シブヤ大学

授業レポート

2013/9/24 UP

『高栄養価』なだけじゃない!!! 文化から捉えるアサイーのホントの話 ~食べる時間もあるよ~

本日の授業は、
ずばり「アサイー」について学ぶ授業!
アサイーってここ最近特に話題になっていますよね。
美容に良い、だとか、ポリフェノールが豊富に含まれているだとか、
カフェでは「アサイーボウル」というフルーツがたっぷり入ったおしゃれな食べ物が流行っているだとか・・・

講師の現役女子大生・池田早穂さんは、
ブラジルに留学経験があり、そこでアサイーの文化的背景を知り、
アサイーという食べ物にすっかり魅了されたそうです。
今回は、身体に良いといった機能面ではなく、
文化的側面を知ってほしいと言います。

まずは、
A、Bと書かれた2つのカップが生徒さんに配られました。
これ、2つとも液体状のアサイーが入っているのですが、種類が違うようです。
生徒のみなさんは、恐る恐る2つのカップを試飲しました。

Aのカップの中身は、アサイーバナナ。
いわゆる、市販で売っているアサイージュースです。アサイーとフルーツがミックスされていて、飲みやすい味に調整されています。

Bのカップの中身は、アサイーストレート。
無糖タイプのアサイーで、アサイーの実をそのまますり潰したものです。
すごく、苦くて土っぽい(笑!?)味がします。
日本人には馴染みのない味ですが、
アサイーの産地・ブラジルの人たちは、この無糖タイプのものを主流に食べています。

日本だと、アサイーはポリフェノールや鉄分が豊富といった、
機能面で話がなされることが多いですが、
この授業では、池田さんが
「ブラジル人の日常の暮らしを支えてきた」アサイーを文化の側面から教えてくれました。



【・アサイーはブラジルの中でも、アマゾン地帯で育ちます。】
いわゆる熱帯雨林の地域です。
アサイーがポリフェノールを豊富に含んでいるのには、訳があるのです。
赤道直下の過酷な地で人々が生き抜くためには、
紫外線に打ち勝つための抗酸化作用がある、ポリフェノールはかかせないのです。

【・アサイーには種があります。】
実は、アサイー1粒につき、食べられるのは全体のおよそ5%だそうです。
「皮を感じられる間もなく、種になる感じの薄さ」だと池田さんは言います。

【・アサイーは現地の人たちが木の上によじ登って収穫します。】
足にしめ縄を付けて固定させ、木に登ってアサイーを収穫します。
木は全長30m以上とかなり高いです。
日本に輸入されるアサイーも現地の人々によって収穫されています。

【・アサイーは工場ですり潰されて、製品となります。】
特別な装置があり、その中に水とアサイーを入れてかき混ぜて、
アサイーのピューレを取り出します。
アサイー1粒につき、食べられる部分はほんのわずかなので、
1人前の量のアサイーを加工するのには、かなりの量のアサイーの実が必要です。
さらに、収穫後48時間以内に加工しないとアサイーは劣化してしまうので、かなりデリケートな食物だと言えます。

装置によって加工されたアサイーはジュースのように液状になり、
冷凍され、パッケージングされたものが日本へと輸出されます。

日本だと、アサイーは高価だと思いますが、
ブラジルだと庶民の食事として、手軽な食べ物です。
朝昼晩、時間問わず、いつでも食べられているそうです。
しかし、同じブラジルでも地域によって食べ方が違うのだとか。

例えば、サンパウロ州などの都市部ではアサイーをとろとろとした粘り気のある状態で食べるそうです。
フルーツと一緒に混ぜて食べたり、デザート・軽食感覚で食べているそうです。
日本と同じですね!

一方で、パラ州などのアマゾン地帯では、なめらかな液体状のアサイーを食べるのが主流です。
デザートではなく、食事としてアサイーを食べるそうで、
肉や魚のフライにアサイーを付けて食べたりします。
さらにアサイーを味噌汁みたいな感じで溶かして、魚などの具材を入れてスープ感覚で食べたりもするそうです。
全く想像がつきませんね。

池田さんから、
アサイーの面白い話をたくさん聞いたところで、
授業の後半は実際にアサイーボウルを調理しました!

アサイーとバナナをミキサーにかけ、
アサイーバナナを作り、
その上にフルーツグラノーラをトッピング!

そのあとは、生徒さんのお好みで色んな食べ物を乗せていました。
あらかじめ生徒さんには、アサイーボウルに入れてみたい食べ物を持ってきてくださいと告知していたので、皆さん色々持ってきてくれました。

チョコレート、ドライフルーツ、梨、パイン、ヨーグルトなどなど…

みなさんの個性光る、アサイーボウルが完成しました。
アサイーの知識を得た上で食べる、アサイーボウルは格別に美味しいようで、
生徒さんの顔は、喜びで満ちていました。

授業のさいごに、
池田さんがメッセージを下さいました。

「AのカップとBのカップのアサイーの違いはなんでしょうか?
明確な答えはありませんが、
「文化」ではないでしょうか。
日本では、美容や栄養などのアサイーの機能に焦点が当たります。
ブラジルでは、アマゾンの環境下を耐え抜くための栄養を蓄えるために、アサイーは存在します。その事実を知っているのと知っていないとでは、食べるときの感じ方も変わります。

みなさんに、栄養素以外のアサイーの魅力を感じて頂ければと思います。
本日はありがとうございました。」

脳も胃袋も満たされた、
大満足の授業となりました!!

(4期インターン・矢永奈穂)