シブヤ大学

授業レポート

2014/6/23 UP

ブラインドサッカーに学ぶ
~コミュニケーションの考え方~

"障がい者と健常者の出会いが、笑顔であってほしい。
 ブラインドサッカーはそのためのツールの1つでもある。"

今回の先生は、日本ブラインドサッカー協会 事務局長の松崎さん。

松崎さん自身はサッカーが熱狂的に好きというわけではなく、
また昔は障がいについて心のバリアーのようなものを持ち、遠ざけていたそうです。

しかし現在は協会の事務局長を務める松崎さん。
今回のThink Collegeではブラインドサッカーを通して、
笑顔で障がい者と健常者が出会うことの大切さについてお話してくださいました。


"ブラインドサッカーは、障がい者と健常者が一緒にプレーができる"

はじめにブラインドサッカーの試合動画を見ました。

もう、迫力に圧倒されそうになりました。

目が見えてないとは思えないほど正確で素早いプレー。
選手同士の接触も、よく見るサッカーと同じくらい激しい。

参加者の方々の目が釘付けになっていたのがとても印象的です。

ブラインドサッカーには主に次のようなルールがあります。

・ピッチに立つプレーヤーは4人
・「コーラー」と呼ばれる人がピッチ外からプレーヤーにゴールまでの距離や角度を伝える
・全員アイマスクを着用・ボールには特殊な鈴が入っている
・プレーヤーはボールを持った相手に対し「ボイ!」と声を出して、危険な接触を防ぐ

中でも面白いなと思ったルールは
・キーパー、コーラー、コーチは晴眼者もしくは弱視者
というものです。

このようにブラインドサッカーは
障がい者と健常者が一緒にプレーができるという良いところを持っているんですね。

また私たちは視覚がないと外界から得る情報の8割を失うということで、
より相手のことを考えてコミュニケーションをとらなければできないスポーツなんです。
(奥が深いですね。)


"サッカーというツールを使って、笑顔で出会ってしまおうよ"


「やっぱり僕らは障がいに偏見を持っているんだな、というところは確認していいんじゃないかと思います。

なぜなら出会うことも少なく、お互いに接するきっかけも多くないのだから。

重要なのは、『良い出会い方をすること』なんじゃないかなと思います。」


『良い出会い方』の1つとして、『サッカーを通じて笑顔で出会う』。
とても素敵な考え方だなと思いました。

どうしても障がいとの出会いは、身の回りの人の介護だったりと深刻なものになりがち。
出会いが笑顔で、それをきっかけに障がいについてもっと考える。
これは自分たちが将来歳をとって障がいをおっても生きやすい未来を考えることにも繋がる。

このように松崎さんはおっしゃっていました。


"サッカーを通じて障がい者と健常者が混じり合う世界を作る"

これが、日本ブラインドサッカー協会のビジョンだそうです。

ブラインドサッカーの良いところは、障がい者と健常者が一緒にプレーができるところ。
人間は視覚を失うと8割の情報が取得できなくなるそうです。

そのような中でコミュニケーションの大切さや難しさを体験できる。


「偏見をもっていた僕でもサッカーでパス交換しただけで

心のバリアーがばりばりっとはがれていったんですね。

ですのでそのように笑顔で障がいに出会ったら、もしかしたら

すごく遠くに感じていた障がい者の世界がすごく身近に感じることができるんじゃないかと思います。

ブラインドサッカーだけではなく、これからパラリンピックに向けて

障がい者スポーツ盛り上がって行くこと間違いないと思いますので

ちょっとだけ興味の感覚をひろげていただいて実際の生の試合を見たり、

選手の声を聞いていただいて、

その世界を感じていただけたらなと思います。」



ちなみに…
講演のあと、参加者の方から「Jリーグの選手と対戦するようなことはあるのですか?」という質問がありました。

答えは、yes。
しかも、1995年頃のサッカー日本代表と対戦したことがあるそうなのですが、
その時サッカー日本代表は相手にならなかったそうです…!!


【先生の「ことば」】
"ブラインドサッカーは、障がい者と健常者が一緒にプレーができる"
"サッカーというツールを使って、笑顔で出会ってしまおうよ"
"サッカーを通じて障がい者と健常者が混じり合う世界を作る"


【わたしのまなび】
障がいに笑顔で出会える場がある
ブラインドサッカーの迫力は、すごい(ぜひ動画、あるいは生の試合で感じてほしいです)。
私のあたりまえは、相手のあたりまえではないかもしれない

(ボランティアスタッフ 五十嵐唯)