シブヤ大学

授業レポート

2014/10/18 UP

まちの困りごとを解決するヒント
~「まちかどギルド」にみる新しいコミュニケーションの形~

今回はまちの困りごとを解決するアプリ「まちかどギルド」の代表である、西村さんの授業に参加しました。


 西村さんは全国のコワーキングスペースやシェアハウスを巡り、仕事をしていく中でたくさんの人と触れ合い、


下記の様々な問題を感じました。
・ご近所付き合いの希薄化
・シャッター商店街
・少子高齢化
・介護保険制度の改正

その問題を各地方で目の当たりにしてきた西村さんは、
「今後、ますますご近所同士や地方同士の支えあいが必要不可欠な時代になる」と実感し、そこで生まれたのが
「まちかどギルド」です。


これは、
「町内の行事を手伝ってほしいけど、若い人の手が足りない」
「雪かきを手伝ってほしいけど地域の人数では人が足りない」
「話し相手が欲しい!」といった
ちょっとした“まちの用事”をアプリに記載し、その担い手をマッチングさせるアプリです。
担い手はゲーム感覚でその困りごとをクリアしていける設定なので、
地方離れした若者を呼び寄せるキッカケとなり、地方の活性化にも繋がっていく
“まちの支えあい”を増やすアプリなのです。


【私の「まなび」】
地域活性ということばをよく耳にしますが、ハローワークや求人情報誌に載らないような、ちょっとした“まちの用事”にフォーカスを当てて、人が集まる“活性化”に繋がる仕組みを作り出した西村さん。
その発想の源や、その発想を実現化していくお話の過程の中から私は下記のようなことを学びました。

①  自分で見る、体験することで本当の課題がみえてくる
⇒全国を旅し、コワーキングスペースやシェアハウスで様々な人と触れ合うことで、アイディアが溢れてきたそうです。
人から得た情報だけで判断するのではなく、自分で現状をみてみることで、本当に必要な課題が明確化し、
西村さんのような革新的なアプリ開発へと繋がっていくのだと感じました。

②  人々の共感を得ることが応援してくれる人を増やす鍵
⇒今回のアプリ開発に伴い、クラウドファンディングにて資金を募ったところ、目標を超える資金調達に
成功したそうです。
その成功の鍵を、西村さんは“たくさんの共感があったから”と言います。
今回の“まちかどギルド”は若者に馴染みのあるゲームなどの単語を用いて設定されており、そのゲームに似た感覚が人々の興味となって賛同してくれる人が増えたと話していました。
私は“自分のやりたいことをわかりやすく、上手に皆に伝える”これが応援してくれる人を増やす鍵だと感じました。

【先生の「ことば」】
授業の内容とは少しかけ離れてしまいますが、
私が一番強烈に残った西村さんのお言葉は、
「私はケータイを持っていない!」でした。
WEBプランナーとして、ご活躍されている西村さん。
ですが持っているのはiPadのみということで、最後にこのことを生徒全員に話すと一気に教室がどよめきました。
全国を旅し、様々な人との繋がりを広げてきた西村さん。
まさかスマートフォンやiPhoneを持参せず、だれとも電話ができない状況に驚きましたが、
スマートフォンやiPhoneに頼らない繋がり、
もしかしたら、これこそが次時代のコミュニケーションの形なのかもしれないと強く感じました。


 
(写真:ボランティアスタッフ 山田里美 レポート:ボランティアスタッフ 小城明日香)