シブヤ大学

授業レポート

2010/6/25 UP

神宮掃除レポート

<神宮7時半>

集合は土曜日の早朝7時半。よのなかは、まだ動き出していません。折しも「朝活」ブームの中、早起きしたい、朝の時間を有効活用したい、と願う女子たち(なぜか女性率8割)が集まりました。中には、普段より2時間早い4時台に起きて、栃木や茨城から来たという強者も…。

集合まではそれなりに雨が降っていたものの、説明をしている間に日が差してきて、社務所に向かう間に雨は完全に上がってしまいました。雨上がりのしっとりとした朝の参道はとても涼しくて、東京ではないような感覚に包まれます。


<朝のお祈り>

「うわっぱり」という白装束を羽織って、まずはお掃除前の参拝から。ちょうど8時から始まる、「毎日欠かさない平和へのお祈り」朝御饌(あさみけ)の儀式に参加させていただきました。ふたりの神官が祝詞を上げ、食事を供えるのを、神妙な気持ちで見守ります。

隣でうんちくを語ってくださるのは、「神主の中でも一番明治神宮が大好き」と豪語する、高畠さん。高畠さんが今日の先生役で、プログラム全体を通じて、神宮の由来からひとつひとつの儀式・造作の意味などについて教えてくださいました。


<はきそうじ>

さて、掃除の前半戦は「はきそうじ」。参道の石畳や砂利敷きを竹箒で掃いて、木の葉や枝をまとめていきます。それぞれ竹箒を抱えて、3ヶ所の持ち場に分かれ、黙々と掃く。雨の後なので、色とりどりの葉っぱが落ちています。目を凝らさないと気づかないような小枝が、そこらじゅうに落ちていることに気がつきます。ちりとりに集めた枝葉は「一石一草たりとも持ち出してはならない」明治神宮の規律に従い、森に戻します。循環型なのです。

明示神宮の広い参道をふだん掃除するのは、たった10人(お休みを入れると常時8人程度)しかいない「掃き屋さん」。掃き屋さんのひとりは、自ら改良を重ねたという、柄の長い特製竹箒をもっていて、すごいスピードで掃いていきます。裏方の見えないところで、熟練の職人さんが働いていることに気づかされます。


<ふきそうじ>

掃除の後半戦は「ふきそうじ」。かたく絞った濡れ雑巾をめいめい持って、柱や梁を手の届く範囲で拭いていきます。このときのポイントは「木目に沿って、そっと、木のあぶらがはげないように」。つい、ごしごしとやってしまうと、そこだけ見栄えが悪くなってしまうということ。気をつけながら、ソフトタッチで回廊を一周するように拭いていきます。

ふきそうじの指導と、たくさんのバケツ・雑巾を用意してくださったカモシタさんは、なんと「19時就寝・2時50分起床」という、朝活ブームもびっくりの超健康体。ふだん、裏方さんとお話する機会はめったにないので、いくつもの質問が飛び交いました。


<ふりかえり>

ここまで正味2時間みっちりの掃除奉仕。これを終えて、再度本殿に参拝し、控室に戻って振り返りのワークを行いました。5人前後のグループで、「なぜこの授業を選んだか」と「授業を受けての感想」を語り合います。

「そうじが楽しいと思ったのは初めて」
「旦那にも言ってもらえない『ごくろうさま』の声が嬉しい」
「『奉仕』って言われるけど、学ばせてもらうことばっかり」

朝×神宮×掃除。からだを使って新しい世界に出会える、大満足体験でした。


(ボランティアスタッフ:入谷 聡)