授業レポート
2010/2/19 UP
緑の地球の救世主、シブ大油田開発部発足?!
● 2010/01/23@ケアコミュニティ・美竹の丘
「渋谷油田ヲ発掘セヨ!」、「眠れるリサイクル資源発掘」っていったい何??タイトル然り、かなり強いメッセージ。この授業に惹きつけられた方も多かったのではないでしょうか?実は私もその一人です。
大型量販店などで衣料引取り制度を行う企業も増えている昨今(商品券をもらえるのは嬉しいが、その後の服の行方が気になるところです)、今回の授業は、衣類リサイクルに挑戦する世界に類を見ないスバらしい技術を開発した日本人の、社員たった3名のベンチャー会社「日本環境設計株式会社」の紅一点、キュートな吉村知恵先生をお招きし、リサイクルに興味深々な約30名の生徒が集いました。
最初の45分は吉村先生の会社概要、綿繊維製品からバイオエタノールを製造する技術と実用化についてわかりやすくお話頂き、その後、生徒さんが持参した衣料品を集め、バイオエタノールの量を計量(今回集まった綿繊維は14.9Kg≒57.3ml)しました。それを踏まえて後半は、生徒が5~6人一組に分かれ、埋蔵繊維製品を“油田”とみたて、回収・再利用へつながる道を“鉱脈”と考え、どのように集めたら効率的か?それぞれアイディアを模造紙に書き込み、最後は6チームでプレゼン大会。生徒さん全員が挙手で選んだ1位チームは、
「シブ大油田開発部」チーム。部活動にしてシブヤ大学そのものを、このプロジェクトにしよう!が、10票でした。
昨年のCOP15(気候変動枠組条約締約国会議)@コペンハーゲンは、結果的にはbetter than nothing、、、ほぼ破綻という形で幕を閉じましたが、ここシブ大で行なわれた「眠れるリサイクル資源発掘作戦会議」は大成功!この授業で綿繊維はリサイクルできるという現状を知ることで、「伝える」→「やればできる」に心は動きました。
● 不要になった繊維衣料、みんな困ってます!
まず、生徒みんなの現況を共有。不要になった服は「可燃ゴミで捨てる人」よりも、「押入れに溜める・リサイクルする・自治体の廃品回収へ出す人」が上回り、半数以上の人は埋蔵金留保者であることを確認。そして、不要になった服の回収は必要である、問題に思っている生徒は全体の6割でした。
● 新エネルギヲ発見セヨ!
急激な人口増加などにより、エネルギーの消費量の増加が危惧され、エネルギー不足は深刻です。
その上、CO2削減、地球温暖化は分けて考えることができない、放っておけない大きな問題。
この危機的状況を打破するため、日本でも新エネルギーの開発は進んでいます。
・太陽光発電:政府は太陽光発電の買取額を2倍に、設置費用の補助金も復活、そうはいっても設置費用の回収までに10年もかかるとか
・風力発電:近隣住民の騒音問題など、日本のような小さい国では難しい
・バイオマス:開発途上国では原料になるトウモロコシや大豆など彼らの主食が輸入用と燃料用に転用され、食料不足という新たな危機が貧困層を襲い、輸入に頼っている日本の食生活にも大きな影響を与えた
そんな現状を打破すべく、日本環境設計さんは未だにリサイクルが進まない分野に挑戦、「衣類」からバイオエタノールを作る技術の開発に成功しました。
● 服はなんと、バイオエタノールになる!
着れなくなった衣類は着てくれそうな人にあげたり、リサイクルする人も増えてきました。ただ、汚れているものは他人にあげられなかったり、、、限界がある。
買わないは、つまらないし、経済が回らなくなり、アウト。無駄なものは買わない、のは当然ですけどね。
私たちが日常で使い終わったものは、さまざまな形で再利用されています。例えば、段ボールは95%・飲料缶は88%が回収、リサイクルされています。
では、衣料など繊維製品はというと、行政指導により可燃ゴミ扱い。年間約200万トンのうち、回収・リサイクルされているものはわずか14%、残りの197万トンは廃棄物として埋め立てられたり、焼却されています。
これは東京ドーム3個分に相当するそうです。
日本環境設計さんは、以下の技術により、焼却で排出されるCO2を削減するばかりか、
食料とも競合しない、廃棄物から地球環境にやさしい第二世代の国産エネルギーを生み出しました。
トウモロコシ、おから、大豆、じゃがいもの皮、稲わら、古紙に大きく溝をあけ、ダントツ1位の還元率!
綿繊維は、約60%のバイオエタノールになるのです!
ちなみに、バイオエタノール精製工程は以下のとおり。
(綿繊維を粉砕したもの+水)+酵素(たんぱく質)=糖化し、ブドウ糖になる→→ブドウ糖+パン酵母を加えて発酵させる=エタノール
現在は実験段階。販売できるレベルまで、あと一歩。
今後は、材料やプラントが安定すれば、生産コストは抑えられ、変換コストは安くなり採算はとれると思料。現在、実験プラントは愛媛県今治市(今治はタオル・ガーゼの生産地であるため、生産時に出る綿繊維の廃棄物が無制限にあり、自治体がリサイクルに熱心)にあるが、大都市圏なら、大型SCなどにブースやプラントを作り、そこで顧客に呼びかければ、効率的に回収でき、運送費も抑えられます。
埋めたり、燃やしてた衣類が宝の山に変わり、その宝の山は身近に存在する。
ゴミに出すしか選択肢のなかった衣類の行方は、明日からは少し違うのです。
● GO ACTION !
6チームのプレゼン内容を要約してみました。シブヤ発、衣類からのリサイクルであるので、
「おしゃれに、カッコよく、楽しくリサイクル。モチベーションが上がる方法で還元」が基本であると全員一致。
そのほか、集めること、運ぶこと、分別すること、還元することのしっかりした循環社会をつくることが重要、
還元方法は、電子マネー(Suica、PASMO、WAON、nanaco)に還元されたらいいね、等、具体案も挙がりました。
【回収場所】
環境に優しいことをするので、既存の施設を利用すること。例えば、コンビニ、大学、大型ショッピングモール、チェーンストアの衣料品店。CSR(企業のイメージアップ)に繋がるので協力してくれそう、という意見が多かったです。
ユニークでかつ実用的な「クリーニング店」を挙げたチームがあり、一堂、目からウロコでした。
確かに、プロはちょっと触っただけで即時に素材仕分けができそうです。
【大型回収先】
・ホテル、アパレル、古着屋さん、リサイクルショップ、個人の箪笥(学校経由で呼びかけ)、引越し業者
・病院、工場のある企業
【仕掛け】
・友達、同僚にお声がけ作戦!
・小学校でリサイクルの授業を行ない、子供から大人へ教育→学校の廃品回収に参加
・シブ大HPで告知、HPのTOPに「バイオエタノール生産量」&「CO2削減量」を数字で開示する
・グリーンバードと一緒に活動し、渋谷区役所を動かし、最終的には政府を動かす?
・出来たバイオエタノールで「シブ大グッズ」販売、夢はお酒も造る??
京都議定書のCOP3から12年。
将来の世代に温暖化のツケを残してしまうのはかっこ悪い。
この繊維リサイクルで、「地球」と「社会経済」と「人」のグッドバランスを保つこと、
循環型の社会が現実になり、2012年までの約束「-6%」も夢じゃないかも?
(運営スタッフ: 高木夕子)
「渋谷油田ヲ発掘セヨ!」、「眠れるリサイクル資源発掘」っていったい何??タイトル然り、かなり強いメッセージ。この授業に惹きつけられた方も多かったのではないでしょうか?実は私もその一人です。
大型量販店などで衣料引取り制度を行う企業も増えている昨今(商品券をもらえるのは嬉しいが、その後の服の行方が気になるところです)、今回の授業は、衣類リサイクルに挑戦する世界に類を見ないスバらしい技術を開発した日本人の、社員たった3名のベンチャー会社「日本環境設計株式会社」の紅一点、キュートな吉村知恵先生をお招きし、リサイクルに興味深々な約30名の生徒が集いました。
最初の45分は吉村先生の会社概要、綿繊維製品からバイオエタノールを製造する技術と実用化についてわかりやすくお話頂き、その後、生徒さんが持参した衣料品を集め、バイオエタノールの量を計量(今回集まった綿繊維は14.9Kg≒57.3ml)しました。それを踏まえて後半は、生徒が5~6人一組に分かれ、埋蔵繊維製品を“油田”とみたて、回収・再利用へつながる道を“鉱脈”と考え、どのように集めたら効率的か?それぞれアイディアを模造紙に書き込み、最後は6チームでプレゼン大会。生徒さん全員が挙手で選んだ1位チームは、
「シブ大油田開発部」チーム。部活動にしてシブヤ大学そのものを、このプロジェクトにしよう!が、10票でした。
昨年のCOP15(気候変動枠組条約締約国会議)@コペンハーゲンは、結果的にはbetter than nothing、、、ほぼ破綻という形で幕を閉じましたが、ここシブ大で行なわれた「眠れるリサイクル資源発掘作戦会議」は大成功!この授業で綿繊維はリサイクルできるという現状を知ることで、「伝える」→「やればできる」に心は動きました。
● 不要になった繊維衣料、みんな困ってます!
まず、生徒みんなの現況を共有。不要になった服は「可燃ゴミで捨てる人」よりも、「押入れに溜める・リサイクルする・自治体の廃品回収へ出す人」が上回り、半数以上の人は埋蔵金留保者であることを確認。そして、不要になった服の回収は必要である、問題に思っている生徒は全体の6割でした。
● 新エネルギヲ発見セヨ!
急激な人口増加などにより、エネルギーの消費量の増加が危惧され、エネルギー不足は深刻です。
その上、CO2削減、地球温暖化は分けて考えることができない、放っておけない大きな問題。
この危機的状況を打破するため、日本でも新エネルギーの開発は進んでいます。
・太陽光発電:政府は太陽光発電の買取額を2倍に、設置費用の補助金も復活、そうはいっても設置費用の回収までに10年もかかるとか
・風力発電:近隣住民の騒音問題など、日本のような小さい国では難しい
・バイオマス:開発途上国では原料になるトウモロコシや大豆など彼らの主食が輸入用と燃料用に転用され、食料不足という新たな危機が貧困層を襲い、輸入に頼っている日本の食生活にも大きな影響を与えた
そんな現状を打破すべく、日本環境設計さんは未だにリサイクルが進まない分野に挑戦、「衣類」からバイオエタノールを作る技術の開発に成功しました。
● 服はなんと、バイオエタノールになる!
着れなくなった衣類は着てくれそうな人にあげたり、リサイクルする人も増えてきました。ただ、汚れているものは他人にあげられなかったり、、、限界がある。
買わないは、つまらないし、経済が回らなくなり、アウト。無駄なものは買わない、のは当然ですけどね。
私たちが日常で使い終わったものは、さまざまな形で再利用されています。例えば、段ボールは95%・飲料缶は88%が回収、リサイクルされています。
では、衣料など繊維製品はというと、行政指導により可燃ゴミ扱い。年間約200万トンのうち、回収・リサイクルされているものはわずか14%、残りの197万トンは廃棄物として埋め立てられたり、焼却されています。
これは東京ドーム3個分に相当するそうです。
日本環境設計さんは、以下の技術により、焼却で排出されるCO2を削減するばかりか、
食料とも競合しない、廃棄物から地球環境にやさしい第二世代の国産エネルギーを生み出しました。
トウモロコシ、おから、大豆、じゃがいもの皮、稲わら、古紙に大きく溝をあけ、ダントツ1位の還元率!
綿繊維は、約60%のバイオエタノールになるのです!
ちなみに、バイオエタノール精製工程は以下のとおり。
(綿繊維を粉砕したもの+水)+酵素(たんぱく質)=糖化し、ブドウ糖になる→→ブドウ糖+パン酵母を加えて発酵させる=エタノール
現在は実験段階。販売できるレベルまで、あと一歩。
今後は、材料やプラントが安定すれば、生産コストは抑えられ、変換コストは安くなり採算はとれると思料。現在、実験プラントは愛媛県今治市(今治はタオル・ガーゼの生産地であるため、生産時に出る綿繊維の廃棄物が無制限にあり、自治体がリサイクルに熱心)にあるが、大都市圏なら、大型SCなどにブースやプラントを作り、そこで顧客に呼びかければ、効率的に回収でき、運送費も抑えられます。
埋めたり、燃やしてた衣類が宝の山に変わり、その宝の山は身近に存在する。
ゴミに出すしか選択肢のなかった衣類の行方は、明日からは少し違うのです。
● GO ACTION !
6チームのプレゼン内容を要約してみました。シブヤ発、衣類からのリサイクルであるので、
「おしゃれに、カッコよく、楽しくリサイクル。モチベーションが上がる方法で還元」が基本であると全員一致。
そのほか、集めること、運ぶこと、分別すること、還元することのしっかりした循環社会をつくることが重要、
還元方法は、電子マネー(Suica、PASMO、WAON、nanaco)に還元されたらいいね、等、具体案も挙がりました。
【回収場所】
環境に優しいことをするので、既存の施設を利用すること。例えば、コンビニ、大学、大型ショッピングモール、チェーンストアの衣料品店。CSR(企業のイメージアップ)に繋がるので協力してくれそう、という意見が多かったです。
ユニークでかつ実用的な「クリーニング店」を挙げたチームがあり、一堂、目からウロコでした。
確かに、プロはちょっと触っただけで即時に素材仕分けができそうです。
【大型回収先】
・ホテル、アパレル、古着屋さん、リサイクルショップ、個人の箪笥(学校経由で呼びかけ)、引越し業者
・病院、工場のある企業
【仕掛け】
・友達、同僚にお声がけ作戦!
・小学校でリサイクルの授業を行ない、子供から大人へ教育→学校の廃品回収に参加
・シブ大HPで告知、HPのTOPに「バイオエタノール生産量」&「CO2削減量」を数字で開示する
・グリーンバードと一緒に活動し、渋谷区役所を動かし、最終的には政府を動かす?
・出来たバイオエタノールで「シブ大グッズ」販売、夢はお酒も造る??
京都議定書のCOP3から12年。
将来の世代に温暖化のツケを残してしまうのはかっこ悪い。
この繊維リサイクルで、「地球」と「社会経済」と「人」のグッドバランスを保つこと、
循環型の社会が現実になり、2012年までの約束「-6%」も夢じゃないかも?
(運営スタッフ: 高木夕子)