授業レポート

2014/9/24 UP

和の香りと歴史を愉しむ。
塗香で渋谷の香りを創ろう!

 「渋谷の『香り』をイメージしてください」


といわれたら、あなたはどのような『香り』をイメージしますか?
若い活気にあふれた渋谷の街でイメージされるのは香水やアロマかも分かりませんが、
今回の授業で『渋谷の香り』は『日本の和の香り』と混ざり合いました。

 和の香とは
和の香りは鑑真によってもたらされ、1000年以上の伝統あるそうです。
現在の香りの代名詞もいえる西洋のアロマが香りひとつ単体で美しく表せることに対して、
和の香は、白檀などの香木以外の香原料には漢方で使われているものが多く、
ひとつひとつの香りがいい良い香りではないものでも
混ぜ合わすことによって素敵な香りを表わす、作り手を色濃く表す香りでした。
西洋とは違い基本的に直接体に香りをつけることのない和の香りですが、そんな和の香りの中でも古くから体を清める為に直接肌につけるものとして、使われてきた『塗香』によって今回、香りを作っていきました。


 渋谷の和の香り
今回目指す『渋谷の香り』についてみんなでイメージを出し合ってみたところ、
若い、色っぽい、美味しいお店の幸せなにおい、思い出の金木犀、気分のあがる、エネルギー、トレンドが生まれる、緑の香り、落ち着く、リフレッシュできる、明治神宮の緑の香り…など、本当に多種多様な各々の渋谷のイメージが出てきました。
それらのイメージを大きく『明治神宮』『エネルギー』『街の特色』の三種類にまとめ
それぞれのイメージの香りの調合を先生がつくりあげ、
自分のイメージする渋谷の和の香りに近いものを選び作り始めていきました。


香りが混ざり合うにつれて恵比寿社会教室館の教室の中全体の香りもまとまりをみせ
単体では成せない混ぜることによってできる和の香りを実感させられました。
調合が完成に近づくにつれてみなさんの思い描く「もっとこうしたい」という
意見があがり、それに応じてひとりひとりの調合を変化させていきました。
完成したそれぞれの塗香を嗅いでみると同じイメージで作ったものでも
ひとりひとり香りに特徴があり、それぞれの『渋谷の香り』の完成になりました。


 今回、和の香りについて教えてくださった今井麻美子先生。
授業の中で先生は様々な和の香りの美しさを教えてくださいました。
-和の香りは決して単体では表すことのできない混ざり合うことによって完成する香り-
 -目標値を定めること-
-いらない緊張感を持たないこと。自分がつまらないと思って作っていると香りもつまらなくなり、
自分が迷うと、香りも迷ってしまう-


上の言葉から
人と人とのつながりの中にも通じる和の香りに対する美しさと
合わせあい、混ざり合い、完成するものだからこそ、最後が見据えなければ最後に近づくことすらできないのだと
和の香りを作る過程から塗香と歴史を共にしてきた仏教の菩薩に通じる学びを得ることができて
和の香りを作ることは同時に和の心を知ることにも繋がっているのだなと感じました。
そして最後の言葉からは、香り作りは自身の映し鏡であることをしみじみと感じさせられ
『渋谷の香り』と『和の香り』が混ざり合ってできた塗香は
『自分』とも混ざり合い世界にひとつの香りの完成になったことを実感しました。

香水が主流の時代の中で、和の心に触れながら都会の中で自分の和の香りを纏うこと、魅力的ではありませんか?



【写真:ボランティアスタッフ 鹿沼茉希子 レポート:真辺和愛】