シブヤ大学

授業レポート

2017/1/10 UP

NGOを知ることから始まるわたしと世界

NGOを知ることから始まるわたしと世界

NGOってなに?と言われると…なんとなーく、「国際問題を解決しようとしている団体かな?でも自分とは遠い世界。。」…そんなことを感じる人も多いと思います。


今回の授業は、そんな漠然としたイメージを少しでもハッキリさせるべく、


NGOの基本的な情報や様々な活動の内容を教えてもらいながら、自分たちにできることを考える授業でした。


 


先生は、日本のNGOを支援するNGO、「国際協力NGOセンター(JANIC)」の山田直樹さんです。


“日本のNGOを支援するNGO??”


どういうことかと言うと、それぞれの団体がどんなに素晴らしい活動をしていても、小規模のNGOでは限界があります。それらのNGOに対して、政府や企業の協力を進め、活動しやすい環境をつくるために、NGO全体のために活動しているのが、山田先生が属しているJANICです。


 


日本には現在500くらいのNGO団体が活動していると言われていますが、JANICはその中の150くらいの団体と繋がりをもって活動しています。


具体的には、NGOと企業を繋いだり、全国のNGOの情報をわかりやすくまとめて発信したり、その活動は多岐にわたります。


JANIC→ http://www.janic.org/


 


そもそも、NGOとは何でしょう?


よく質問されるのは、NPOとの違いだそうですが、基本的には同じで、日本の場合は、NGO=国際的な活動、NPO=国内での活動 と分類されます。


日本のNGOの活動地域で一番多いのはアジアで、特に教育分野での活動が多いそうです。


 


「NGOのイメージを教えてください」、という先生からの投げかけに、「資金繰りが大変そう」という声があがりました。確かに気になりますよね。


NGOの収入は、半分は寄付金や助成金で、寄付は一般の人や企業などからが多いそうです。また、自主事業収入というものもあって、これは最近よく耳にする”フェアトレード”等団体独自に収入を得ているものを指します。


 


授業では、席が近いひとと「わたしの気になる海外のこと」について話し合う時間が設けられました。


「国際問題?テロ?でも実際よくわからない。。」


そこにNGOも関わっているのだろうと想像はできるけど、なんだかまだちょっと「遠い」と思ってしまいますよね。


どれも、”自分ごと”として捉えられていないのかも…


 


「でも、街なかでの関わり、メディアでの関わり、自分との関わりなど、実は気付かないところで、何かしら関わっているんですよ」


と、先生は言います。


 


どういうことかと言うと、たとえば森永製菓は「1チョコfor1スマイル」というプロジェクトを行なっており、児童労働の支援活動を行っている「ACE」や「プラン・インターナショナル・ジャパン」等と森永製菓がコラボし、チョコレートなどの対象商品を買うごとに支援できる仕組みで、国内のNGOを通してガーナの児童労働問題を解決しようとしています。また、最近ではおしゃれな雑貨屋さんでもよく見かけるフェアトレード商品や、マラソンなどのチャリティイベントも、どこかでNGOが関わっているかも知れません。また、メディアでは、バラエティ番組でよく取り上げられる”世界の村で発見!こんな所に日本人”なんかは、NGO駐在であることも多いです。そして、自分が選ぶノートやペン、洋服なども、どんなところで、どんな条件で作られているか考えたり調べたりするだけでも、世界を知る第一歩になります。


ささいなことが、世界とつながっている。わたしの生活の先にも、NGOの人たちが活動しているかも知れないんですね。


 


「まずは、知るということが大事です。そしてもしよかったら、応援して、参加してください」


 


まさしく、この授業のタイトル、「NGOを知ることから始まるわたしと世界」。


授業ではJANICが制作した「世界で活躍する日本のNGOガイドブック」も配布されました。そこには、テーマごとに54のNGO団体が紹介されています。


こんなに色々な活動をしている人がいるんだ!と驚くとともに、自分のまわりのことしか頭に無かった私にとっては、なんだかものすごい衝撃を食らった感じがしました。


 


先生はどうして、世界のことに目を向けるようになったのでしょうか?


 


「大学生のとき、フィリピンのスモーキーマウンテンを知ってショックだったんです。しかもそこで暮らす子ども達がいて。あるとき、日本がリサイクルという名目で大量のゴミをフィリピンに送っているという話を耳にしました。もしかしたら、自分が出したゴミもフィリピンに行っていたかもしれないと思うと…自分の行動ひとつひとつ、考えなきゃいけないなと思ったんです。」


 


…正直衝撃でした(調べてみると、色々と出てきます)


 


国際ニュース、どこか他人事として見ている自分がいましたが、まずは、身近なことからでも、一歩だけ踏み出して調べてみることから始めようと思います。


 


(撮影:榎本善晃 レポート:吉川真以)