シブヤ大学

授業レポート

2015/6/11 UP

自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり(第二回)

【私の「まなび」】


 「先人の知恵」
今日の授業で私は初めて和裁に触れ、和裁には日本人らしい工夫が詰まっていることを学びました。袖の丸み作りに隠された丁寧さや着物の男物・女物の相違点の少ないという効率の良さなど、先人の知恵と日本の文化がたくさん詰まっていました。

 「日本文化の中の『繋がり』」
先生がマネキンに帯を結んでいるのをみて、帯の結び方が掛け軸の紐の結び方と似ていることにふと気が付きました。確証はありません。が、掛け軸と着物。日本文化には、日本文化の繋がりがあるのかもしれません。


【先生の「ことば」】


「着物を楽しんでもらいたい」
浴衣の制作は確かに大変そうでしたが、先生は「とにかく楽しんでもらいたい」と何度もおっしゃっていました。楽しんでもらえれば、次に繋がるからだそうです。悪い印象はその人を物事から遠ざけてしまうけれども、かといって楽しくなければ、物事を深めることも出来ません。普段、何気なく思っている「楽しい」という感覚が、尊いものに感じました。


【授業レポート】



浴衣作りの第二回目の今日は袖と脇を中心に、作業を通して着物の構造について学びました。(宿題は身ごろの部分でした。)


時間を区切ってまずは、袖から。
外表で端を合わせてから、中表にして角に丸みを付けつつ袋にしていきます。この丸みの部分、私の学びでも書いたように、丁寧に作られていて、本当に驚きました。私が当日着て行った市販の大量生産された浴衣と比べると、仕上がりが大違いです。手縫いである上に、曲線を重ねるような縫い方に着物の丁寧さがありました。始めは、この縫い方を考えた人が凄いと思いましたが、時の流れの中で自然と出来上がったのだと思うと、着物そのものから日本文化を感じました。

袋が出来上がったら、最後に袖口作りです。ここは、「くけ縫い」という縫い方で縫っていきます。表からには針が一切出てこないで、裏からは糸が見える、先生の技術にみんなで魅了されました。


次に、脇です。
宿題だった、身ごろ部分の生地を出して、生地に印をつけます。女物は脇が開くので、そこを注意しつつ、縫っていきます。
袖とは違い、どこの部分を縫っていくのか分らないまま始めは皆さん取り組んでいましたが、形になってくると面白みが増すようで、休憩を忘れて作業に没頭していました。


さて、休憩リフレッシュ後は、「おくみ」です。
直線縫いが中心の着物の中で、唯一[斜め]に縫っていく部分です。合わせの部分で、浴衣のどの部分にあたるのかわかりにくいためか、先輩の手助けを受けつつ、生徒さん同士で励まし合いつつ、進んでいきました。


前回よりも少し多い宿題に、皆さん張り切っていました。先生も次回は、着物・日本文化うんちくをもっと話そうと楽しみにしておられました。

次回の完成を目指して頑張ってください!


(写真/レポート:松岡薫)