話とは全く違いました。。
初授業・初レポート係として参加させて頂いた私は、
1つの話題から次々に新しい言葉・データ・ものの見方・体験が出てくる武井さんの話に
「頭の中まで自立分散型・・・!」と思わずにいられませんでした。
(多形構造、ともいうそうです)
必死でメモを残して、なかでも強く心に響いた点をレポートにさせて頂ます。
お客さんが幸せで、仲間(同僚)は不幸 それでは意味がない
武井さんが22歳で初めて起業し、挫折したときに感じたこと。大手企業や大学を辞めてまで起業を手伝ってくれた仲間に対しての複雑な思いを抱えているとき、リカルド・セムラーの「奇跡の経営」という本に出会い、自立分散型経営の取り組みを進めていくようになったそうです。
世の中では「会社」のために経営があるけれど、そもそも個人の集合体が組織なのに、組織が個人を殺してしまう(最たるものは過労やうつ病での自殺など)なんて本末転倒。人間はもともとみんな平等で、上司や部下なんてない。仕事を通して、お互いに自己実現をするだけなんだ、と感じているという話には、参加者の方も、沢山うなずいていました。関わるもの全てに貢献することが企業の使命という考えは誰も否定できないのではと私も感じました。
さらには、そもそも日本のシステム(法律)自体に問題があり、労働者(個人)vs資本家(経営者、会社)が前提で法律が考えられているという話には、世の中に対する見方が大きく変えられました。いい会社でいることを一番邪魔するのは「社会」だというお話は、とても大きな気付きでした。
理念とはただの言葉、仕事を続けていくことが究極の目的
私は恥ずかしながらティール組織、という言葉をちょうど1ヶ月前くらいに知った程度の知識でした。でも、10年弱会社で働いて感じた悩みや苦労を考えると、武井さんが提唱されている自然経営に憧れざるを得ませんでした。
情報の「透明性」 力の「流動性」 境界の「開放性」
重要なこの3本柱を具体的にいうと、給与や財務諸表を全て公開にする。役職や肩書きをつくらず、フラットな関係をつくる。副業や起業を推奨する。特に「流動性」ということでいえば、固定化した理念はなく、経営計画も流動的にするということでした。私にとって"会社”の概念ではあり得ないことでしたが、つきつめれば仕事をすることが大切なんだというお話にとても納得できました。会社で働いていればほとんどの人が触れる経営理念とか、なんならノルマとか、そのために仕事をするんじゃないってことですよね。
この10年で世界のあらゆる枠組みが変わる
後半のスライドで武井さんがお話してくれたのは、社会のパラダイム変革期がきているということ。
「組織・社会」のための「個」→「個」のための「組織・社会」
という考え方に変わる過渡期で混乱はあるけれど、教育・働き方・起業・政治全てがほぼ同時に変わっていくということでした。
参加者から「自然経営を行っていくには教育根本から自分で考える力、間違えてもいい、正解などないという価値観を養って行った方がいいのでは」というチャットからの意見に対し、武井さんも、その通りで、イエナプランやシュタイナー、サドベリースクールなど様々新しい取り組みがあるが、オルタナティブ(代替)教育じゃない、こっちが主流なんだと応えていました。私もちょうど教育に興味をもち、不登校のこどもや保護者が取り組む学びの豊かさを知って驚いていたところだったので、これから、教育も大きく変わることになるんだと実感しました。
コロナ禍で、自分の価値観や考え方を見直した方も多いと思います。自分の仕事について、もっといい在り方があるのではないかと新しい発見をした方もいるのではないでしょうか。
今を生きる一人一人が、この変革の担い手になれるということですよね。
組織がうまく動かないとき 禁じ手だけど「人をかえる」のもアリ
「会社のチームでメンバーから活発な意見を聞きたくても、結局2人しか発言がないことがあり、他の人も話しやすい環境つくりはどうすればいいと思うか」
参加者からの最後の質問です。
武井さんからは、まずは3本柱を実践したうえで、コンテクスト(例えば職歴、性別など)の違いはあるのでファシリテーションスキルでカバーすることもできる、との応え。
そしてとどめとして、「人をかえる」のお話がありました。質問者も驚いていましたが、組織自体も循環があっていい、自分にあっていない仕事をしている人がうまくいっていないのであれば、そのコストはお客か株主が負担している、という話に私も納得しました。離職率が高い会社が悪いわけではない、辞めやすい環境も大切ということです。生命体のような組織、というのはここも重要なポイントなんですね。
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とてもここに書き切れないほど、沢山の興味深い話があったのですが、
気になる方は著作やブログなどもチェックしてみてください!
今回、武井さんのお話と参加者からの質問で大変盛り上がり(ほとんどの質問に答えて頂きました)、準備されていたワークショップができなかったので、続編が期待されています。
お酒を飲みながら、お子さんに「おやすみなさい」といいながら、豊富な知識を届けてくださる武井さんにお会いしたい方はぜひご参加ください。
進行役からの最後の投げかけである
「自分のコミュニティーで実践できるファーストステップ」を、私も続編までに考えたいと思います。(会社だけでなく、団体、地域、学校などあらゆる組織で実践できるそうです!)
「組織・社会」のための「個」→「個」のための「組織・社会」
という考え方に変わる過渡期で混乱はあるけれど、教育・働き方・起業・政治全てがほぼ同時に変わっていくということでした。
参加者から「自然経営を行っていくには教育根本から自分で考える力、間違えてもいい、正解などないという価値観を養って行った方がいいのでは」というチャットからの意見に対し、武井さんも、その通りで、イエナプランやシュタイナー、サドベリースクールなど様々新しい取り組みがあるが、オルタナティブ(代替)教育じゃない、こっちが主流なんだと応えていました。私もちょうど教育に興味をもち、不登校のこどもや保護者が取り組む学びの豊かさを知って驚いていたところだったので、これから、教育も大きく変わることになるんだと実感しました。
コロナ禍で、自分の価値観や考え方を見直した方も多いと思います。自分の仕事について、もっといい在り方があるのではないかと新しい発見をした方もいるのではないでしょうか。
今を生きる一人一人が、この変革の担い手になれるということですよね。
組織がうまく動かないとき 禁じ手だけど「人をかえる」のもアリ
「会社のチームでメンバーから活発な意見を聞きたくても、結局2人しか発言がないことがあり、他の人も話しやすい環境つくりはどうすればいいと思うか」
参加者からの最後の質問です。
武井さんからは、まずは3本柱を実践したうえで、コンテクスト(例えば職歴、性別など)の違いはあるのでファシリテーションスキルでカバーすることもできる、との応え。
そしてとどめとして、「人をかえる」のお話がありました。質問者も驚いていましたが、組織自体も循環があっていい、自分にあっていない仕事をしている人がうまくいっていないのであれば、そのコストはお客か株主が負担している、という話に私も納得しました。離職率が高い会社が悪いわけではない、辞めやすい環境も大切ということです。生命体のような組織、というのはここも重要なポイントなんですね。
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とてもここに書き切れないほど、沢山の興味深い話があったのですが、
気になる方は著作やブログなどもチェックしてみてください!
今回、武井さんのお話と参加者からの質問で大変盛り上がり(ほとんどの質問に答えて頂きました)、準備されていたワークショップができなかったので、続編が期待されています。
お酒を飲みながら、お子さんに「おやすみなさい」といいながら、豊富な知識を届けてくださる武井さんにお会いしたい方はぜひご参加ください。
進行役からの最後の投げかけである
「自分のコミュニティーで実践できるファーストステップ」を、私も続編までに考えたいと思います。(会社だけでなく、団体、地域、学校などあらゆる組織で実践できるそうです!)