シブヤ大学

授業レポート

2011/3/9 UP

掃除のことを熱く考えた1日 ~窓も心もピカピカに!~

毎日の掃除、面倒だな~という気持ちに、たくさんのヒントとやる気を与えてくれた楽しい授業。先生は、東急ハンズのお掃除スペシャリスト漆原健雄さんと、同社のスタッフのみなさん、そしてシブヤ大学恵比寿キャンパスのお母さんこと・新谷比佐さん。午前から夕方まで、ガイダンス、お掃除体験、ディスカッションという3部形式の1日でした。

● 第1部 お掃除ガイダンス
3つのテーブルごとに、まずはお互いの自己紹介をしてリラックスした後、漆原さんから掃除についてのお話を聴きました。
「掃除は健康によい」「掃除は清々しい」「汚れはためてしまうと、強い洗剤を使わなければならず、床や壁も傷んでしまうので、小まめに掃除することが大切」「軽いうちはエコ系洗剤でOK」などと聞いて、なるほど!

そして、洗剤には欠かせない界面活性剤の働きを見るために、ちょっとした実験を行いました。
ぬるま湯を注いだ器にラー油を入れると、全く分離して固まって浮かんでいたのが、洗剤をほんの少し入れるだけで、みるみるラー油は溶けていきます。こしょうを入れたものも同じ。
今度はぬるま湯に毛糸や布を入れ、最初はただ浮かんでいたのが、洗剤を入れると、器の中にふわっと浸透していくのがよく分かります。
その変化を目の当たりにして、界面活性剤の効果を改めて感じました。

次に、新谷さんによる「我が家の掃除裏技」。
「掃除の技に裏も表もないんですけどね」と、笑いながら見せてくれたのは、素敵な器に入った自作の洗剤。粉石けんをお湯に溶いて、アロマなどの香りをつけたというもの。これをキッチンペーパーにちょっとつけて、シンクや蛇口を磨くのだそうです。部屋がきれいに見えるコツは、「光るものを光らせておく」。そして「窓ガラスを磨くことは心も磨くこと」という言葉に、みなさん大きくうなづいていました。
掃除機をかけるときは、「明日の分もやるぞという気持ちでやると、かなりきれいになります」と、ちょっとしたコツをたくさん教えてくださいました。

● 第2部 お掃除体験
持参のお弁当で昼食タイムを取った後は、実際のお掃除体験を。
みなさんエプロンやバンダナでお掃除ファッションに変身し、グループごとに、東急ハンズさんの研修施設内のキッチン、トイレ、リビングへと順番に移動。それぞれの場所でスタッフのみなさんが丁寧に説明をしてくださいました。

キッチンでは、流しの水アカを取るのは、クエン酸や重曹がおすすめとか。こびりついた油汚れは、無理に取ろうとはせず、キッチンぺーパーなどに重曹をしみ込ませてしばらく貼っておいて、油を浮かせて取るなど、これはほかの場所にも応用できそうです。

トイレでは、いろいろな種類の洗剤や、専用ブラシを見せてもらい、一人ずつ好きな道具を手に取って実際に便器を掃除してみると「あー、これいい!」なんていう声が次々と・・・。
洗面所でも、ちょっとしたスポンジを使えば鏡はピカピカに。それぞれ用途に応じて、道具を使いこなすことが、掃除を楽しくするコツと言えそうです。

さらにリビングスペースに移動して、窓ガラス拭きのアイデア商品や掃除機の使い勝手を試すなど、知らなかった道具に次々と出合って、お互いの話も弾みました。

●第3部 ディスカッション
ティータイムの後には、グループごとにディスカッション。
我が家の掃除術、はかどる掃除、楽しい生活のヒントという3つのテーマごとに席を替えて、多くの人と話せるようなワールドカフェ方式で行いました。

最後に一人ひとりが発表をし、主に次のような感想が出されました。

・掃除の前に、まず片付けがくるので、整理収納してスッキリしてから。
・掃除は無理せず、完璧を求めず、継続のために身の丈に合ったやり方を。
・体と心はリンクしていることを感じた。
・重曹とクエン酸の化学変化のことを本で読んだが、ここへ来て人との出会いで、また化学変化が起きるなと思った。
・掃除嫌いだったけれど、これからは楽しくどんどんやりたい。
・掃除をすると気分がよくなるというのはなんとなく気づいていたけれど、今日はそれがはっきりわかった。
・掃除することによって、過去にとらわれず未来を見られるようになる。
・ここまで掃除のことを考えた日はなかった。

巷には掃除本も、掃除グッズもたくさん出ていますが、家では、ただ黙々と自己流でしていたことばかり。
これだけの掃除情報を共有して、これだけたくさんの人と掃除について熱く語ったことは、おそらくみなさん初めてのことでは!

最後に、可愛いエプロンとバンダナをしていた男性と女性それぞれに、ベストお掃除ファッション賞が贈られました。形から入ることも大切です。
体も心も軽くなった気分で、この1日の成果、きっとこれから毎日の暮らしに生かしていけそうです!

講師のみなさま、本当にありがとうございました。

(ボランティアスタッフ:大野多恵子)