シブヤ大学

授業レポート

2011/3/11 UP

「兄弟になった日本人とネイティブアメリカンのもの・かたり」

おとな学科4回目の授業は、北米先住民族の一つラコタ族ベン・エルク・イーグルさんと
環境教育に携わる松木 正さんを先生にお迎えし、ネイティブアメリカンの暮らし方(LakotaWay)
と自己を肯定する大切さを中心に「おとな」について考える約4時間のハートフルな授業でした。


● 第一部 大人になるための、ココロの話

現在カウンセラーの松木さんのお話は感動的で、とても分かりやすく、生徒のみなさんは先生のお話に
吸い込まれ、完全にノックアウト。先生のお話の深さに教室が一瞬「しーん、、、」とする場面や、涙を
こらえているような音が聞こえてきたり、普段なかなか味わえない時間を共有することができました。

〇 生命の木(人)が立つための根を育むために


〇 自己肯定感(Self-esteem)




● 第二部 life is simple

ベンさんは、「Self-esteem(自己肯定感)」と「7Values of Lakota LIfe」についてお話下さいました。
普段自分が気をつけていること、自分が生きていく上で大切にしないと、と感じていることを言葉にして
示していただけた、今まで読んできた本の中の言葉を、生の声で聞けた事がとても良かったです。


人生はシンプルであって、自分の捕らえ方次第で幸せになれる。
複雑な社会、時代。いろんなことを難しく考えてしまいがちです。
人間のココロは本当に複雑。でもちょっと視点を変えれば、なんてことない。




一つ一つの言葉が熱、強さをもち、迷いがなく、人を好きになり愛するそのおもいを全開にして、
瑣末なことにとらわれずにそれに集中する様子が伝わってきました。
自分の心というか、自分自身を開かせてくれる本だとおもいます。



・すべては正しい時に、正しい場所で起きる

・自分のハートが「よし!」と言ったことに人は決して後悔しない

・信頼(Faith)のないところには、何も起こらない
 Faith(信頼)は、すべてAccept(受け入れる)から始まる
 分かち合う(Sharing)

・言葉というのは響きだ。響きには、魂が宿る。ラコタの人たちにとって「言葉」は、「スピリット」と同じ意味を持つ。


・「受け取る」ことと「受け入れる」こととは違う  あなたと私をはっきりと、分かつこと。

・「きみは冷たい人やね」言った相手の問題であって、あなたが同意する必要はない。
・執着しなければ、ものも人も、必要な場所へとめぐっていく。
 「ギブ・アウェイ」:自分の持っているもの、知っていること、出来ることを見返りを期待せずに
「与えつくす」意。


・自分を信頼すること~それは最もすばらしい生き方~
 答えは自分の心の中にある。Accept you! きみを受け入れなさい。
 てめえのケツは、てめえでふけ!
 一番大事なのは、自分の心の内側に自分自身で歩み寄っていき、答えを見つけ出してくること。

・「つながり」は「かかわり」の中で見えてくる。すべては、思い通りになんてならない。

・自立しようと思ったら、ヘルプメッセージを出せなくてはいけない。
 誰もが助けを求める権利がある。
 子どもも大人もみーんな「助けてくれ~!」と言っていい

・人が泣くときと、笑うとき、自分の魂とつながることができる

・Walk in balance!  調和の中を歩め!

・思い悩んだり、身動きが取れなくなったとき、遠い先を考えるのではなく、大それた夢をみるのでなく、
「今ここに、目の前にいる人のために」自分が出来ることを与えつくす。
・「今ここ」という瞬間に、幸せになる種や元気になる種が落ちている。

すてきなコトバを一気にたくさん吸収して、何か起きてるなー、みんな泣いてるなー
という間、しーんとした瞬間があり、なかなか体験できない時間だったと思う。
ベンさんの話す英語のひとつひとつが、wifeまゆみさんへの感謝の気持ちとか、
loveが感じられて、じーんとしました。
we have a choice then, we met be here。。。とか、life is simpleとか、
何かが欠けてようが、そのあるままを、存在を大事にし、adjustmentして、
everybody get togetherすることは、イコールloveなのね。

わかっちゃいるけど、そう簡単には変われないのが、厳しい現実。
でも、今年こそは、と思ってます。


● 予備知識 ベンさんたちラコタ族

ラコタ族とは、現在は米国サウスダコタ州に居留地(Reservation)を領有している
インディアン部族。ケビン・コスナーの「ダンス・ウィル・ウルブス」で、南北戦争時代の
フロンティアを舞台に北軍の中尉と、スー族と呼ばれるインディアンとの間で交わされる
心の交流を描いた作品、あの風景がサウスダコタ。

スー族とは「ダコタ族、ラコタ族、およびナコタ族」の総称。
「ラコタ」は彼らの言葉で、「人、友人、同盟者」を意味します。
ベンさんはなんと関西出身の日本人のワイフ「マユミさん」と居留地で暮らしています。
ベンさんのお仕事は、自身の経験を生かし、居留地でアイデンティティを失ったり心の支えを
必要としている人たちのためのトリートメントを行なっているそうです。
ベンさんの被っている黒いキャップには、十字と輪で構成されアメリカ先住民のとても大切な
シンボル「メディスンホイール(円)」4つ色違いの輪が描かれていて、
「輪はすべてのものと自分はつながっている」という意味があるそうです。
ちなみに黄色はアジア人、白は白人、黒は黒人、赤はネイティブアメリカン。

(ボランティアスタッフ:高木夕子)