シブヤ大学

授業レポート

2012/11/20 UP

初対面で、心に残る人になる自己紹介術

  今回は、コミュニケーションスタイリストの吉戸先生による、ワークショップ形式の授業。
吉戸先生は、子供の頃大変な人見知りだったのが、フランス留学が人生の転機となり、現在はコミュニケーションスタイリストとして活躍されている方です。
 

 自己紹介って名前や年齢、職業、趣味などをサラッと言うのが一般的ですよね。
今回学ぶのは、自己紹介のもっと先、初対面で相手の心に残る「キャラ紹介」です。

 キャラ紹介は、相手にもっとこの人のことが知りたいと思わせるもの。ちなみに、吉戸先生のキャラ紹介は、
「フランス留学中に大家さんの脱税を見つけて、家を追い出されて・・・」というエピソードから始まり、
吉戸先生ってどんな人なの? 話の続きが聞きたい! とみんな興味津々。
 

キャラ紹介の手順は、まず理想の自分を設定します。
それが決まったら、理想の自分の特徴をいくつか考えます。
それをまとめて自分のキャラを○○キャラと命名します。このプロセス、なかなか難しい。
理想の自分の特徴はいくつか出ても、それをまとめた○○キャラの部分が出てこない。

印象的だったのは、話題が豊富、周りを楽しませる、自分に軸があるというような理想を挙げたひとに、キラキラしていてメリーゴーランドみたいと先生が言ったこと。
言葉のチョイスが素敵でした。
その生徒さんはもちろん“メリーゴーランド”キャラに決定。
そのほかにも“ダイヤモンド”や“木漏れ日”など、ユニークなキャラ案が出て自然とみんな盛り上がります。


 キャラが決まったら、今度は現在の自分が持っている要素を洗い出し、
キャラに合う要素を2、3つに分けてまとめ、そのまとめた要素ごとに「キーワード」を考えていきます。
この時、欲張りすぎずキャラに合わない要素は捨てていきます。
この「キーワード」とそれを印象付けるようなエピソードを組み合わせることで、
伝えたいキャラが際立ち、自分の理想像も伝わりやすくなります。

例えば“日々の生活を丁寧に生きる”という「キーワード」であれば、
毎日の習慣や趣味等をいくつも並べるよりも、
「どんなに忙しくても、毎朝家の植物に水をあげてから出勤するようにしています」と
1つのエピソードにまとめるほうが伝わりやすくなるそうです。


 このように「周囲にどんな風に思われたいか」「どんな自分になりたいか」というところにむけて、
自分の頭と心を整えることで、自然と印象に残りやすい言葉で話すことができるようになります。
短い時間で自分のことを伝えられるようになるためには、頭のなかを整理整頓し、
準備をしておくことが大切なのだと学びました。


 授業の最初と最後にそれぞれ自己紹介をしましたが、
最後の自己紹介ではみなさん自分の伝えたいことが明確で、印象に残るようなエピソードが入っていたり、
最初の時とは全然違う伝わる自己紹介になっていました。


 新しい出会いがあって、せっかく自己紹介をするなら相手の心に残りたい。
相手の心に残れば、名前を覚えてもらえるのはもちろん自分から話しかけるのが苦手でも
相手に話しかけてもらえたり、色々な人と仲良くなるチャンスが生まれます。

新しい出会いが楽しみになる素敵な授業でした。




(ボランティアスタッフ 塚原友梨子)