シブヤ大学

授業レポート

2013/11/26 UP

ファッションで貧困問題を解決する ~ニットブランドSHOKAYの試み~

「SHOKAY」ってどんな意味かご存知ですか?
チベット語で「ヤクの最も柔らかい毛」という意味なんです。

世界で初めてヤクという素材を扱ったニットブランドSHOKAY。
その日本代表を務める林民子さんと林路美代さんから、
SHOKAYというブランドの成立ちや創設者の思いについて、ヤクの毛で作られたニットの特徴についてお話いただきました。
今回のテーマは『ファッションで貧困問題を解決する ~ニットブランドSHOKAYの試み~』です。

林さんはまず、SHOKAYの成立ちを語ります。
SHOKAYはハーバード大学の学生たちによって創設されました。台湾や香港出身の彼女たちは、中国の貧困問題や支援に取り組みます。チベット族の貧困解決のために注目したのがヤクでした。ヤクはチベット族にとって唯一の、そして大きな財産なのです。ヤクの毛を使うことで、チベット族の伝統的な生活を守りながら、安定した収入をもたらすことを目的にしたのです。それだけではありません。SHOKAYの売り上げの1%はチベットの女性のための健康医療プログラムに充てられています。
チベット族の写真や映像を使いながらの話を、参加者の皆さんは大きくうなずいたり真剣な様子で話に聞き入っていました。

また、SHOKAYの支援はチベットだけに留まりません。
SHOKAYは日本でも支援を行っているのです。
その名も『SHOKAY for TOHOKU』
東日本大震災の被災地での「編み物ワークショップ」を行っています。手触りの良いヤクの毛糸を触ることで心の癒しになるんだそうです。
もちろん癒しだけではなく、被災地の女性に仕事や現金収入をもたらすプロジェクトとのこと。
SHOKAYもこのプロジェクトも今後ますます注目されそうです。

ヤクの毛のニットはさらっと暖かく、チクチクしない柔らかな手触り。保温性・耐久性・通気性に優れ、毛玉になりにくいとのこと。手袋やニット帽など寒くなるこれからの季節に重宝しそうです。
一生ものとして長く使えるのも嬉しい点ですね。

今回の授業には、貧困支援に興味がある方、フェアトレードのキーワードに惹かれてきた方、SHOKAYの商品を購入したことのある方など様々な方が参加されました。
林さんとの距離も近く、非常にアットホームな雰囲気でした。
授業後にも参加者の皆さんどうしで意見交換をしたり、SHOKAYの商品をじっくり手に取ったりと思い思いに楽しんだ様子でした。

(ボランティアスタッフ: 岩原 三千代)