シブヤ大学

授業レポート

2009/10/22 UP

二足のわらじ ~未来の仕事を考える~

 自由大学で行われるカリキュラムのダイジェスト版という形で開催された授業、「未来の仕事~新しい仕事を創り、新しい働き方について考えてみよう~」。
 講師に、ソウ・エクスペリエンスの西村琢さんを招き、シブヤ大学に興味を持った方や西村さんに興味のある方など、約90名の生徒が会場を埋め尽くしました。
 最初の45分は西村さんのお話、後半15分は生徒が3人一組になり仕事について語るという場、残りの時間で質疑応答という流れで授業が進みました。

 まず西村さんのお話。今までの経歴、ソウ・エクスペリエンスの事業内容、そして、未来の仕事について語っていただきました。
 未来の仕事と聞かれて連想するのは、IT、宇宙、環境、、、、、など。まさに、今どきな仕事を想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、未来の仕事とは、仕事の内容だけではなく働き方が大きなテーマだと西村さんと言います。
 
そこでキーワードとなったのが「二足のわらじ」。
100年に一度の不況といわれる今でこそ、副業を容認する企業が増えてきたものの、まだそう多くはなってきていません。そうした中で、ソウ・エクスペリエンスは、当初からそれを容認ではなく推進する考えがあったといいます。その理由として、本業以外のことにチャレンジすることで、そこで本業につながるものが得られる可能性やチャレンジしたことが本業になる可能性がでてくるかもしれないということでした。ここに未来の仕事のあり方の真髄があるような気がしました。
 本業以外。これは副業というものだけではなく、趣味も含めてとのことでした。ソウ・エクスペリエンスでは、経験や体験をギフトにして提供している企業だけに、耳慣れないものなども紹介してくれました。
 気になったものをひとつ。キャニオニング。これは、体ひとつで滝などを下っていくスポーツです。
 
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●キャニオニング
http://www.canyons.jp/index.html
↑興味にある方は、ぜひのぞいてみてください。
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 とはいうものの、「二足のわらじ」はそんな簡単にはできないもの。そこで、西村さんがもっている「二足のわらじ」を後押しするような印象的な言葉を教えてくれました。それがこれです。
「いいかげんは“好い加減”」。
これについて、自らの起業についての考えもふまえて話してくれました。

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1 マネすることはを厭わない
これは、ビジネスモデルが少し近くても構わないということ。他の会社がやっているからという理由だけでその事業をしないのはもったいない。

2 やる・やらないの判断は「月30万円の収入」
月に30万円稼げるなら、起業をしてもいいという考え。生活が困ることがなければ、起業にチャレンジしてもいいのかなぁと思わせるお話でした。

3 脇目もふらず頑張ることをしない
ベンチャー企業の社長は、朝から夜まで働きっぱなし、というような概念をくつがえすような発言でした。その後の質疑応答でも出た「必死でがんばった時期みたいなものはないですか」という質問に、
「ないです」とバッサリ。がんばり方についても考えさせられるものでした。
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 この起業についての3つの考えは、まさに“好い加減”を象徴するようなものでした。
西村さんの話を聞いていると、不思議と二足ばかりか三足も四足もできるような気がしてくるものです。
 こうして「二足のわらじ」をキーワードにした講義は、あっという間に終わり、ワークスタイルからライフスタイルに至るまでの、新たな生き方を提案してくれました。

 その後の15分で3人一組となって生徒同士で話し合う場は、15分では足りないほど盛り上がりました。
 私自身も生徒と混じってお話をさせていただき、さまざまな人が参加していることに驚きました。参加動機についても、同じベンチャービジネスをやっていることでお話を聞きたいと思って参加した方や、もっと世の中のことを知りたいという思いで参加をした公務員の方など。それぞれの思いをもった方が集まり、次のステップにつながる有意義な時間となったようでした。
 授業が終わった後も、西村さんに質問に向かう方や3人一組で一緒になった方々で話をするなど、会場を後にする方それぞれに満足の表情が感じられました。
 
 また、11月から始まる自由大学の授業にも参加してみたいという方々も多くいたみたいです。今回参加することができなかった皆さんも、自由大学で西村さんのお話や未来の仕事を実践するゲストスピーカーのお話を伺うことができます。
 きっと、参加者全員を、ソワソワさせてくれるはずです。

(ボランティアスタッフ : 廣瀬 憲佑)