シブヤ大学

授業レポート

2014/2/25 UP

ネイバーフッドデザイン ~「ご近所づきあい」で都市の課題を解決する~

「ネイバーフットデザイン」、
あまり聞きなれない言葉です。
これは、近くで暮らしている人々の人間関係のデザインなのだそうです。

人には5つのコミュニティがあると言われています。
血縁・地縁・学縁・社縁そして、価値観縁。

今回登壇してくださった、HITOTOWA INC.の荒さんは、
このうち、地縁と「社会をよくしようとする価値観縁」を結んだ縁を
創造する活動をされています。


なぜ、今このネイバーフットデザインが必要なのか、
そこには、「無縁化」などいろいろな社会課題が理由としてあげられますが、
東日本大震災で、重要性が再認識されたことも大きいようです。
今回生徒さんの数が多いように感じたのも、
肌でそのように感じてらっしゃった方が多かったのかもしれません。


資料では、地震の際の最多の死亡原因は建物倒壊による圧死、
そのうち、助かった人の60%以上は近所の人の救助だという結果がでているそうです。


「価値観縁」は、SNSが盛んな今の時代的には結びつきやすくもあります。
しかし、防災の面では、居住地が離れているがゆえに弱いともいえるのです。

たしかにそうかもしれない…と自分の住んでいる状況とコミュニティについて考えてしまいました。
お話を聞いているうちに、危機感が…


また、防災の面だけではなく
住んでいる場所でのコミュニティ形成のメリットとして

① 暮らしを豊かにする(趣味・学びの充実)
② マンション(居住地)管理の質を高める
③ 安全・安心な暮らしのための地域課題を解決する

ということがあるそうです。

ただ、良いことが頭でわかっていても
「スキームをつくれば簡単にコミュニティができるわけではない。」
ここがコミュニティづくりの難しいところです。

日本人はコミュニティづくりが下手なんだそうです。
息苦しい“しがらみ”を発生してしまいがちなのです。

受講された皆さんの中にも、
ご近所づきあいを“しがらみ”にせず、「ちょうど良い繋がり」にするにはどうしたらよいのか、
と考え参加された方もいらっしゃいました。

荒さんは、色々なコミュニティ形成事例をお話くださいました。
また、コミュニティを継続するのに必要なことなども。

自分の住んでいる場所に置き換えた時、
まだまだ、その「ちょうど良い繋がり」を形成するのに不安が浮ぶのが正直な気持ちです。

しかしお話を聞き、
自分の住んでいる場所を良くしようと考える誰かの一歩が、大切なんだろうと思いました。

これを機会に「社会をよくしようとする価値観縁」が
一つでも多くの土地で生まれると良いと思いました。


(ボランティアスタッフ:渡邉祥子)