シブヤ大学

授業レポート

2012/8/17 UP

みんなの図工室17 ~和布を使って、うちわをつくろう!~

 「みんなの図工室」シリーズ・第17段目は、和服のリメイクを手掛けている
Mikiひろさわさん(桐の花 デザイナー)をお招きして、和布を使ったうちわづくりを体験しました!
ひろさわさんは和布の魅力を、
柄が美しいこと、また柄と色がバランスよく配置されているところにあると言います。
さらにゆかた地は、通気性が良く、早く乾き、汗を吸い取ってくれるので、じめじめとした日本の夏の風土に最適だそうです。
さて、本日の授業には12名の生徒さんが集まってくれました。
中には、小学生のお子様もいらして和気あいあいとした空気の中で授業が進行していきました。
まずは、数多くあるゆかた地の中から、うちわの土台となる生地を選びました。生徒さん達の目は真剣そのもの。
しっくり来る布地の組み合わせが見つかるまで、ああでもないこうでもないと言いながら、試行錯誤していました。
それからは、うちわに張り付ける柄を切って貼り付けたり、刺繍糸で縫い付けたり、布地に絵を書いたり。思いのままのMyうちわを完成させていきました。
涼しげな色使いのうちわもあれば、温かい雰囲気のうちわもある。生徒さんそれぞれの「色」が出ていて、見ている私までもが楽しめました。
金魚のモチーフを刺繍糸で縫い付けていた生徒さんのうちわは、
まるで金魚がそのまま飛び出て泳いでいそうで、イキイキとしていました。
授業の終盤には、うちわの完成品をお互いにお披露目し、どこで使いたいかを発表し合いました!
「浴衣でも着て、お祭りで使いたいです!」
「会社で使いたいと思います!」
「親をこれで扇いであげたいです!」
自分らしい使い方をして頂けたらと思います。

最後に、ひろさわさんがこんなメッセージを贈ってくださいました。
「和の生地を自分の生活の中に少しでも取り入れてほしいです。」と。

先生は、和布の生地に親しんでもらいたい、より多くの人にその魅力を知ってもらい、着てもらいたいという想いから現在の活動をはじめました。
本授業に参加して下さった生徒さんは、皆和布の美しさに気づき、大きな「学び」を持ち帰ったのではないでしょうか。

(ボランティアスタッフ:矢永 奈穂)


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この日の先生は、ご自身がリメイクしたシャツをはおられての登場でした。
浴衣の古典的なデザインが、洋服に代わり、ステッチやスパンコールなどをあしらうと、見違えるほどモダンに代わり、目を奪われました。

授業最後に、みんなが披露したうちわは、ベースの布に刺繍をしたり、絵や陰影をペンで描き込んだりと、どれもが工夫に満ちた、個性に満ちた人目を引く作品になっており、手作りの温かさに満ちながらも、完成度の高い作品が仕上がりました。

街で配られる、出来合いの厚紙やプラスチックのうちわだと、その場限りの使い捨てといった印象が強いですが、時間をかけて作り上げた自分だけの和布うちわは、長く使えて手に馴染み、飾っておいても涼しげです。
みんなが、作りたてのうちわをあおぎながら、なごやかに帰っていく様子を見ながら、手作りうちわは、暑い夏を楽しむ余裕が感じられ、見る人にも爽やかな印象を与える、すてきなアイテムだなあと思いました。

(ボランティアスタッフ:小野寺 理香)