シブヤ大学

授業レポート

2012/8/31 UP

超初心者も踊れる!~1分間バレエ・ワークショップ

チャコットとシブヤ大学とのコラボレーションによる全4回のワークショップの最終回。過去3回の授業で学んだバレエの知識を元に、今回は、自分たちも実際に踊ってみるという体験講座です。「小さい頃から、バレリーナに憧れているの」「でも自分じゃとてもあんな風に踊れないし」「もう大人になってしまったし」という思いを抱えている人は、たくさんいると思いますが、今回は、そうした人たちにバレエに触れ、親しんでもらえるような講座になっています。

受講者は、女性の数が圧倒的に多かったのですが、それでも男性の姿も見られました。また、経験者の人もおり、バレエシューズ持参の人も何人かいました。

まずはみんなで円になって、名前と自分のチャームポイントを言いました。みんな、恥ずかしがりながらも「笑顔」「鎖骨」「長い手」などと発表していきます。末広亜古先生は「そのチャームポイントを、踊っている時に活かせればいいですね」とおっしゃいました。人に演じてみせるということは、そういった意識が必要なのだと、気が付きました。

暑い日でしたが、先生が「エアコンは、筋肉を冷やしてしまうため、つけすぎはよくありません。自然の風を入れましょう」と言われたため、みんなで窓を開け放ちます。確かに、冷房の効きすぎは身体によくないし、身体がこわばってバレエのパフォーマンスも落ちてしまうとのこと。まずは身体に負担の少ない環境状況に、身体を慣らしました。

先生は、とても明るく気さくな方で、初心者の気持ちもリラックスさせてくれます。遠慮して後ろの方にいる男性陣にも声をかけ、なごやかな雰囲気を作っていただきました。人柄でも技術でも人気のある先生で、参加者の中には「先生のレッスンには、ハードルが高くてなかなか参加できないんです!」という、先生のファンが何名もいました。

「バレエとは、身体を使って語りかけることです」と言われる先生。頑張りすぎないことが大切だそうです。バレエというと、どうしても完璧を求める厳しい世界のように思われますが、リラックスして取り組めるものなんだと考えると、気が楽になりました。

ストレッチを念入りに行ってから、バーレッスンを始めます。初めてバーを組み立てて、どう使うのかもわからずにはじめは緊張しましたが、すぐに慣れました。音楽に合わせて、背筋を伸ばし、プリエ(膝を曲げる動作)の練習を行います。経験者とは違って、足の動かし方がわからずおどおどする私たちでしたが、「バレエは、右の次は左、前の次は後ろと、動作が対になっているから、慌てなくて大丈夫」と言われて、安心しました。

身体が十分ほぐれてから、いよいよダンスのステップを覚えます。『くるみ割り人形』の「あし笛の踊り」に合わせての踊り。先生のお手本をみんなで観賞してから、一つ一つ教わっていきました。「女性は基本かわいらしく。男性は堂々とした動作でね。お辞儀をする時には心から感謝しましょう」そうすることで、、気持ちが動作に表れると、何度も話して下さる先生。確かに、微笑みが自然に顔に浮かんでくるものです。

全部のステップを教わってから、通しで合わせてみました。1分間バレエといったら、ほんのちょっとだけ、あっという間に終わるような印象を受けますが、実際にはかなり長い時間なんだと、踊ってみて気付きます。全員で踊ってみて、(なんとか止まらずにできたかな)と、めいめいがこっそり安心していたら、先生が「では、さっそく4人ずつで発表しましょうね」とサクサクグループわけをしていったので、みんなで「ええっ!」と驚きました。

どうしよう!緊張するー、忘れちゃうー、などと口々に囁き合いますが、先生は「間違っても大丈夫だから」と繰り返し仰います。全員が踊るんだし、と覚悟を決めて踊ってみたら、それなりに形になって、みんなから拍手喝さいを受けました。バレエ音楽に合わせて踊るって、気持ちがいいものです。

そのあとのほかのグループの踊りを見ても、みんなが即席で覚えたとは感じられない、きちんとしたパフォーマンスを見せてくれたので、心から拍手をしました。最後のトリは、男性4名。初めこそ臆していた男性参加者たちでしたが、「4人の王子の踊りですよ」と先生に紹介され、最後にはみんなの前で、しっかりと踊りを披露していました。ブラボー!

講座終了後は、誰もが達成感に満ちた、生き生きした笑顔をしていました。私もとても楽しくて、身軽になった身体で、ステップを踏むように帰りました。チャコットでバレエを発表したなんて、超初心者にとっては夢のようなことです。とてもいい体験になりました。

(ボランティアスタッフ:小野寺 理香)