シブヤ大学

授業レポート

2017/10/11 UP

チャイから学ぶ想像力

今年の夏も終わりに近づき、そろそろ温かい飲み物が恋しい季節がやってきます。
チャイといえば、みなさんどんなイメージがありますか?
スパイシーでミルクたっぷり、心も体も温まるそんな飲みものでしょうか?
今回の先生は、チャイやカフェの魅力を一人でも多くの人に広めようと活躍されている
PRANA CHAI JAPAN代表の野村功太朗さんです。



授業のテーマは「想像力」
1杯のチャイから何が生まれてくるのでしょうか...

ウェルカムドリンクのチャイを飲みながら、
まず初めに野村さんご自身がPRANA CHAIに関わるようになった経緯をお話してくださいました。



白馬からメルボルンへ。
野村さんはカフェでのアルバイトをきっかけにコーヒー豆の奥深さに触れ、その魅力に惹かれていきます。
その後大好きなスノーボードができる白馬村へ移住。そこで働いたカフェの常連さんからの誘いで
オーストラリアへ旅立ち、レストランの下積みから始まって、4年間、メルボルンを中心に様々なカフェでの
仕事を通してコーヒーの勉強はもちろん、人々の暮らしの中にあるカフェ文化を肌で感じていきます。
メルボルンのこと、オーストラリアのことをとても愛おしそうに話される野村さんの横顔が印象的でした。



カフェからチャイへ。
その後メルボルンのカフェで一緒に働いていた同僚のマリオさんがPRANA CHAIの創業者であった縁から、
日本でもPRANA CHAIを広めようと帰国、2016年に日本法人を作り現在まで全国各地を飛び回っています。
野村さんはバリスタとしてコーヒーの良さを知っているのはもちろんですが、カフェの魅力はそれだけでは
ないと言います。オーストラリア、特にメルボルンは日本と異なり、日常の様々なシーンがカフェと共にあり、
カフェは街の一部であり、またそれぞれのお店がこだわりや個性をもって営業しているそうです。
カフェにとっての個性につながるものとして、PRANA CHAIを日本各地のお店に紹介し、
メルボルンのようなカフェ文化を日本に広めたいと、日々活動されています。
個性あふれるカフェがある街づくり、いつか日本各地でそんな街が増えればと期待がふくらみました。



オリジナルチャイを作ってみよう!
授業の後半は3つのグループに分かれて、PRANA CHAIをベースに実際にチャイを作ってみます。
チャイはミルクを使うものだと思っていたのですが、
ストレートで楽しむこともでき、茶葉と香辛料の香りが引き立つチャイを楽しむことができます。

何をイメージしてスパイスを合わせてみましょうか?
ベースはストレートのチャイ?ミルクで煮出したチャイ?豆乳はどうかな?などなど
各グループで会話が盛り上がりながら、それぞれのオリジナルチャイができていきました。





先生が用意した材料は
カルダモン/シナモン/クローヴ/ジンジャー/ターメリック/ペッパー/レモングラス/バジル
スターアニス/ペパーミント/コーヒー/きび砂糖/チョコレートパウダー/パクチーなどなど
聞いたことのあるものや、初めてのものなど参加者の想像力がフル回転して味を決めていきます。

各グループオリジナルのチャイができたら、みんなの前で発表しながら飲み比べを行いました。
3つチャイはそれぞれ全く違う個性がでていて、皆さんの想像力が作りだした美味しいチャイでした。



授業中、印象に残った出来事がありました。
あるグループで、チャイができたあとに何気なく追加してチョコレートパウダーを入れてみたら、
想像を超えた味の変化があり、こんなに印象が変わるのかと驚く発見がありました。



想像力が生み出すチャイは、時に作り手の想像を超えた景色を見せてくれるのではないでしょうか。

野村さんの人生も、コーヒーやカフェ文化やチャイをもっと多くの人に届けたいという熱い情熱が、
様々な場所や人との出会いを通して、チャイとスパイスが合わさるように組み合わさって、時に
想像を超えるような素晴らしい変化を見せてくれているのではないかなと思いました。
これからどんなブレンドになっていくのか...今から楽しみです。



(写真:森岡遥、レポート:木村芙佐子)