シブヤ大学

授業レポート

2007/11/9 UP

「絵をえがいて、円をえがいて」

今回の会場は、学校の教室そのもの。雰囲気も教室。しかも、今回は絵を描いてくるという宿題もあり、何かどきどき。生徒さんは円になって座り、残り一席が埋まるのを緊張気味に待ちます。

そんななか、ふらーりと先生登場であります。今回の先生は、アーティスト・ヒロ杉山さん。前面の黒板には先生の作品がずらり!圧巻です。どれも見たことのある作品ばかり。

静かなしゃべり口で自己紹介を始める先生。今ではパソコンを使っての作品が多いけれど、最初は“アンチデジタル”だったという先生。ずっと手描きで絵を描き続けていた時、これをパソコンでできたらおもしろいのでは、と。そこから、“パソコンで手描き感を出す”という作風が生まれたようです。なるほどぉ。しかし、そんな作風を感じさせる作品から、全く気づかないようなものまで様々、幅が広いです。

まだまだ先生のお話を聞いていたいけれど、さっそく、宿題チェックです!
今回の宿題は「人」。何だかいろんな「人」がいますよぉ。創意に富んだ作品ばかり。
さぁ、一つ一つ見てきましょう!

顔の中に迷路がかいてある人、点線で描かれた人、紙いーっぱいに描かれた人、頭大きく・二重顎の人、緑色で描かれた同僚の顔。人の“描き方”がちょっとおもしろい絵や。母から見た息子、友人の今と昔、仕事で目にする赤ちゃんの背中など。誰を描いたか、“題材”のおもしろい絵。本当さまざま・・・

それらをじーっくり見て、作者との会話で絵をさらに読み、丁寧にアドバイスしてくださるヒロ先生。そんな中で印象的だったのが、

「上手い下手ではなく、魅力があるかないか」という一言。

絵にとどまらず、人として言われているようでドキッとしてしまいました。キレイとかキレイじゃないとかではなく、どれだけその人に魅力があるか。その魅力こそが、真の“美しい”や“かっこいい”に繋がるのだよなぁ、としみじみ。

その後も、絵を通したコミュニケーションは続きます。
和やかながら、とてもアツい授業だったのではないでしょうか。

最後には、質問タイム。「ヒロ杉山は本名ですか?」という“確かにそう言われれば…!?”な質問から(笑)、「(私を)描いてもらえますか?」と言った告白まで。「仕事に行き詰ったことはありますか?」という質問には、迷うことなく「一回もないですねぇ」と答えてらっしゃった先生。だからこそ、こんなに多くの作品を世に出し続けていられるのだよなと思いました。絵をもって世の中と繋がっている、まさにコミュニケーション&クリエイティブな人を感じました。

みんなの絵に触発され、さっそく自分でも描いてみるとします。
落書きぃ、えーい、わーい。いけなっ、今授業中だったぁ…
いや、今こそ名作の生まれる時間!(!?)笑

(ボランティアスタッフ 加瀬千紘)