シブヤ大学

授業レポート

2011/4/25 UP

それでもあの人が心臓病になってしまった場合

シブヤ大学×日本心臓財団のコラボ授業です。

【授業内容】
1.心筋梗塞と狭心症の違いは?
2.セックスをしてもいいの?
3.自分にできることは?

日本の病院の診察室は、ひとつの部屋にカーテンなどの仕切りをして
個室としているところが多く、話が聞こえてしまうことがあります。
患者さんはなかなか聞けない、お医者さんも患者さんのプライベートに踏み込めない、
そんな話題にしにくい、でも気になるセックスを切り口に授業が展開されていきました。

1.心筋梗塞と狭心症の違いは?
簡単例えると、両手を首に回してグっと力を入れてみてください。
苦しくなります。これが狭心症です。
これをさらに10分、20分…同じ状態だったら?
死んでしまいます。心臓が死んでいまい、臓器に血が回らなくなります。
これが心筋梗塞です。

2.狭心症の夫とは普通にセックスしても良いのでしょうか?
授業紹介に書いてあった質問ですね。
米国での心筋梗塞既往者に聞いたもので、
セックスを減らしたか?という質問に

やめた・・・・・・25%
回数を減らした・・・50%
以前と変わらず続けた・・・25%

心筋梗塞になる直前に何をしていたか?

セックス・・・0.9%
起きかけ…19%
精神ストレス…11.6%
過運動・・・4.9%
怒った後・・・2.4%

意外や意外、思いっきり怒ったときの方が心筋梗塞へのリスクが高いという結果になりました。
どれもまばらで、どれが危険ということは断言できないようです。
それでは、なにも予防できないのでしょうか?
そんなことはなく、安心してセックスするための5か条があります。

1.毎日体を動かそう
2.健康な食生活
3.タバコをやめよう
4.太りすぎに注意
5.医師の治療を続けよう

1から4は自分でできること。努力は大切なことですが、病気には完全に勝てないこともあります。
そんなときは、お医者さんと薬も使いましょう。
あくまでもサポートとして、病気は自分でなおすもの、
運動もお医者さんの指導の元で行っていくべきとのことでした。

セックスは運動として考えて、運動量を比較してみると…?
歩行<セックス<自転車
激しい動きをして心臓に負担がかかりそうというイメージがあるかもしれませんが、
そんなに運動量はないんです。
それでも、不安という人への質問です。
「階段を休まずに上れますか?」
個人差があるので、断言は出来ませんが、一般的な目安になるそうです。
上れれば、とりあえず大丈夫とのことでした。
でも大切なのは、医療機関で負荷テストを受けて、自分がどのレベルの運動までなら
大丈夫なのか把握することです。

3.最後に被災者の方はどう予防していくべきなのか?
という生徒さんからの質問がありました。
狭い空間での生活によってエコノミー症候群になる可能性があるので、
ストレッチなどの軽い体操をすること。
回診が来たら申し込みをして、受診すること。
というお答えをいただきました。

また、大切な人がそれでも病気してしまったら、できることは?との質問には
5か条のサポートをしてください。
蘇生法を覚えておくことも大切です。
アスピリンも有効です。
アスピリンは風邪薬として有名ですが、血液をサラサラにしてくれる効果があります。
最初の数分間の処置が勝負です。
財団主催の講習もあるので、チェックしてみてください。


【授業を受けて】
5か条を見て、いきなりは難しそう、大変そうと思いました。
そこで、完璧でなくても、今すぐ出来ることってどんなことだろうと考えてみました。

1.毎日体を動かそう
走るとき、今すぐ着替えて走るのは難しい。少し走っただけでもう息が切れる…。
そんな人は毎日1キロでもいいから走って、ついでに筋トレをして、食生活をバランスの取れたものにする…
こうしたトレーニングを積めば、一ヵ月後にはずっと楽に長い距離を走れるようになります。

2.健康的な食生活
今の世の中は、ファストフードやインスタント食品があふれています。
必要以上の脂質、コレステロールを摂取すると高血圧症の原因。
明日からいきなりファストフード、インスタント食品禁止、は大変だし、なんだか途中で疲れてしまいそう。
週末は和食。お刺身にお味噌汁、白いご飯、きんぴらごぼうや煮物の小鉢。
普段より少し贅沢においしくすごすのもいいかもしれません。

3.タバコをやめる
最近値段が一気にはね上がりましたね。
タバコは心臓病だけでなく、癌のリスクもあります。
増税をきっかけに少しずつ減らして思い切って辞めてしまうのがおすすめです。
そして今までのタバコ代を2番の週末や時間のある日にバランスの取れた食事を大切な人と取って楽しい時間を過ごす
…なんだか禁煙がうまくいきそうな気がしてきませんか??

4.太りすぎに注意
太り気味の人は、毎日の晩酌を減らしたり、おつまみをヘルシーなものにするといった楽しみながら
少しセーブ。たとえば、いつもはから揚げをおつまみにするところを冷奴にしてみたり・・・。
甘いものが大好きな人は、ケーキにジュースの組み合わせから、季節が感じられる上生菓子に緑茶。
大好きなものを辞める、というのはつらいものです。
楽しみはとっておきながら、出来る範囲からはじめてみるのはうまく行きそうな気がします。

小さなことでも少しずつ変えていくと大きな効果が出てきそうです。
まだ若いからかかるわけがない、と思って油断していたので、
この授業に参加して危機感を持つことが出来ました。
授業を受けてから筋トレを始めたり、階段を使うようにするなど意識をするようになりました。

皆さんも、5か条を試してみてはいかがでしょうか??

(ボランティアスタッフ:藤野郁美)