猿渡進平
医療法人静光園白川病院 医療連携室長
2018年10月4日(火)19時〜21時 ヒカリエ8F COURT
医療法人静光園白川病院 医療連携室長
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス/東埼玉総合病院 地域糖尿病センター長、在宅医療連携拠点事業推進室長、経営企画室長
ファシリテーター
シブヤ大学学長
ファシリテーター
編集者/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー
前回は、厚労省の野崎伸一さんに来ていただき、「福祉とは何か」「いま福祉にコミュニティの力が必要なのか」という前提について話していただきましたが、今回は、その実践とも言える具体的な事例を、猿渡進平さん(医療法人静光園白川病院 医療連携室長 )と中野智紀さん(社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 東埼玉総合病院 ・地域糖尿病センター長、在宅医療連携拠点事業推進室長、経営企画室長)に、それぞれ福岡県大牟田市白川校区と埼玉県幸手市に実践を紹介していただきました。
高齢化率が35.7%という大牟田市(人口10万人以上の都市では2番目に多いのだそうです)で、ソーシャルワーカーである猿渡さんは“認知症フレンドリーなまちから共生社会を目指す”をテーマに活動しています。認知症の人が自宅で暮らしたいと願っても入院しなければいけないのはなぜか?という疑問からまちのあり方そのものを少しずつ変えながら、認知症の人でも暮らしやすい環境をつくっていく様子をお話しくださいました。大牟田市による「認知症SOSネットワーク模擬訓練」を軸に、自治会などの地縁組織の改変と認知症の人をサポートできる住民が増え、猿渡さんの病院では退院率が10年前の3倍になるなど、自宅で暮らせる環境が徐々にできあがりつつあります。そこからさらに地域問題を顕在化させるワークショップなどを実施し、民間の弁護士や司法書士が生活困窮者を支えるNPOの設立や、小中学校や大学と農家、障害者や高齢者などを繋げる活動にまで広がりを見せています。猿渡さんの「認知症に優しいまちづくりというのは誰にとっても優しい幸せなコミュニティをつくることだろうなと思っています」という言葉はこれからの未来を想像すると、その通りだろうと思えます。