シブヤ大学

授業レポート

2009/11/12 UP

「ベランダから農業をはじめよう」シリーズ。
第三回目となりまして、今回の食材は、こまつなです。
スープにもよし、炒め物にもよし、そしてスイーツにもよし!?
そんな逸材を紹介していただく本日の講師は、自称日本一白菜を食べている葉もの野菜のスペシャリスト!
タキイ種苗の千葉先生。そして特別ゲストとして、新鮮な野菜をあらゆるスイーツに変身させてしまうパティシエの柿沢先生。一回の授業で、種まき→育てる→食べるまでを一気に学べてしまうとてもお得な授業なんです。前回授業でのゴーヤ、トマトの種付け時期を逃してしまった方は、今からでも遅くない!むしろ今からの夏が種まきに最適のこまつな。

さっそく育て方のポイントに入ります。
まずは、種まきです。ポイントは、「水・温度・空気」。
これは、こまつなに限ってではなく植物全般に言えるそうです。プランターに土を入れる際には、水はけをよくするため底に鉢底石を入れ、その上から用土を入れます。一旦、半分まで土を入れたらしっかりとお水をかけ土に水分を含ませます。「しっとり感」がベストです。(※土が固まるけど、さわるけどほどける感じです。)
次に種をまきますが、まく前にプランターより少し短めの棒を使い、深さが均一になるよう1cmの溝を作ります。こうすることで芽が一斉に生える、すなわち均等に育つことが大切だそうです。水を軽くあげて、芽が出るまでは、日が直接当たらず、風通しの良いところに設置しましょう。

植物にとって厄介ものと言えば、「虫」。防虫ネットの作り方も学びました。針金を三本、Uの字に折り曲げプランターにセットしたら、園芸ショップなどに売ってある防虫ネット(穴1mm×1㎜がベスト)を被せ、麻紐ですそをしっかりと縛ります。芽が生えてからでは、虫が入ってしまい虫かごになってしまうので、種を播いたらすぐにネットをかけてくださいね。これで後は三日も寝てれば、芽が出てくるそうです。そうしたら80%の成功と言ってもいいそうです。もし芽が出てこなかったら、「水・温度・空気」のバランスがおかしいと思ってください。つぎのステップは、間引きです。間引くタイミングは、本葉が三枚になったものを全体が4㎝間隔なるように間引いてください。更に大きくなったら、その半分という形で、二段階に分けて間引くと良いそうです。ここで間引いたものを捨ててしまいがちですが、これはこれでベビーリーフとして、料理に添えてもOK。有効活用してください。

そして、待ちに待った収穫。成長の具合を見ながら株丈が15~20㎝が食べ頃です。裏技として、一番新しい葉っぱを残し、水遣りの変わりに液肥を一回、3~4日後にもう一回あげると、何度も収穫でき、食卓からこまつながなくなることがないでしょう。以上が、こまつなの育て方。しかし、夏も終わりちょっとこまつなに飽きちゃったなぁという方は、今度は、同じプランターで土に肥料を足して、ほうれん草や、春菊、リーフレタス、水菜を育ててみてはいかがでしょう。それぞれ、いくつか育てるポイントは違いますが、どれもこまつながうまくいったら、同じようにうまくいくに違いありません。どんどん他の野菜にもチャレンジして見てください。いつの間にか、ベランダが農園になっちゃいますよ。

と、生徒さんを見ているとなんだかそわそわしています。
そう今日は、なんと授業の最後に柿沢先生による試食用スイーツが生徒に配られます。
こまつなは、野菜の中で癖がないので、スイーツには最適と、今回腕を振るって下さった柿沢先生。
目の前にでてきたのは、「コマツナのロールケーキ」。生地に練りこまれたコマツナにゴマのクリーム。
野菜の味を前面に出しすぎないようはちみつを加えるのが、ポイントのようです。
そのお味はというと…こまつなの風味が口の中に広がり、これがゴマと絶妙にマッチ!ふんわり生地とともにお口の中でとろけました。この味を体験したいと言う方、是非中目黒の野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジエ」へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

最後に自分の食べるものは、自分で育てる。土に触れる機会を身近に作る。と柿沢先生。
また、最近娘さんと一緒に野菜を作るようになったと言う千葉さん。
お二人のおっしゃるとおり、これこそ食育の第一歩だなと感じました。

(ボランティアスタッフ : 長谷部 雄一)