シブヤ大学

授業レポート

2007/3/1 UP

■言葉×想像力■

CC学科、1月の授業はメールのコミュニケーション「メルニケーション」。
ケータイメールの短い文章にこめる思いと、伝えるアイデアをコピーライターの中村聖子先生から学んじゃいました。
今回の授業は面白いだけでなく、実用的、そしてちょっと照れます。
 
 始めに先生の自己紹介。中村先生の職業はコピーライター。
短い言葉で、メッセージを伝える仕事です。中村先生が書いた広告コピーをいくつか紹介してくれました。

例えば・・・
・NPO法人グリーンバード(清掃活動NPO)ポストカード
「お互いの幸せのために別れるのです。キャップとボトル。」
・ ソラリアプラザ(ショッピングセンター)CMコピー
「好きなものはたくさんあるのに、好きな人のことばかり考えてる。」
こんな広告コピーを書く、中村先生がケータイメールを言葉の表現によってうまく使う方法を教えてくれます。それが今回の授業です。

 まずは、ケータイメールならではの特性を解説してくれました。中村先生によるとケータイメールには、こんな特性があるそうです。

・リアルタイム/時間を利用したアイデア
・顔が見えない/表情を隠せる、直接言えないことも言える
・双方向/切り返しを利用した面白さ

こんな特性をフル活用して、心に響くメールを作るには・・・
「言葉×想像力」これが一番大事。数十文字の短さじゃ、全ては伝えられないから、言葉を用いて創造させることが大切だそうです。

これらを踏まえて実践編。
まずは中村先生が考えたメルニケーションの事例を紹介。

事例1、「メールで言い訳」
大切な会議の日に寝坊。上司への言い訳。そんな時のメルニケーション。

時間を稼ぐメール
・題名:確認です 本文:例の会議って火曜でしたよね?
・題名:緊急事態 本文:30分後にまたメールします。

時間差攻撃的メール
・題名:いま    本文:小樽にいます
題名:なんて   本文:言い訳は通じませんよね?

こんな風にメルニケーションすると、言い訳がユーモアになって許せる気がします。「使って怒られても保障はしません。」と中村先生は言っていましたが(笑)

次の事例は・・・
事例2、「メールでおめでとう」

手紙を書くほどではなくても、ケータイメールならオメデトウを言いやすいという特性があります。でもただの「誕生日おめでとう」だと、感動はさせられない。そこでこんなメルニケーション!

・題名:今日の 本文:空です。 ※その日の空の写真を添付してオメデトウの代わりに。
・題名:確認です 本文:(ロウソクの絵文字) ちょっと少なめがポイント

こんなメールなら何歳になっても誕生日を喜べそう。

続いては・・・
事例3、「メールで愛の告白」

いよいよ来ました!!「恥ずかしいので心の準備を」「成功は保障しませんよ」と中村先生。「考えるより、考えさせる」ことが大事だそうです。これを踏まえて。

結婚編
・題名:無題 本文:そろそろ
告白編
・題名:オレじゃ 本文:ダメ?

「タイミング術」
デートの後の帰り道
・題名:何で 本文:別のところに帰らなきゃいけないのかなぁ
クリスマスに
・題名:無題 本文:イエスが生まれた日に。ノーとは言わせないぜ。

歯の浮くような恥ずかしいセリフに教室内は大盛り上がりでした。

そして次は生徒の皆さんが考える番です。
中村先生からのお題
「デートで彼氏(彼女)とケンカしてしまいました。別れた後に仲直りのメールを送ってください。」
このお題を考えて、その場で先生のメールアドレスに送る形式。時間は5分。みんな真剣に考え中。授業中にメールを打つのが許されているって光景は新鮮です。
そして、中村先生からの好評。先生の気に入った作品が紹介されました。
・題名:死にたいです 本文:でも死にたくないから仲直りしてください。
・題名:ただいま 本文:反省タイムはいりました。終了時間を教えてくれる?
・題名:やっと 本文:ケンカするくらい仲良くなれたね(笑)
「なんだか人のメールを盗み見ているみたいで恥ずかしい」と先生は言い、読み上げられた生徒も、かなり照れていました。

次の課題はグループワーク。先の課題の回答メール
「題名:やっと 本文:ケンカするくらい仲良くなれたね(笑)」に対する返信を各グループで考えます。メールという身近な課題だけに、一人ひとりがアイデアを持って活発に話し合っていました。でも話している内容はかなり照れくさいものでしたけど。
各グループが考えた返信は
・Re 本文:私以外とはケンカしないでほしい
・Re 本文:これからもたくさん仲直りしようね
などでした。最後まで教室は盛り上がってCC学科は終了。
短い言葉でも、ケータイならではの特性を活かし考えることで伝える力が何倍にもアップすることを学びました。それはつまり言葉の持つ力、可能性の大きさなんだと思います。楽しいだけでなく、実践的で役に立つ、そんな1月のCC学科でした。

(ボランティアスタッフ 竹田芳幸)