シブヤ大学

授業レポート

2013/11/22 UP

SHIBUYA CAMP 2013 ~代々木公園に泊まって、本気の震災訓練をしよう~

11月16日(土)~17日(日)の2日間、シブヤの真ん中で被災したら、、、と言うことを想定して代々木公園でキャンプして、本気の震災訓練をしました。
誰かを「助ける人」になるために、まずは自分が「助かる人」になるために、大規模災害を生き残るための知識と技術を今回の授業では体験学習しました。
当日は以下のような流れでグループ別にさまざまな事柄を体験しました。

※先生の講義内容については去年に詳細に書かれているので、ぜひご参照ください!
  http://www.shibuya-univ.net/class/detail.php?id=795

<授業の流れ>
 【11/16(土)】
  13:30 講義
        ・震災の時間軸と訓練の時間軸
        ・サバイバル3原則と被災時の5箇条
        ・建物および道路などの危険箇所
  14:30 調査および避難訓練実地シミュレーション(昼の部)
        ・街頭および指定施設の調査
  16:30 AAR(アフターアクションレビュー) および 非常食について
  18:00 講義および避難訓練実地シミュレーション(夜の部)
        ・夜の状況および時間の差により生じる諸注意
  19:30 AAR(アフターアクションレビュー)
  20:00 休憩 ~ 焚き火を囲んで、岩手県山田町の川石さんより東日本大震災の体験談を聴く
  21:00 講義
        ・新聞紙で暖かさをつくってみよう w/FINAL HOME 津村耕佑さん
        ・簡易式シェルター(差掛け型)のつくり方
        ・72時間(避難所に辿り着くまで)に必要な避難キットと通常の緊急持ち出し袋比較
        ・被災時の5箇条+3箇条
  23:00 被災時宿泊シミュレーション&見張り訓練
 【11/17(日)】
  早 朝 避難訓練実地シミュレーション(朝の部)
        ・早朝の状況および時間の差により生じる諸注意
  06:00 AAR(アフターアクションレビュー) および 講義総評
  07:00 終了

<避難訓練>
昼、夜、朝とそれぞれの時間で、避難訓練を実施しました。当然のことながら、それぞれの時間で、自分自身や集う人の様子や状態も違い、それが避難の際にどのように反映させるかなどについても考慮する必要性を体感しました。また、東急ハンズ近辺や代々木八幡など、普段行ったことがある場所もレクチャー後に避難訓練と言う視点で見ると全く違うものになることを体感しました。
小中学校などでは、避難訓練は多く実施されることはあるかもしれませんが、大人になってからはこんなにまじめに避難訓練を実践できる機会がないので、改めて自分の身の回りの危険を体感できました。

<岩手県山田町の川石さんより東日本大震災の体験談を聴く>
川石さんは、山田町で水産加工会社を運営されています。被災者として、地震や津波が起きてから72時間の間の行動などについて詳細に説明をいただきました。食料の運搬や救助など、常に動き続けた川石さんの話は、誤解を恐れず書きますと、いい意味であっけらかんと明るく、前向きで今まで聞いてきた話と少し違った気がしました。
その一方で、越えてきたことがある人の深みのあるお話だったと思います。
また、川石さんの話の中で印象的だったのは、津波などの被害を受けたエリアは、自治会などもあり個人間の関係性がある場所でした。そのため、すばやく生き残るすべを考えることができたようでした。
一方で、東京はさまざまな人が住み、働き、遊ぶ場所で、山田町と比較して個人間の関係性が非常に薄いです。そのような場所で震災が起きた場合に、山田町のようにすばやくリーダーシップを誰が取れるか、進んでその人をみんなでサポートできるか、ということができるのか非常に心配になりました。
そのリーダーシップやリーダーを支える力などが72時間を生き抜くチカラでもあるので、その辺については自分の住んでいるエリアや職場の近くなどで考えたり、話し合う必要があると思いました。

<FINAL HOME・津村さんのお話>
生き残った人間が残った素材でどうやって生き残るか?ということをコンセプトにした、生き残るための服「FINAL HOME」の利用体験を実施しました。この服は、ポケットがたくさんついたナイロンコートで、そのポケットには新聞紙や落ち葉などを詰めることができ、暖かさを維持することができます。また、そこに非常食や医療キットを入れれば持ち運びが簡単な非難着になるという便利さも併せ持っています。そしてデザインもシンプルなので普段使いもできて、日常のときも災害時も常に使えるという利点があります。
その服を着て夜もすごしましたが、新聞紙の防寒性に驚きました。また、被災時は何も持っていない状態なことが多いと思いますので、その辺のものを使ってどのように生き残るかを考えられる発想力も重要かも!と思いました。


2日間という短い時間の中で盛りだくさんの内容であるこの授業。まだ消化(理解)できていないし、実践できていないことだらけです。
今回の授業をはじめ、自身の住んで・働いて・遊んでいるエリアの防災関連イベントや情報は多く提供されています。このような機会をたくさん知識や経験を得て実践することで、72時間生き残れる人が増えることを願います。


(ボランティアスタッフ: 山口 由季子)